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The Radio Girl 8

 3人が走り去るビルの方へ、ヘリコプターや車が向かっていく。山側の途中の道路で遠巻きに火災しているビルを眺めながら摩子は一息ついた。鎮火作業と人命救助が行われる様を見てふと違和感を覚える。


「何とかあの場所から離れられたわね。でも消防でも警察でもないような?」


「あれは自衛隊ですね。所属まではわかりませんが」


「そういえば、洵ちゃん会うまでに言い訳考えなきゃ」


「そうね、正直私も頭痛いわ」


道路を走っていると、大型のトレーラーが一台停車しており複数人の自衛隊が立っている。


「そこの君たち止りなさい!どうしてこんな所へ?」


「研究所へ見学に行こうとしたのですが、余りに恐ろしい光景に車を降りて逃げて来たんです」


「連中の仲間ではないという保障が無い以上はここを通す訳にいかなくてね。少し時間貰えるかな?」


自衛官の一人が一歩こちらに近づくと、すぐに動きを止めて無線を耳に当てる。


「は?ええと、構わないので?はい、分かりました」


無線を切って、自衛官が3人に告げた。


「ごめん、時間取れなくなちゃったから通っていいよ」


そう言われて、3人は安堵しながら先へと進む。その背後を眺めながら、自衛官は綾乃の後姿を焼き付けていた。3人が自衛官を振り切って15分程が経過し綾乃と摩子は汗だくになっていた。走って疲れたのもそうだが、目の前に鬼の形相で仁王立ちしている洵が目の前に居る。


「あ~や~の~」


綾乃は口をパクパクさせて言い訳を考えたが思い浮かばなかった。それから30分、綾乃と摩子は洵の説教を食らってその後洵は泣きながら無事を喜んだ。結局、警察と消防に電話を入れようとしたがアンテナが立たず、そうこうしているうちに自衛官に捕まり車に乗せられて現在居る所まで誘導されたらしい。歩いて民宿の近くまで戻るのに更に時間が経過し途中で買った自販機のジュースで喉を潤しながら歩いていると高級外車が4人の前で止まって、車から紫の長髪の女性が姿を現した。後部座席のドアが開いて、金髪の少女も顔を表す。綾乃を一目見て、彼女は何か確信を得て彼女に告げた。


「命の恩人なんだってね、花音を助けてくれて本当にありがとう。あんたの事情がどうであれ、助けてくれた事に相応の礼は尽くすつもりだ」


「いえ、別にそのなんていうか」


綾乃は照れているが、洵の目は鋭い。


「花音、助けて貰ったら、今度はお返しに助けになってあげなさい。夕方にまた寄るからそれまで、お友達と一緒に遊ぶと良い」


「いいのですか?」


「いいさ、好きなようにやりな」


そう言い残して去っていく。


「花音さんもオカルト研究部に入らない?実は部員探してて困ってるんだよね」


「まずオカルト研究部って名前別にしましょう」


摩子が即提案する。


「活動目的は何ですか?」


綾乃が今の状況と活動方針を伝える。


「実は今の所白紙で、皆でワイワイ出来ればいいかなぁ~くらいにしか考えてない」


「要は、コミュニティ活動ですね。私たちの様な存在を受け入れられる」


「何かカワイイ名前とか付けられないかしら」


摩子が再度そういうと、花音が暫く考えて答えを出した。


「ワンダーコレクション等どうでしょう」


「ワンダーコレクション部。オカ研よりいいかも?」


「略したらワンコレ?ちょっと面白いかも」


綾乃と摩子がそういうと、洵は冷めた口調で言う。


「私は入らないし、どうでもいいわ」


「私の中では洵ちゃんもワンコレ部準レギュラーなんだよ?」


「勝手に入れるな」


綾乃の頭を拳2つででぐりぐりする洵を横目に、花音はエリザの言われた言葉を思い出していた。




 高級外車の車内の中で、エリザの携帯に電話が入り、電話に出る。


【やぁ、お久しぶり・・・初めまして?】


【初めまして、だろうね。記憶はあるんだろうがあんたは別人だ。だがこの番号を使って連絡をしてくる以上は何代経ても紛れもなく彼または彼女に違いない】


【ややこしい事情にも精通して頂けて感謝します】


【書状に目を通さなかった訳じゃないんだ。ただこれは紛れもなく身内の問題でね、筋は通したいのさ】


【気づいているようやね、貴方の周囲で起こっている事】


【うちは女系一族でね、女の権威が大きいのが災いして男の身内が私に反抗してくるなんて事はよくある事で日常茶飯事とも言える問題だ。逆らった身内には厳しい処罰もしているんだがね。納品日まで漏洩していたんだ、ほぼその線が確実だろうね】


【もう一つ気がかりな事が、例の対象人物にそっちの自動式人形が接触したって聞いてるけど】


【ああ、何か友達になったらしいね】


【は?】


【は?じゃないよ。そのままの意味さ】


【いやいやいやいや、危険過ぎへんか】


【あんただって、あの子の面影に見覚えがあるはずだ。それに、一つ人形回収したらしいじゃないか。おめでとう】


【それと引き換えにしては事態がデカ過ぎるんですが?】


【陰陽庁と安倍晴明の名を受け継ぐ人間が、うだうだ言ってんじゃないよ】


【ほな人形一つは法に則り、こちらで回収させてもらいますわ。ぶっちゃけその件に関しては、またじっくり聞かせてもらう事になるかと】


そういい残して、電話は終了した。エリザは窓を眺めながら、遠い昔を思い出した。



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