過ぎ去り作
短編は全て最後に彼女に渡した。
二人で送り合い書き上げた短編集。
我々は病院で知り合い
入院中に二人で小説を書き交互に送り合った。
二人で一文ずつ書いた共同小説も彼女は持って行った。
彼女の気持ちに気づいていたけれど
私の理性は勝利した。
彼女は中学生であり、
私はもう30を越えていた。
彼女は退院し、私は見送る。
再会を約束して5年の月日が流れる。
私は働きながら
短編小説を趣味で書き続けていた。
投稿や応募も続けていた。
突如として
知らされたのは
私の短編集の人気の高まり。
SNSには知らない題名の作品の感想ばかり
そして思い出す。
5年前の作品集の存在を。
二人はまだ出会えていない。
だが
あの頃のまま
小説を書き続けている。
作者はまだ再会できていません。
パラレル作品として
退院後男に拉致された悲しい結末もあります。