06話:お昼休みに学級委員長に声をかけられる
スクールカースト最上位のギャル女子達から“根暗キモオタ”と呼ばれてからしばらく経って、今はお昼休みに入った所だ。
俺は教室の中で昼飯をさっさと食べ終えていき、それからボーっとしながらもさっきギャル女子達に言われた悪口を思い出してため息をついていった。
「……はぁ」
「そんな深いため息を付いてどうしたんだい?」
「えっ? って、あぁ、委員長か」
「うん、そうだよ。学級委員長の藤咲だよ。それで? そんな深いため息を付いてどうしたんだい? 何か悩みでもあるのかな?」
すると俺の元に学級委員長である藤咲環が声をかけに来てくれた。
どうやら委員長は俺がボーっとしながらため息を付いてる様子を見て、気になってこちらに近づいてきたようだ。
「いや、まぁ何というか、その……ちょっとだけ気になってる事があるというか……」
「なるほど。何だか深刻そうな悩みがあるようだね? よし、それじゃあここは学級委員長である私が大神君の悩みを聞いてあげるよ!」
「え? 委員長が?」
「うん、そうだよ。クラスメイトの悩みを聞くのも学級委員長としての役目だからね。という事でどうかな? もしも大神君が私に話しても良い悩みなのであれば……それなら良かったら私が相談に乗ってあげるよ?」
委員長は優しい口調でそんな提案をしてきてくれた。
委員長が優しい女の子だという事はタイムスリップしてきたばかりの俺でも何となくわかっている。だってクラスの中で俺とちゃんと話してくれる唯一の生徒だしさ。
だから今も委員長は俺の事を心配してくれて、そんな提案をしてくれたんだろう。
(……よし。それじゃあここは委員長の優しさに甘えるとしよう)
「ありがとう、委員長。それじゃあ御言葉に甘えても良いかな? 出来れば俺の相談に乗って貰えないかな?」
「うん、もちろんだとも。私で良ければ幾らでも相談に乗ってあげるよ。まぁでも教室だと人も多くて悩み相談には適してないだろうから、良かったら今からグラウンド近くにあるベンチに行かないかな? ほら、あそこなら人も少ないだろうからね」
「あぁ、確かに人の少ない所の方が話しやすいかも。わかった。それじゃあ早速校庭の方に移動しようか」
「うん、それじゃあすぐに一緒に移動しよう!」
「わかった」
という事で俺は早速自分の席から立ち上がっていき、そのまま委員長と一緒に教室から出て行った。しかしその瞬間……。
「うわー、根暗キモオタが委員長と二人で外に出て行ったよー?」
「えっ? うっわ、まじだ。もしかして根暗オタは委員長に告白とか?」
「うげぇ、何それ最悪じゃん。あはは、委員長がマジで可哀そー」
―― ひそひそ……
その瞬間にそんなヒソヒソ話が俺の耳に入ってきた。やはり根暗キモオタという悪口はさっきのスクールカースト上位の女子達だけじゃなくて、普通の生徒達も俺に対して言っているようだ。
(ま、まじかよ、俺って高校時代にこんなに嫌われてたのかよ? そんなの全然知らんかったわ……)
俺はちょっとだけ暗い気持ちになりながらも委員長と一緒に廊下を歩いて行き、校庭のベンチにたどり着いた俺達は隣り合ってベンチに座っていった。
「よし、到着したね。それで? どうしたのかな? 何だか暗い表情もしてるけど、一体どんな悩みがあるのかな?」
「あぁ、えっとその……いや、もう単刀直入に聞くんだけどさ、もしかして俺ってクラス中から嫌われてる?」
もう俺は単刀直入に委員長にそんな事を尋ねていってみた。さっき教室を出ようとした時にクラスメイト達から“根暗キモオタ”という悪口を言われたりもしたし、俺は何となくそう思って委員長に尋ねていった。
「うーん、クラスの皆が大神君を嫌っているかどうかは私にはわからないけど……でもクラスの皆が大神君を異質な存在だと思っているのは確かだと思うよ」
「い、異質な存在? ま、まぁそうだよなぁ……そりゃあ今までの俺はいつも話しかけるなオーラが漂っていたらしいし、それに学校にもあまり登校してこないから、皆から煙たがられてる存在になってるに決まってるよなぁ……」
「うん、そうだね。それにもう五月になるっていうのに大神君だけは未だに2年3組の全体グループLIMEにも入ってないしね。そういう協調性が無い所も大神君が異質な存在として浮いてしまっている要因なんじゃ――」
「え、ちょっと待って! クラスの全体グループLIMEなんてあったの!? そ、そんなの知らなかったぞ!?」
そんなの初耳だ。当時高校生だった頃の俺はそんなグループLIMEに一度も入ってなかったぞ? な、何だよそれ? 俺そんな所までハブにされてたのか!?




