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たまには魔王も旅をする  作者: きげん
2章 魔王と魔術師の哀しき孤独
27/63

赤に染められて

 目の前に炎が燃え広がる。

 赤く煌々と思い出も(さけす)みも全てを燃やし尽くす。


 崩れる家屋。

 村全体が燃える。


 赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い、赤い。


 漆黒の闇夜も赤く染まる。

 地面すら赤く染まる。


 それは炎ではない。

 液体、赤い液体、人の液体、人間の…血。


 家屋も燃える。

 草木も燃える。

 花も燃える。

 衣服も燃える。

 本も燃える。

 家具も燃える。

 食糧も燃える。

 紙幣も燃える。

 虫も燃える。

 空も燃える。

 動物も燃える。

 人間も燃える。

 命すら燃える。


 そんな全てを容赦なく燃やす景色が見える。

 全てを燃やしているはずの炎の中で、景色を見ている。

 景色を見ているそれ(・・)は、燃えてなかった。

 たった一人だけ燃えていなかった。

 たった一人、フードを被った幼い少女だけは燃えていなかった。

 絶対的に絶命的に燃えている炎の中に一人だけ、別の空間に居るのかと思わせるくらいに、燃えていない。

 その少女は赤く染まらない、否、足には血がまとわり、血に染まる。


 「あああぁあぁぁああぁあああぁああぁああああ!!!!!!!!!!」


 少女は叫んだ。

 少女の出すような可愛らしさの欠片も無い、狂気に取りつかれたように、全てを失ったように、叫んだ。

 少女のフードが肩へと落ちる。

 少女の髪は……赤かった。


 そこは赤い少女にとっての地獄の始まりに過ぎなかった。

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