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第七話 最高神様と再会

「今、私のことを神の使徒って言いましたか?」


 俺は念のため神父様に確認してみる。

 多分俺の聞き間違いだろう。


「はい、神の使徒様」


 どうやら間違いじゃないみたいだな。

 十二体の神の像が光らなかったって事は俺は加護を授からなかったって事だよな?

 それなのになんで俺は神の使徒って言われてるんだ……


「ちょっと待ってください、神父様。私は加護を授かれなかったと思うんですけど……」


「いえいえ、そんな事はございません。確かに十二体の神の像は光りませんでしたが、真ん中の大きい像が光りました。この像は神々を纏める最高位の神、最高神様の像です。最高神様はこの世界で一番偉いお方でその加護を授かるのは神の使徒様だけと言われております。かつて最高神様の加護を授かった者は、この国では伝説の勇者と言われたバルジーク王国の初代国王様だけです」


「なるほど……」

 

 ということは俺は最高神様の加護を授かったって事か。

 それで、この世界では最高神様の加護を授かった人は神の使徒と言われているってわけか。 

 最高神様のおかげでこの世界に転移して来たから、その影響で最高神様の加護を授かったって事かな。

 うーん、話が急過ぎて頭が追いつかないぞ。

 そんな事を思っていると神父様は床に膝をつき、深々と頭を下げながらあるお願いをしてきた。 


「神の使徒様にこの様なお願いをするのは大変心苦しいのですが……神託の儀を終えた者は加護を授かった神の像の前で祈りを捧げるのが決まりでして、もしよろしければ神の使徒様も最高神様の像の前で祈りを捧げて頂けないでしょうか?」


「そうなんですね、それより神父様、頭を上げてください」


「いいえ、神の使徒様に私のような者がお願いをしているのですから、頭を下げるのは当然でございます」


 俺はそんな大層な人間じゃないから頭を下げないで欲しいんだけど……

 そもそも人に頭を下げられるなんていい気分じゃないし。


「……わ、分かりました。最高神様の像の前で祈りを捧げますので、お願いですから頭を上げてください」


「神の使徒様のお願いとあれば仕方ありません。頭を上げさせて頂きます」


 はあ、こりゃ色々と対応に疲れるな。

 普通に接してほしいんだけどな……

 そんな事を思いつつ、俺は最高神様の像の前に行き祈りを捧げた。

 するとその瞬間、目の前が真っ白になった。


 目が慣れてきて、辺りを見渡してみると見覚えのある景色が目に飛び込んできた。

 ここは俺がこの世界に転移する前に最高神様と話をした神界だ。  

 うん?

 ――ということは俺はまた死んでしまったのか?!

 すると、後ろの方から聞いた事のある声が聞こえてきた。

 振り向いてみると、そこには最高神様がいた。


「イブキよ、久しぶりじゃのう」


「最高神様! 唐突に申し訳ございませんが、神界にいるという事は私はまた死んでしまったんでしょうか?」

 

 俺は慌てて最高神様に確認した。

 だってせっかく健康な身体にしてもらえて、やっと色んな事が出来ると思った矢先だったし。


「一旦落ち着くのじゃ。安心せい、お主は死んだわけではない」

 

 良かった……。

 俺は安堵の笑みをこぼした。

 でもそうなると、俺は何でまた神界にいるんだ?


「それはな、お主が教会で祈りを捧げたからじゃ」


 えっ? 

 そっか、最高神様は俺の心の声が分かるんだったな。

 というか、祈りを捧げたら最高神様に会えるのか?


「そうじゃ、お主が教会の儂の像の前で祈りを捧げれば、いつでも儂に会う事ができるぞ」


 それじゃあ、何か困った時は最高神様に会いにこよう。

 最高神様が分からない事なんてないだろうし。

 それより俺は気になっている事があったので、最高神様に質問してみた。


「そうなんですね。それよりなぜ、私は最高神様の加護を授かる事が出来たのでしょうか?」


「実は転移者には儂の加護を授けるようにしているのじゃ。何しろ転移者たちは事情がどうであれ、儂ら神のせいで死んでしまった者達じゃからのう。儂からの少しばかりの餞別と思ってくれ」


 なるほど。

 となると、バルジーク王国の初代国王も転移者だったってことか?

 

「そうじゃ、初代国王も儂が転移させた者じゃ。もう数千年前になるけどのう。因みに転移者はバルジーク王国の初代国王とお主の他に何人かおるぞ」


 やっぱりそうだったんだ。

 それより俺と初代国王様の他にも転移者がいたんだな。

 てか、神様達のせいで亡くなった人結構いるんだな。

 すると、最高神様は申し訳なさそうに俺に謝罪の言葉を掛けてきた。


「それに関しては本当に申し訳ないと思っておる……」


 あっ、俺の心の声聞こえるんだった。

 俺は急いで最高神様のフォローをする。


「いえいえ、お気になさらないで下さい。少なくとも私は異世界に転移出来て良かったと思ってますので」


「本当か? それだったらよいのじゃが……」


 何より健康な身体にしてもらえて、やりたい事が出来る様になったんだからな。

 まあ、今は転移したてでお金もなくて、まだやりたい事も何も出来てないんだけどね。

 

「それよりイブキよ、お主転移して早々ワイバーンに襲われて災難だったのう」

 

 うん? 何で最高神様がその事を知っているんだ?

 まるで見ていたかの様な言いぶりだな。


「儂は神界からお主を見ることが出来るからのう。お主が転移した後、心配で少し見ておったのじゃ」

 

 やっぱり最高神様凄いな。

 けど、だったらワイバーンに襲われた時に助けて欲しかったです……最高神様……


「そうしてやりたいのは山々だったんじゃが、儂は最高神じゃからのう……そういう訳にもいかんのじゃよ。じゃが、転移先の場所についてはもっと考えるべきじゃった。すまんかったのう……」


 最高神様は俺に頭を下げ謝罪をしてきた。


「いえいえ、謝らないでください!」 


 最高神様にも色々事情があるんだろうし。

 まあ、ワイバーンのおかげでエリシアさんにも出会えたし、結果オーライだよな。

 そんな事を思っていると、最高神様が何かを思い出した様な表情をして話し掛けてきた。


「あっ、そういえばお主に伝えておく事があったのじゃった」


 うん? 

 もしかしたら魔法の使い方とかかな?

 俺は少しワクワクしながら最高神様に聞いてみた。


「私に伝えておく事とは何でしょうか?」


「お主に授けた自転車の事なんじゃが」


 あっ、そうだ! 

 色々あって自転車の事忘れかけてた……

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