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その日、夢を見た。鮮明に記憶に残る夢。

行った事は無いが、スナックって言うのかな。カウンターがあって、ボックス席が四つあってL字型に並んでる。そんなに広くない。

ここは“父親”とセックスした女(母親?)がいるスナックだと直感が働いた。カウンターには客が居ないが、ボックス席は埋まってる。カウンターの中にオレは立っていた。正方形の形したシンクが二つあり、片方は何も無く、もう片方にはぎっしりワイングラスが入っている。乾杯の後か?一個、血の様に赤いワインがなみなみと入っている。そこでオレは(あぁ、ピザトーストを作ってるんだった)と思いだし、オーブントースターを除くと長方形のピザトーストが見えた。まだチーズが溶けてない。まだだな。する事が無いからなみなみ入っている血の様に赤いワインを眺めていた。しばらくして、オーブントースターを再度覗くと、ピザトーストが三角になっていた。もうすぐだ。目線をボックス席にやると、そこに座っていたホステスさんじゃない女性と目があった。客?その女性が懐から銃を出してオレに照準を合わせ、引き金に置いた人差し指に力をこめた。



そこで目が覚めた。

何だ今の夢は。なんとなくだが、会った事も無い母親が背中を押してくれてる気がした。母親から夢で背中を押され、父親から「何のために生きてるんだ。」と言われ、ネトゲー仲間から「やらないで後悔より、やって後悔。」と励まされ、全てが“神”になれと言う方向性にしか見えなくなった。

『そうだ。オマエには“素質”がある。そして“条件”も解っただろう?』

おっと、自称“神”もおでましか。

「いや、長年引きこもってたから、外に出る事に抵抗があると言うか・・・」

苦し紛れの言い訳をしてみた。

『ん?何を言ってるんだ?何を気にしているんだ?』

「だってよ、5年も外に出て無いんだよ?それをイキナリ外出するとかハードル高いよ。」

『どうせ、そっちの世界とは決別するんだぞ?何を怯えてるんだ?その先に待っているのは無限の世界だぞ?』


やっぱりこいつら歩合制か?


しかし、オレはこの会話で決意した。ヨボヨボになってこんな生活が出来る訳が無い。なら、今ちょっとの頑張りで永遠の楽園に行った方が良いに決まってる。



まず、部屋の中でバッグを探した。バック、バック、確かリーマン時代に使ってたのが何処かにあるはずだ。何処だ。捨てた?確か、押入れの奥に投げ込んだ記憶が。ん?おっ!懐かしい。ビックリマンが出て来たよ。魔性ネロとか懐かし過ぎるだろう。確かブラックゼウスが・・・おっと、過去にトリップする所だった。おっ!ガムラツイストとドキドキ学園も出て来た。懐かしいなぁ。ラーメンばあ・・・いかんいかん。またトリップだよ。バック、バック。バックが無いと計画が水の泡だよ。ん?あの黒いのは?


ムサシは黒いバックを手に入れた。


これで包丁入れは確保。この部屋でいる物は無い。台所へ向かうべく、ドアを力強く繊細に開け放ち、粉薬を上皿天秤に載せる薬剤師の様な細心の注意を払い階段を降りた。


家から人の気配がしない。なんてツイてるんだ。

一直線に台所へ行き、包丁探索開始。大した苦労も無く包丁は見つかったけど、こんなに種類が多いのは予想外だよ。反則だよ。長いの短いの、太いの細いの、どれが良いんだろ。人を殺すのには。長すぎるとバックに入らないし、短すぎると殺せそうに無い。

ゴソゴソ探してると30cmくらいの包丁を見つけた。

これならバックにも入るし、人も殺せそうだ。


ムサシは包丁(30cm)を手に入れた。


田舎だと、無差別に殺せるほど人が歩いてない可能性あるな。やっぱり首都だな。そのためには金がいる。交通費とか色々。30万くらいあれば余裕だと思う。金がある可能性を秘めた部屋は、ジジィの部屋だな。ムサシは台所をあとにし、ジジィの部屋へと向かった。脳内ナレーション完璧。


父親の部屋。

中学の時にはすでに入った記憶が無いから小学生以来か。

でも、このレイアウトは何となく覚えてた。特に感動はないな。

さて、王様はいくら用意してくれたんだ。

はした金と棒で魔王倒して来いや!的な無茶ぶりが無い事を願う。勇者の嗜みとして、机の引きだしを無造作に開けまわった。

筆記用具、筆記用具、書類、書類、手紙、手紙、手紙、腕時計。

腕時計?

何だこれ?時計の数字が並びがバラバラだ。フランク・・・なんて読むか解らん。ミスプリントの腕時計だから不良品かな。


ん?封筒が出て来た。どれどれ。


チャンチャカチャーン!


ムサシは札束を見つけた。

1、2、3・・・99、100。100万円か。何の金だろう。鍵が掛かってない引き出しに入れてるって事はどうでも良い金だ、と判断した。ジジィの会社のハンコが帯に押してある。か気にしないでおこう。ありがたく使うよ。


ムサシは100万円を手に入れた。


ステータス

LEVEL  :30

職業   :魔法使い

属性   :ニート

アビリティ:引きこもり

武器   :包丁(30cm)

鎧    :布の服(綿100%)

袋    :黒バック

所持金  :1,000,000円


オレの冒険が、今始まる。 

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