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5 はじまりの街




 道中、出てくる魔物達を倒しながらやっと始まりの街『アージン』に到着しました。魔物の来訪者でも街に入れるのはありがたいですね。魔物と人類、それぞれのプレイヤーが敵対しているわけでもないですし。もちろん魔物として住人(NPC)やプレイヤーを襲えば討伐されたり、レッドネームになったりするのですが。そういうロールプレイを楽しむ人もいるでしょう。私はしませんが…。

 城門に衛兵らしき人がいるので、大丈夫とわかっていても不安になりますね。


「お、その腕輪をしてるって事は魔物の来訪者か。ほんとに来訪者ってのは不思議だな、こっちへ来るのは仮の肉体なんだろ?なんでわざわざ魔物になるんだ? レベルの成長もはやいみたいだし。まあいいか、ようこそ『アージン』へ! 問題起こさなきゃ歓迎するぜ!」


 よかった、無事に通れました。神様の神託が降りたという設定でしたね。信託のおかげで魔物プレイヤーも町に入れるようですし神様、様々です。

 妹から聞いた話だと冒険者ギルドに登録した方が良いとの事なのでまずは冒険者ギルドに向かいますか。門番さんに場所を聞いとくべきでしたね。




「おーい、そこのお方や。ちょっと見ていかないかい?」


 東門から大通りを冒険者ギルドを探しながら歩いていると、細い路地に露天を出している怪しい格好の老婆に声を掛けられました。


「やっぱり来訪者かい。しかも魔物の。珍しいねぇ。あたしゃこの街で店を開いてる錬金術師のカーミラだ。あんたは?」

「わたしは来訪者でスケルトンのクロエです。アージンには着いたばかりで冒険者ギルドを探しながら街を歩いていたところです」

「ふむ、着いたばかりでそのレベルかい。てことはあんたは外で生まれたんだね。ああ、勝手だが話しかける前に鑑定と識別をさせてもらったよ。誰にいうわけでもないから安心しておくれ。あたしゃ相手をみてから声をかけてるからね。であたしのことだけど、他の街から帰ったばかりでね。思いのほか収穫が多くて露店で減らそうとしたわけさ」

「なるほど、では見させてもらいますね」


 信用はできそうですね。私の鑑定と識別では名前しか分からなかったのでかなりの格上ですね。この露店に並んでいる物も自身で手に入れたのでしょう。いい物に巡り会えそうです。


[装備・装飾](むくろ)の仮面 レア度:Ra 品質:B

 骸骨を模した銀制の仮面。装着者の闇属性魔法の威力を上げる。

 闇属性魔法の威力上昇:中


 この仮面、性能はいいですね。しかし、スケルトンが骸骨の仮面とはこれ如何に。まあいいでしょう。これも出会いです。


「この仮面かい、良いのを選んだね。この中じゃこれが1番あんたに向いてるよ。見た目はともかく性能は良いさね。しばらくは役にたつだろう。クロエ、あんたのことは気に入ったからタダであげるよ。人外の来訪者ははじめて見たからね。スケルトンとの会話はなかなか楽しかったよ。今度は店の方においで。あと冒険者ギルドは南門の方だからね」


 そういうと魔法かスキルかはわかりませんが居なくなってしまいました。変わった人でしたがいい人でしたね。ギルドの場所も教えてくれましたし。特殊なNPCなのでしょうか?

冒険者ギルドに向かおうとすると美月からフレンドチャットが来ました。


『智月姉ぇいまどこー?』

『やっと街に着いたから冒険者ギルドに向かうとこ』

『まさか…。じゃあ、ギルドで待ち合わせね!』


さて、今度こそ行きますか。




「いたいた、お姉ちゃーん!」

「見た目は色だけ変えたのね、グレース」

「そうだよ、β版からね。ってクロエ姉ぇ、やっぱり人外か」

「面白そうだったからね。ちなみにスケルトンです」

「胸も消えちゃって、てかなにその仮面」

「さっき露店で手に入れたの。なかなか良い性能ですよ?」

「スケルトンなのにドクロの仮面なんだ…」

「それは言わないで。ほら、行きますよ」


ギルド内は受け付けと壁の一角に依頼掲示板があり、酒場が併設してあるイメージ通りの内装でした。


「すいません、登録をしたいのですが」

「登録ですか? かしこまりました。あ、来訪者の方なんですね! そしたらこの水晶に手をかざしてください!」


水晶に手を当て登録を進めます。冒険者ギルドの説明を受ける。どうやらFEDCBAの順でランクが上がっていく。受けられる依頼に制限はないが、失敗すると違約金が発生する。依頼板で受け、報告は受付で。ギルドカードは無くすと再発行にお金がかかる。お金はギルドに預け入れ、引き出しが可能。その他諸々の説明を受け、出来上がったギルドカードを受け取りました。


「これでギルドへの登録が完了しました。これからのご活躍を期待しております!」


ギルドの登録が終わったのでなにをするかグレースと相談する。


「うちはこれから狩りに行くかなー。そろそろレベル3になりそうなんだよね〜」

「私はまだ街を見て回ろうかな。武器とかアイテムも買いたいし。あ、そうだ私レベル5だよ」

「えっ! たか!! 流石、外スタート。そうだ、ギルドの隣の解体屋で《解体》教えてもらえるからね! それと今度知り合いの生産職紹介するから!」


 そう言い残してグレースは走り去っていきました。相変わらず元気ですね。それはそうと《解体》のことはすっかり忘れてましたね。


 解体屋で働いている職人さんに《解体》を教えてもらい、お礼を言って武器屋に向かいます。職人さんは優しいおじさまでしたよ。

 そんなこんなで武器屋到着。この武器屋は鍛冶屋もやっているようですね。店員のおばさまと相談しながら鉄の剣を買いました。


[装備・武器]鉄の剣 レア度:No 品質:D+

 

 初期の所持金で10000(リル)持っていましたが、この買い物で6000Rまで減りました。金策しないとまずいですね。冒険者ギルドでクエストを受けましょう。




《解体》

 魔物のドロップが増加する。

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