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2.ここから始まるアドベンチャー

思い付きで書いている為、他者の作品と似てしまう部分もあるかと思います。

もし、あれ? あの作品と似ているな と思ったら、コメントか何かで教えていただければ嬉しいです。

絶対に許さない。ハーン国王… あいつだけは絶対に許さない。

俺はもう覚悟を決めていたのだ、仲間の為にはこの命さえ惜しくなかった。だが、あいつは俺の覚悟を裏切った。

二度、裏切られた…


「許さない…」

「ごめん、僕には君が何で怒ってるのか分からないんだよ。

言いたくないなら良いんだけど… 出来れば教えてほしいな…なんて」


俺の命はもはやこいつ次第だ。この平和を体現したかのような顔の男… こいつはきっと何も苦労せずに生きて来たんだろう。

勇者と言う大命を与えられ、俺の様な小間使いを与えられ、さぞ気分がいい事だろう。


「お前の言う事など絶対に聞かないからな… いいか、これだけは覚えておけ! 俺は俺の目的を成し遂げるまでは絶対に死ぬ訳にはいかなくなった! だが、その目的は誰の力も借りずに成し遂げる!! 絶対にお前の言う事など聞かないし、逆にお前の力も借りようとは思わん!!!」

「わ、分かったって。別に何もしないってば…

はぁ、これは先が思いやれるぞ……」


ハルニス… 絶対にお前の敵は打ってやる…






◇◇◇






困った。非常に困った。

この人、体が動くようになった途端に僕に向けて物凄い"圧"を向けてくるのだ。

城の入り口、及び広場の辺りから当ても無くブラブラと歩いているのだが、その間後ろからは物凄い"圧"がとめどなく降り注いでいる。


「はぁ… どうすればいいんだ」

「フンッ!!」


まず、話を聞いてくれない。近づくなんて論外で、そもそも周囲の人間全てから距離をとっている。


「せめて名前だけでも教えてくれないかな?」

「ふざけるな、誰がお前なんぞに名前を教えるか!!」


ただ不思議なのは、僕から一定の距離を保ちはするけど、決して逃げようとはしない。何か力が働いていると言うのが考えられるけど、それもこの世界の知識が無い僕には分からない。


「はぁ、困ったなぁ……」











「……おい、お前」

「やっと話しかけてくれた… えっと、何かな?」

「お前は確か召喚された人間だ。合っているか?」

「うん、そうだよ、僕はこの世界の人間じゃない」


やっと話しかけてくれたけど、いきなりどうしたんだろう?


「お前はあの王が憎くないのか? お前にも親兄弟、友人がいた筈だ。

そんな日常をあいつは崩したんだ、憎くはないのか?」

「そりゃあ、いきなりこんな所に放り出されたんだから、憎くないと言えば嘘になるけど。

そこまで、かな?」

「なぜだ!! 平和な日常、変わらない幸せ、それらを壊されたのに憎くはないと、そんなことある筈がないだろう!!」

「そもそも、僕が幸せだったかと言われれば、そんなに幸せじゃなかったと答えるだろうし、僕はこっちの世界の方が求められているからね。

誰からも気にされない、空気の様な日常を過ごしていた今までよりは、これからの日常の方がどちらかと言えば幸せかな?」

「……そうか」


僕たちの会話が終わった後、暫し言いようのない雰囲気が僕たちを支配した……











「悪かった…」

「え?」

「悪かったと言っているのだ… 俺は少し頭に血が上り過ぎていたようだ。

辛いのは俺だけじゃない。そんな基本的な事を忘れていた。

お前を初めて見たとき、不思議と幸せそうだったのが気に食わなかった。俺はこんなに辛い目にあっているのに、お前は何故幸せそうなんだと、そう思ったのだ」

「幸せそうね…」

「俺の目には幸せそうに見えた。少なくとも、絶望にまみれた顔はしていなかった」


この人の人生も色々あったんだろうな、とは思うけど、流石にとばっちりは勘弁だ。

まぁ、少し落ち着いたようだし、これなら話も出来るかな?


