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取り調べは淡々とこなして行った。罪が重くなるために正直に全てを話した。“神”になりたいから無差別殺人事件を計画して実行した、と。国家権力は最初こそ強気になりながら「ふざけるな!」「国家権力なめるな!」「恥ずかしく無いのか!」的な事を大声で叫んでいた。どうでも良いけど、こいつらってボキャブラリが貧相だな。取り調べの回数を重ねてと、オレの真剣な態度の主張が伝わったのか、こいつは本気だ!と感じ取ったのか、“神”についての調書を困惑した態度を取りつつ進められて行った。正直に喋ってるのに何で困惑するんだよ。さっさと裁判して死刑にすれば良いのに。



警察の取り調べが終わったら、次は検事とか言う人の取り調べだ。

検事調べとか言うらしいぞ。

聞かれた事は警察と同じ事だったんで、何で同じ事聞くんだ?と疑問をぶつけると、

「警察が調べた事を元に、アナタを起訴するかどうかコチラで再度吟味します。」

警察は検事のパシりなのか?

検事が口頭で書類の文章を作ると、横に居るくたびれ具合がなかなかなオジサン(事務官って言うんだって)がパソコンで口述筆記していた。くたびれてるけどタイピングが異様に速い。喋ってる検事が追いつかないくらいタイピングが速い。ドガガガッ!て感じの打ち方。あのタイピングだと、ネトゲーの時のチャット楽だろうな。検事は焦りながら文章を考えてる。遅くてイライラしてる事務官。コントか?


精神鑑定もさせられた。


精神鑑定?なんで?どこもおかしくないよ?人を精神異常者扱いしやがって。まさに21世紀の精神異常者だよ。


内容はそんなに覚えてない。こんな感じだった。


画用紙に絵の具を垂らして半分に折り、また拡げて、

「何に見える?」

こんな風に聞かれたんで、

「画用紙に絵の具を垂らした様に見えます。」

医者は苦笑いしながら、

「質問の仕方が悪かった。何の形に見える?」

「形?画用紙に絵の具を垂らした形に見えます。」

素直に答えた。

「その形を何か別の物に例えて。」


別の?何だろ。もしかして、大喜利か?ボケた方がいいのか?


「“神”に見えます。」

見た事無いけど。

「カミ?神様の事?」


医者は真面目な顔でカルテを書いてる。患者、“神”に見える、とか書いてるんだろうか。他にも色々あったが、適当な感じでつつがなく終わった。

他の人と比べた事無いが、精神鑑定ってこんなんで良いのかな。本当に精神を鑑定出来るんだ。良い仕事するんだ。精神鑑定する医者にでもなればよかった。

精神鑑定→白衣を着た胡散臭い医者と適当にトークしてカルテに書かれる事。




裁判前日。

弁護士が面会に来た。これまでも結構マメに来てくれた弁護士だ。

「いよいよ明日裁判です。明日は全て私に任せて下さい。アナタは素直に答えるだけで良いです。」

「素直に?」

「そうです。変に打ち合わせしてボロが出るより、そのままのアナタの当時の状況を答えて下さい。」


素直に答えると、どう考えても死刑だろう。こいつは味方の様だ。“神”に一歩近づいた。

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