赤に染められて
目の前に炎が燃え広がる。
赤く煌々と思い出も蔑みも全てを燃やし尽くす。
崩れる家屋。
村全体が燃える。
赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い。
漆黒の闇夜も赤く染まる。
地面すら赤く染まる。
それは炎ではない。
液体、赤い液体、人の液体、人間の…血。
家屋も燃える。
草木も燃える。
花も燃える。
衣服も燃える。
本も燃える。
家具も燃える。
食糧も燃える。
紙幣も燃える。
虫も燃える。
空も燃える。
動物も燃える。
人間も燃える。
命すら燃える。
そんな全てを容赦なく燃やす景色が見える。
全てを燃やしているはずの炎の中で、景色を見ている。
景色を見ているそれは、燃えてなかった。
たった一人だけ燃えていなかった。
たった一人、フードを被った幼い少女だけは燃えていなかった。
絶対的に絶命的に燃えている炎の中に一人だけ、別の空間に居るのかと思わせるくらいに、燃えていない。
その少女は赤く染まらない、否、足には血がまとわり、血に染まる。
「あああぁあぁぁああぁあああぁああぁああああ!!!!!!!!!!」
少女は叫んだ。
少女の出すような可愛らしさの欠片も無い、狂気に取りつかれたように、全てを失ったように、叫んだ。
少女のフードが肩へと落ちる。
少女の髪は……赤かった。
そこは赤い少女にとっての地獄の始まりに過ぎなかった。




