9 襲撃2
緊張した空気が走る…
幻想世界、恐ろしく便利だなこれ。マジでダメージ一切ない件について。
「さてと。」
「お前、何者だ!私のヘルファイアを受けて無傷だと?」
「あれがヘルファイアってやつか。密閉空間で炎系使うなよ。息吸えなくなっちゃうだろ。
まぁ俺がなんとかしたけど。
あ、ほかの奴らに見つかると困るし…」
ジークの足元からイマジンワールドの白い空間が広がりあっという間に一帯を包む。
実は詠唱なんて必要なかったりする。まぁさっきは初めての実戦での使用だし?お約束のような…ねぇ。
ていうかさっきまでの敬語キャラどこいったの。
「ちっ、なんなんだこの白い空間は…!魔法は使えないんじゃなかったのか!?」
「さぁ。なんでだろうね。」
「くそっ、調子に乗ってんじゃねえぞ!!!」
そうして魔神教の人1 はいかにもな禍々しい色のオーラを剣に纏わせこちらに突っ込んでくる。
まぁ校長先生を倒せるくらいだしそれくらいはできるか。
ただ、どうやらさっきまでの余裕はもうないらしい。
「死ねえええっ!!!」
「隠蔽」
ジークの姿が消える。
「なにっ!?」
「解除」
「ぐはっ」
リリースと同時に魔神教の人の腹に拳が突き刺さる。解説すると、ハイド状態で普通に殴りに行って拳が当たる瞬間にリリースを使っただけだ。
なんとも便利なものだ。
「くそっ、何しやがった?」
「あれ、見えなかったか?」
「貴様…絶対に殺す…!!」
「さてと。次は…」
ジークの言葉と共に魔神教ニキの足元に突如棘のようなものが現れニキを襲う。イマジンワールドの効果だ。
「ちっ…」
流石にかわせるらしい。忘れてはいけないがニキも作中では相当強い方だ。
だが…
「もう一回だ。次は少し難易度上がるぞ。」
「くっ!」
「隠蔽」
「なにっ!?」
「解除」
「っっ…!?」
我ながらいい組み合わせだとは思う。
「くそっ!!お前、一体何者なんだ!?」
「可愛い可愛い女の子のお使いだよ。」
とりあえず今できることは一通り試したし、そろそろ終わらせるか。
「リリース」
現れるのは、黄金の剣。余りにも大きすぎるエネルギーによって空間が揺れる。
「貴様…一体どれほどの…」
「終わらせようか」
空間を揺らしながら剣が大きく光る。これもオーラの類だ。
そして一振り。波動がとてつもないスピードで敵を穿つ。
「…一閃」
「ぐはっ…」
一撃。だが命を刈り取るには十分すぎた。
「ぐっ…これほどの実力者が王国にいただと…?だが、お前だろうとヘス様には勝てないだろ…ヘス様こそこの世界の支配者にふさわしい存在……」
どうやら力尽きたようだ。
ヘス様かぁ…ヘス教ってことか…?
まぁとりあえず後でいいや。
死体の痕跡を全て消し、展開していたイマジンワールドを解除する。
「ジークよ…君は一体…?」
それなりの時間が経っていたので校長はほぼ回復したようだ。
「今見たことは秘密でお願いします。今は時間があれなので、後でまた話しましょう。敵は校長が倒したということでお願いします。」
「あ、あぁ。わかった。」
どうやら地上の魔物は、リーンたちが倒し切ったようだ。
「「ジーク!」」
「リーン、アレン!」
「よかった…無事で」
「そっちこそ。こっちは魔物が数匹いた程度だ。建物の中は一通り確認したが、皆避難できたっほい。あと、その途中で校長先生にも会った。」
「校長先生、服こんななのに…回復力すごすぎです…」
「まぁ、なんとかじゃよ。」
どうやら皆無事なようだ。ソフィは怪我人の治療にあたっているようだ。
「ところで、魔物たちはどこから…?」
と、知らないアピールをするために言っておく。
「わからない。禍気の痕跡すらないのに…」
どうやら、あの空間の歪みには気がついてないらしい。
「わしを襲ってきたのは人間だった。魔神を信仰してるとかなんとか…そいつが関わっていたのだろう。」
「人間…?どういうこと…?」
「敵は人間ということだな。そして魔物も奴らが関わっているのだろう。」
「そんな…」
「とりあえず、今日は皆休むのじゃ。考え事はまた明日じゃ。」
こうして魔物による襲撃は勇者組の活躍もあり、怪我人こそいたものの死者を出さずに幕を閉じた。
また、敵がヘス教という組織であることも分かった。
これから忙しくなりそうだ。
すいません、いろいろ忙しくて時間とれないです。来年くらいまでちょっときついかも。
小説初心者なんでまったり自分のペースでやってみようと思います。