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第14話 疑問

 ①増殖

不可解なことがある。

何故か竹槍が増えているのだ。

順調に旅を続けてるのだが、竹藪の近くを過ぎると一本づつ生えてくるようだ。


 不思議な事もあるもんだな……

今、三本目が生えてきたらしい。

青柱、赤柱、黄柱と言うらしい。

何なんだ、早口言葉か?

結局みんな赤柱になるんだろ、返り血で。

積載量がたっぷりあるデカブツを手に入れて抑えが効かなくなったのか?。


 (ラックさん、少しは文句言っても良いと思うよ?)そう思って軽く目をやる。


「全然問題ないです!それに武器が増えた方が戦いにバリエーションが生まれそうじゃないですか。」

 このデカブツはやっぱりディッドに甘いな。

いや、基本が同じなんだ。最終的に悪ノリしだすだろう。

 どうでもいいか……石や竹の事で殺されたくないし。

 ん?石や竹の事で殺されるんだ、俺。


 なんだか自分の価値に泣けてきた……




 ②旅路の果て

「一応さ、人数も増えたことだしある程度目標を持って旅した方が良いんじゃないか?」

「なんで?」


…速攻で会話を切られた。


「いや、でもあっち行ったりこっち行ったりで効率も良くなだろ?」

「なんで?」


…そうだな、効率良かったら今はまだ大金持ちだしな……でも今日は負けない!頑張れ、俺!


「冒険してる以上は何か世界に証しを残す事を成し遂げた方が良いんじゃないか?」

「なんで?」


 永遠続く疑問問答。いや、答えはないから疑問問。俺の気持ちが悶々としてきた。

お願いだ、仲間だろ?ちゃんと相談しようよ…

俺にとっては今がチャンスなんだ。せめて多数決なら勝てる気がする。


「まあまあ、慌てることは無いと思いますよ。私は今、新しい可能性が毎日増えてゆくようで充実してますし。」

「だよね。」



 …多数決で負けた。




 ③冒険者たち

 近くで戦闘の音が聞こえる。どうやら他のパーティーが戦っているようだ。


「結構激しそうだな。ヤバそうなら加勢するか?」

 偉そうに言ってしまったが、俺はまるで戦力外である。


「しばらく様子を見よう。他人の戦い方もたまには見たいしね。」

 参考にはしないだろうな。いつも脊髄反射で戦ってるし、お前。


 相手はグリフォンって奴か。空は飛ぶし、力は強いし、視野は広いし、難敵だな。

結構厳しいかなと思っていると、後衛の方から火の玉が上がりグリフォンへと襲いかかる。


「魔法使いか…」

 そう、俺達の周りにも普通に魔法を使う者は存在する。しかも、眼の前のパーティーには治療魔法を使える者もいるようだ。

傷ついた仲間を後方に下げ、回復が済み次第また前衛に戻す。盾役も役割をきっちりこなして徐々に魔獣を追い込んでゆく。

そしてやはり、攻撃魔法はすごい威力がある。

光り輝く魔法の軌跡に憧れてしまうものだ。


 惚れ惚れと眺めていると、お手本のような見事なチームワークで難無くグリフォンの討伐を成し遂げた。心から羨ましい。


「あのパーティー良いな、俺達も魔法を使える仲間ができたら戦いの幅も広がるし、冒険者としてもレベルが一段と上がりそうじゃないか?。」

「なんで?」



 

 俺の質問って何か間違ってるのかな……


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