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18. 旅立ち

かなり短めです。

 ――フスハレ対魔物防衛戦。それはトーマスによるボアオーク撃破と、アーモスによるオークの残党が壊滅したことにより、終息を見せた。


 

 街門の破壊。そして都市の中に侵入を許したにも関わらず、奇跡的にも非戦闘員の死者は0であった。

 壁の瓦礫による生き埋めや、ボアオークの一撃の余波を受け、冒険者に少なくない死傷者が出た。



 ――瓦礫や土砂による生き埋め。

 トーマスの前世、地球での価値観で言えば、間違いなく死に関わる事故だ。

 しかし異世界では違うのだ。少なくとも冒険者(・・・)内では、違うと言える。



 現に今回の防衛戦における、土砂による死者は初級冒険者のみであった。



 つまり中級以上の冒険者は生き残ったのである。

 この世界では“体を鍛える”事は地球と比べれば簡単なのだ。魔物を倒し、体を鍛える事で、明らかに異常なスピードで強化される。

 なにより、“学院”の研究では魔素や魔物たちにおける“位階を超える”に似た現象が起きているのではないか――。

 そのような実験結果もあるようだ。



 つまり、冒険者は地球の人達に比べれば、向こうで言う“超人”と言える領域には居るのだ。

 反面、まだ一般人から片足すら出ていない“初級冒険者”。彼らは皆一様に死ぬか、重大な怪我を負っているのだが。




 ハプニングはあったが、比較的無事に終わったといえる今回の防衛戦。

しかし問題点が3つある。



 1つ、かなり大規模に破壊された都市の建造物の修復。

 2つ、ほぼ全員と言える程に初級冒険者を失った、ギルド長アーモスの責任問題。要するに“初級冒険者のおもり”も仕事に含まれているのだ。

 3つ、ボアオークを撃破した、“D級冒険者”のトーマスの等級をどうするかの問題だ。



 復興はフスハレの宗主、ビアスが全て行うことに決まった。

 アーモスの処分については、不意の事故だったことと、最期はアーモスが始末をつけた事により、引き続きフスハレのギルド長をすることになった。

 そしてトーマスは、大出世を果たしたのだった。

 ――D級からA級の大快進。S級と想定されたボアオークの撃破。S級の魔物を倒したのだから、S級に上げるのが妥当ではないのか――。



 これには理由がある。まず死体は確認され、トーマスも生還した。しかしコレを見ていたものは居ないのだ。だがS級都の戦闘を生き残ったこと、コレは大きいことだ。その2つの点から、トーマスはA級に上がることになったのだった。



 一気にフスハレに於いて有名人となったトーマス。

 彼は早速街を出ようとしていた。



 彼はボアオークにより、大金を手に入れたのだ。その金で“猿”を買い処分し、馬を買った。

 馬は灰色の馬と茶色に白の(ぶち)がある2頭だ。

 他にも外套や旅の必需品を手に入れ、彼はまだ瓦礫の撤去も途中な街門から、新しい都市に出ようとしていた。





▼▼▼





 彼はリスタル商会“マウザー・クレメンティ”との、会話を思い出していた。



 『――教国?』



 そう、もう一度マウザーに問い返すトーマス。



 『はい。うちの者が調べた所によると、偽装はしていたようですが、教国の人間だったようで。おそらく教国の首都に運び込まれたものだと』


 『……そうか』



 ――面倒くさいことになった。

 そうトーマスは思っていた。ペドロやケイトから聞く所に余りいい噂は聞かない。

 なにより自分の容姿(・・・・・)が厄介事を持ってくるのは決まっている。そもそもどの国よりも“魔物”を敵視している教国が魔物を買う――。厄介事の匂いがものすごくする。



 トーマスは、こっそり兜の中で、溜め息を吐くのだった。





▼▼▼





 とてつもなく行きたくない。行きたくないが仕事なので行かざるおえない。



 トーマスも社会人をやっていた者だ。我慢をして取引先に行くことなんてザラだ。

 乗り方は大体習った。ぶっつけ本番だがなんとかなるだろう。



 颯爽と灰色の馬に跨る。次の目的地は、教国に行く前に通る都市。

ル ードルフ、イブラント、アルムント、フスハイム、と来て教国に入る。



 とりあえずの目的地は、イブラントの先、“学園”がある都市“アルムント”。



 馬の横腹を蹴り、馬を走らせる。

 目的地は最悪だが、初めての旅。旅に対する期待感を膨らまして、トーマスは旅に出るのだった。


とりあえずこれで一章終とします。

章分けしてないので、そう言っていいのかはわかりませんが。

勢いとノリで書いてたので、一旦ちゃんとプロット書くことにします。

なので、しばらく休むのと、毎日はなくなります。

見て下さって、ありがとうございました。

続き書くまで、少し待っててください。

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