ロボットとジュリエット
ロボットに人権がない頃、あるところに、ロボット<部品>製作会社がありました。
不良品を売っていました。
月日が経ち、人々の間で、うわさが広まります。
「あの会社の部品はこわれやすい」
あまりにもトラブルが多い為、人々の攻撃によって、会社は倒産させられました。
しかし、その会社製部品が使用されたロボットは、破棄されませんでした。
あるところに、別のロボット部品製作会社が出来ました。
部品製作に情熱をかけた技術者たちが良いモノを作り、仕事熱心な営業が売る事で成り立った会社でした。
年月が経ち、人々の間で、うわさが広まります。
「あそこの会社の部品は良品で、長持ちする事で有名なのに、最近は壊れやすいものばかりだ」
調べてみると、生産工場の機械が故障していました。
すぐに修理します。
会社は、工場の機械がこわれていた時に作られた部品、それを購入した顧客全員に、金銭的保証を申し出ました。
"蜘蛛宇宙人"氏 は、研究者でした。
起こった事を保存して、分析するのが仕事です。
ある日、気付きました。
「○○社製、○○年○○月~△△月に作られたロボットは、故障報告が多い。それも多くが、ロボットに内臓された "えす" 社製の部品を交換する事で、簡単に解決している」
それを "蜘蛛宇宙人"氏が "知り合い" に話して、しばらく経ったある日、
「この前、話を聞いておいて良かったよ…」と、"知り合い" が連絡してきました。「オレの友達で、あのロボットを使っているヤツの家に、不幸が起こったんだ。ウチもあの型のロボットを使っているから、前もって部品交換しておいて良かった……」
"蜘蛛宇宙人"氏 の死後、その家族が、"蜘蛛宇宙人"氏 の作ったデータベースを世間に公開しました。
そのデータベースを利用すると、
<どこで>
<いつ>
作られたロボットが、
<どの様な理由で>
<いつ頃こわれるのか?>
予想する事が出来ます。
しかし、そのデータベース予想は、百発百中ではありません。
しかし、利用者は、関係者の事情など知った事ではありません。
ですから、クレームをつけるのです。
クレームに対応する為、データ収集と解析が続けられました。
天候データ、ロボット設置場所、行動範囲、利用者が雑に扱っているか否か。
それ等の情報が、蓄積されていきます。
結果、より正確な未来予想が立てられる様になりました。
そんなある日の事でした。
"摂"氏 の家のチャイムが鳴りました。
「どなたですか?」
[part.1]