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【企画・詩】作品

桜の恋の物語 【フラワーフェス企画】【初恋企画】

作者: 香月よう子



「葉桜の季節」


桜なら来年もまた咲くよと

あなたは言う


けれど

来年もその木の下であなたが

私に微笑みかけてくれるかどうかは

わからない……


だからこそ

散りゆく薄い花びらを

見つめながら想うのは


幾たび季節が廻れども必ず桜が咲くように

いつもあなたの隣には私が在りますように










__________________



「桜の手紙」


制服の胸のボタンを下さい

そう告げたあの木の下が

教室の窓辺からよく見える


あなたはいないけど

金色に光るそのボタンは

私の掌の中にあって……


 お元気ですか

 桜吹雪が綺麗です










__________________



「桜色の想い出」


桜吹雪の舞う木立の中

彼女は愛おしそうに

ピンク色の空を見上げていた


頬を桜色に上気させ

彼女は何を想っていたのだろう

声をかけようとして

何故だかそれが出来なかったのは

彼女の薬指のリングのせいだった


あれから一年


彼女はまた同じ場所で

ピンク色の空を見上げていた

薬指のリングはなかったけれど

それでも愛おしそうに

ピンク色の空を見上げていた


声をかけると

彼女は桜が咲くようにほっこりと微笑み

そして泣いた……


それから毎年、春になると

僕たちは一緒に桜色の空を見上げている










__________________



「桜の樹の下で」


さいた さいた

桜が咲いた

おどれ おどれ

輪になって踊れ


春風に舞う花びらのように

薄桃色の空の下で












本作は、2020年・ちはやれいめい様主催「フラワーフェスティバル 2020!」企画、2023年・武頼庵さま主催「第3回初恋企画」参加作品です。


参加させて下さったちはやれいめい様、武頼庵さま、お読み頂いた方、どうもありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 桜が心情にぴったり寄り添う、そんな詩を読ませていただきました。 学校や散歩道の桜は私にとっても思い出がいっぱいです。 香月さまの桜の詩も人の気持ちがたくさん描かれていますね。 とっても素敵…
[一言] 香月よう子様 度々失礼します。 「葉桜の季節」→ 「桜の手紙」→ 「桜色の想い出」→ 「桜の樹の下で」 これら全て「詩で綴られた物語」。つまり、1つの物語として思っておりました。 そし…
[良い点] 詩で綴られた物語もいいものですね。 春風に舞う桃色の花びらたちが輝いて見えました。 素敵な物語をありがとうございました(^^)v みこと
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