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神様の加護を得て暗躍します  作者: いくらたべたい
学園編
4/9

4 午前授業とお昼ご飯

午前中は座学だ。今に至るまでの歴史など、魔素の扱い方や、複数の属性の魔法を使用することで効果が相乗されることなど。戦闘センスなどにかかわることを学ぶ。

そして昼。食堂でいつもの面子、リーン アレン ソフィ 俺 で一緒に食べる。

リーンは地中牛のハンバーグ、アレンとソフィは兄妹だけあって好みが似てるのか、二人とも飛豚のソテーを。

そして俺は海鮮丼だ。フローレンス王国は海に面していて魚も採れる。

そうして食事を楽しみながら、ソフィが


「勇者様!泣き止まない森(クライフォレスト)奪還おめでとうございます!あの森を奪還できるなんて…」

「ふふっ、ありがとうね。でも…その、勇者様って言うのやめてくれない?なんだか恥ずかしいな…」

「ええええ、そ、そんなこと、恐れ多すぎてできないです!!」


そう、ソフィは勇者の大ファン(?)なのだ。リーンを前にするとソフィは急にアイドルを前にした限界オタクみたいになる。

そんな妹を見て頭を抱える兄アレンは


「悪い、このバカは無視してやってくれ…」

「私はバカじゃないでしゅ!?」

「…しゅ?」


あ、噛んだな。


「あっ、あっ」


尊敬する勇者の前で思いっきり噛んでしまったのが余程恥ずかしかったのか、顔を真っ赤にしたソフィはそのまま蒸発する。

そんな妹を見て再びアレンは頭を抱える。

少しして、アレンが


「そういや、あの森からする不気味な泣き声はなんだったんだ?」


泣き止まない森(クライフォレスト)の名前の由来。それは絶えずそこから聞こえてくる泣き声である。


「あれはね、森の中の魔物の鳴き声?だったのよ」

「鳴き声なのかあれ」


思わず俺は突っ込んでしまう。あんな不気味な鳴き声あってたまるかよ


「森の中心にあった巨大な木から鳴っていたのよ。どうやらあの木が禍気を濃くしていた原因らしくてね、倒したら鳴き声も消えて禍気も消えたの」

「なるほどな…」


「ところで、他の木は浸食されていなかったのか?どう見てもやばそうだったけどあの森」

「中心の大きな木だけだったわ。不思議なことに、他は全く浸食されてなかったのよね」

「不思議だな…まぁ考えてもしかたないか」

「ええ。あ!そろそろ時間だね。じゃあ、放課後またね?」

「ああ」


そうしてリーンは先に席を立つ。


「あ、私も。ちなみに、じーくん、放課後って…?」

「ちょっとした約束だよ」

「怪しい」


いつの間にか復活したソフィが問い詰めてくる。


「時間やばいんじゃないのか?」

「え!?あっ、やばいじゃん!!もっと早く言ってよお兄ちゃん!!」


そう言ってソフィは急いで立ち去る


「はあ…あの妹大丈夫かな…」

「ああ見えてもソフィはしっかりしてるし大丈夫だろ」


そして俺たちも戻る。午後は実技だ。



実技の授業。内容は簡単だ。ペアを組みペアと戦う。魔法以外もありだ。

まぁ順当に俺はアレンと組むわけだが。俺は魔法が使えなかった。だから、剣をひたすらに極めた。

対するアレンは魔法も剣も一流の腕を持ち、将来結成されるであろう勇者を中心とした精鋭部隊に入るだろうと言われているくらいである。ちなみにだが、魔法は魔素がないと使えないし、環境次第で効果が出なかったりと色々不都合がでる場面もあるのでこうして剣などの武器も使われるわけである。

今回使う剣は学校に置かれている訓練用の鉄の剣だ。


「今日こそ勝たせてもらうぞ、ジーク」

「それいつも言ってないか?」

「言ったほうがそれっぽいだろ。」

「そうなのか…?」


自慢ではないがそんなアレン相手に、俺は純粋な剣だけならば負けたことがない。そしてほかのクラスメイトにも剣を教えてくれと頼まれたりと、俺の剣の腕はそれなりに評価されているらしい。

魔法が使えないという特異体質的な俺を正直評価してくれるクラスメイト達には本当に感謝している。


「じゃあ、行くぞ」

「ああ」


空気が変わる


「今日は魔法も使わせてもらうぞ」

「まじかよ!?」

「縮地」


そうアレンが唱えた途端、彼の姿が消えた。

姿は消えたが気配が消えたわけではない。俺は、刹那の間にその気配を感じ取りバックステップを踏みつつ真上に剣を振る。剣が交わる。そこにはアレンの姿が


「なっ!?」


アレン驚いた様子だ。一撃で終わらせるつもりだったのだろう。だが甘い。

一撃で終わらせるつもりだった故に着地のことを考えていなかったようだ。

俺はバックステップの勢いを生かし交わった剣先を体を使ってスライドさせアレンの落下の勢いを殺さずに回避する。

結果、アレンは態勢を変えられずそのまま地面に垂直に落下。

一応まだ起き上がれるらしい。が、これ一本だ。


「まずは一本だな」

「なぜ気づいた?」

「気配だよ。姿を消せても気配は消えてなかった」

「まじかよ…あの一瞬で気配を察して行動したのか?バケモンだなお前…」


実は前の自分だったら無理だったと思う。

やはり、例の加護の影響なのか気配の察知力も身体能力。いや、身体の軽さが全く違うものになっていると思う。

俺は拳を握りしめる。魔法を使えるようになったこと、剣術も新しい成長が見えたこと。周りにバレない様に喜ぶ。そろそろ剣術の成長も限界かと思っていたころだったので成長の道が見えたのはいいことだ。


「はぁ、一本取られちまったか。仕方ない、切り札を使おう。宿木(ミストルティン)


そうアレンが唱えると、今度は彼の剣に変化があった。彼の剣には緑のオーラが。これは所謂魔法剣士が使う類の魔法だと思われる。魔素に干渉できるオーラを作り出し剣に付与する。これによって莫大な威力を得ることができる。

ただ、この魔法はとんでもなく難易度が高い。当然だ。人間は大気の魔素を感じとり、それを吸い込み、体内で理想の効果に変換し、放出する。ちなみにこの、理想の効果に変換するという過程で詠唱がないと精密なイメージが及ばず失敗する可能性がある。

この過程を半ばすっ飛ばすようなオーラを作り出すためには本当に精密な調整が必要なのだ。

とても、17歳の青年にできる所業ではない。


「お前…それって」

「ああ。魔法剣だよ。まだまだ完全ではないけどな」


それを見ていたサンザード先生は他の皆の訓練を止め、俺たちの戦いを見るように言った。

場所も用意してくれたので心置きなく戦える。


「うおおおおおおお、魔法剣じゃねえか!!すごいぞアレン!!」

「魔法剣使いとうちの学園最強の剣士の戦い…どうなるんだろう」

「どっちも頑張れ!!!」


観戦しているクラスメイトから歓声が沸いている。


そろそろ世界観が固まってきたころでしょうか?ここからペース上げて進めていきたいと思います!

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