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不適合作家短編集

おじさん

僕はおじさんが大好きだ。

でも、僕はまだおじさんの事を

名前くらいしか知らない。


僕のおじさんは

毎月沢山のお金を持っている。

僕は毎月、月の初めになると53万円もの

お金を財布に入れたおじさんと街を歩き

身体の弱いおじぃちゃんやおばぁちゃんに

お小遣いを渡して歩くのが

とても楽しみだった。


そして、

皆んなにお小遣いを渡し終えると

おじさんは砂場で僕と遊んでくれる。

大きな砂場に道路や線路を作って、

大きなお家を作る。

砂場はどんどんカッコ良くなって

僕のワクワクも増すばかりだ。


僕はおじさんが大好きだ。


みんなもお小遣いをくれるおじさんが

大好き。


誰にでも好かれるとっても優しい

おじさんは僕の自慢のおじさんだ。


でもその日、

風邪で学校を早退した僕は

おじさんが持っていくお金の半分くらいが、

《しゃっきん》というものだと

知ってしまった。


しかも、

《ろーん》というものも5143万円あるらしい。

おじさんは今まで見たことのない苦しそうな顔で悩んでいて、


でも、

僕が帰った事に気づくといつもの優しいおじさんに戻ってしまった。


おじさんは今日も僕とお小遣いを渡しに

出かける。

繋いだ手がどこか冷たく感じるのは

気のせいなのかな?


みんながありがとうと言う。


でも、僕はもう笑えない。


やめて......やめてよおじさん。

おじさんは何を考えているのだろう。


僕にはわからない。


僕が知っているのはおじさんの名前だけ


おじさんの名前は、日本財政。


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