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何も考えずに電気街を観光するのは、思ったより楽しい。金はある。なんか色々買って帰るか。
意外と女性の姿が多いな。レイヤーさんが。チラシ配ってる。何かの店員さんかな。
制服姿の女性も目に着く。君達学校は?
駅の近くの公園で休憩。
向かいには女性が二人、仲良さそうにしてる。
平和だなぁ。
ん?何だ。あの向かいの女性達。オレを見て笑ってるのか?何でオレを見て笑ってるんだ?オレがキモいからか?それがオマエらに何の迷惑を掛けた?何か笑う要素があるのか?何でだ?オレが何かしたか?オマエらを笑わす事したか?オレ。だんだん前向きにネガティブになってきた。と同時にこの世界への未練がなくなった、計画再実行。
女性の方に向かい、カバンの中にある包丁の感触を確認した。武器の間合いまで女性に近づいた。不思議そうな顔をしている女性の顔
が見えた。
ナニ不思議そうな顔してるんだよ。オマエのおかげでオレは“神”になれるチャンスをゲットしたんだ。感謝する。カバンから包丁を取り出し、無感情のまま女性の腹に突き刺した。
脳みそはイキナリの出来事に対しては伝達が時間がかかるらしい。女性の顔がNOW LOADING見たいな顔をしている。そして自分の腹とオレの顔を見比べた後に。
「キャーーーーーーーーーー!!!!!」
多分、女性が生きて来た中で最大のボリュームだと思われる声でシャウトしやがった。うるさいよ。
刺した感想は意外とすんなり入った。これが正直な感想。もっと抵抗あるかと思ったが。抜いた後、腸がズルズル出て来た。ホルモン見たいだな。焼いたら意外と美味いかも。周りの人間達が騒ぎ出した。
いかんいかん。
一人で満足したらいかん。女性の首に包丁を刺した。骨固いな。まぁ骨まで行ったらトドメになるだろう。
さて、次。
ヤバい!周りに人が居なくなってる。一人だけだと行動が無駄になる。急いでもうちょっと殺さないと。包丁を振り回しながら、手当たり次第に人を切り付けた。気分はホラーゲームの悪役の気分だな。辺りには悲鳴と泣き声と「逃げろ!」しか聞こえない。しかし、オレは辞めない。辞める訳にはいかない。
走りながら包丁を振り回す。
人が逃げていく。
包丁に肉が当たる感触があると刺す。
楽しくなってきた。マーダーズハイとでも言うのだろうか。
30分くらい楽しい人殺しをしていると、ツートンカラーの回転灯をつけた、いわゆるパトカーが召喚された。もうこんなもんで良いかな。結構殺したよね。武器を捨てると、国家権力が数人で羽交い締めにして、
「13時23分!被疑者確保!殺人容疑で現行犯逮捕!」
「逃げるなよ!」
「無駄な抵抗はやめろ!」
いや、抵抗してないよ。これでOK!順調順調!
痛い痛い痛い!逃げない逃げない!暴れない!
これで“神”になれる。