「ねぇ、もしよかったらなんだけど、そこのベンチにでも座って話をしない?」

「……良いだろう」






「まず、自己紹介からだ。

僕の名前は桜木秋桜、呼び方は何でもいいよ。

歳は… この世界の暦が分からないから、何とも言えないかな? たぶん君とは1,2歳違うだけだと思う。

趣味はは物を作る事。結構何でも作るけど、作りたい物を作りたい時に作る感じだから、知識は偏ってると思う」

「…俺はホロッサ。

一応説明しておくが、この世界の暦は365日を1年として、それを3つに区切って表現する。開花の月、光輝の月、寒風の月と言う風にな。

そして、俺の歳は19。開花の月の5日が生を受けた日付だ。

これ以上はまだ教えられん。まだ完全に信用したわけじゃないからな」

「そう、まぁ僕の事を完全に信用しろとは言わない。

ただ、一つ言わせてほしいのは、僕はホロッサの敵じゃないって事かな」

「ふん… 敵かどうかは自分で決める」


ホロッサはそう言うと、少し離れた所にある花屋を見つめる。


「花好きなの?」

「お前には関係ないだろ」


やっぱり、まだまだ打ち解けるのは厳しそうだ……






◇◇◇






太陽が天高く上っている。周囲をうろついていた人間達は、いつの間にか姿を消していた。飯でも食いに行ったのだろう。まったく、俺達が何に巻き込まれているのかも知らないで呑気なもんだ…

今日は疲れた、早く宿で休息を……


「…まずい」

「ん? どうかした?」

「おい、お前金は持っているのか?」

「僕は金どころか何にも持っていないよ」


しまった… てっきり資金を貰っているものだと思ってゆっくりしていたが、よく考えるとあの国王が渡す訳が無かった。

金が無いと言う事は、物を買うことが出来ないと言う事だ。何を当たり前の事を言っているのだと笑えばいい。

しかし、今はその当たり前な事が問題なのだ。

それは… サービスだって"買う"事と同義だと言う事だ。


「早い内に金を稼がないと、今日は牢屋で眠る事になるぞ」

「ん? そうか、金が無いと宿に泊まれないもんな……

って、どうして牢屋なんだ? 野宿とかはできないの?」

「お前の知識では想像できないのも無理はない。

この世界で言う夜は、魔物の活動が活発になる時間帯の事を言う。そしてその時間帯は、どんなに弱い魔物だろうと油断できない程活発に活動するのだ。

その中で魔障壁も無しに野宿をしようものなら、俺達はたちまち魔物共のエサだ。

そして、この国では路上での睡眠は禁止されている。それを破った者は、処罰の対象として牢屋へ送られるのだ」

「そ、それじゃあ今のままだと……

確実に牢屋行きですね」

「ハァ… 何を悠長に構えているのだ!! この国での処罰とは死罪なのだぞ! つまり、このままだと俺達はどうやっても死ぬことになるんだ!!」

「うーん、それは困ったな…」


一体こいつは何なんだ? このままだと死ぬと言う事が分かっても尚この落ち着いた雰囲気。死ぬことが怖くないのか? それとも、勇者であるが故に死罪は免れるとでも思っているのか?


「落ち着いている場合ではないだろう! いいか、俺は烙印のせいでお前から一定距離を離れることが出来ないのだ。つまり、お前が行動を起こさない限り俺は何も出来ない。だが、俺は此処で死ぬ訳にはいかないんだ! 分かったらさっさと行動を起こせ!!」


俺はまだ死ねない、こんな所で死ぬ訳にはいかない!!

ハルニスの敵を取るまでは、何があっても死ぬ訳にはいかないのだ!!






◇◇◇






「よし、じゃあこうしよう。

今から何か仕事を探そう。うん、ていうかそれしかないよな?」

「結論は出たか。ならば早速行動に移って貰おう」


とは言った物の、僕はこの世界でどうやって仕事を貰ったらいいか分かんないんだよなぁ


「……どうやって探そうか?」

「……ハァ、そうか、無理もないな。

仕方がない、今日は俺について来い」


そう言うとホロッサはスタスタと歩き始める。

その歩みには全く迷いが無く、何か当てがある様なのは確かだった。


「何か当てがあるの?」

「あぁ、本来は色々と説明しなければいけないんだが、今は時間が無い。説明は省かせてもらう」

「せめて何をするのかだけでも教えて貰えないかな? ちょっと怖いんだけど…」


すると、ホロッサはポツリと答える。


「……狩りだ」


ホロッサは確かに狩りと言った。対象が何なのかは分からないが、狩りと言うからには戦闘があるのかと、僕はドキドキしながらついて行くのだった……

ここまで読んで頂きありがとうございました。

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