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43話:委員長と握手を交わしていく

「それにしても……今日は君にかなり迷惑をかけちゃったよね。改めて本当にごめんね……」

「ん? どうしたよ?」


 ホットミルクを飲みながらしばらく経ち、委員長はちょっとだけ暗い表情をしながら俺にそう言ってきた。


「いや、大神君には資料を作って貰っただけじゃなく、会議の進行までして貰う事になったなんて凄く迷惑をかけちゃったなぁ……って思ってね。それに今回の部長会議を突然休んじゃって部長たちにも多大なる迷惑をかけてしまったし……」

「別にそんなの気にしなくて大丈夫だって。俺は全然苦じゃなかったし、それに部長たちも全然迷惑だなんて思ってないって。だからそんなに自分を責めなくて良いよ。いつもみたいにニコニコと笑顔でいといてくれよ」

「……ありがとう。そう言ってくれると凄く助かるよ。ふふ、大神君は本当に優しい男子だよね」

「いや、俺が優しいとか優しくないとかそんな話じゃないよ。友達を助けようとするのは当たり前だからな。そしてそれは委員長もそういうタイプだろ? 困っている人がいたら助けたくなるタイプだろ?」

「え? そ、それは……まぁ、そうだけど……」

「だろ? それなのに委員長は自分が困ってる時は中々助けを求められないタイプだよな。今回の件で何となく思ったけど、委員長ってきっと皆に迷惑をかけたくないと思って皆に助けてって言えないタイプなんだろ?」

「うっ……そ、それはまぁ……その……」

「別に隠す必要はないって。だって俺だって本当はそういうタイプだからな。俺なんて不登校だったり、クラスに馴染めなかったり、勉強も出来なくてめっちゃ困ってたのに、俺は助けてって言えずにずっと困ってたんだ。そんな困ってた所をいつも委員長は助けてくれてたよな。そう考えると俺の方が委員長に迷惑をかけちゃってるよな」

「い、いや、迷惑だなんて……そんなの私は全然気にしてないよ?」

「だよな? ぶっちゃけ俺も今は気にしてないもん」

「……へ?」


 俺がそう言うと委員長はキョトンとした顔をしながら俺の方を見てきた。


「いや嘘だよ。もちろん最初は滅茶苦茶気にしてたさ。俺のせいで委員長にめっちゃ迷惑かけてる。やべぇ……ってさ。でも委員長は調理実習の時に俺に言ってくれたじゃん。俺の事は友達だって。友達が困ってる時は助けるなんて当たり前だって。委員長はそう言ってくれたじゃん?」

「う、うん。それは確かにそう言ったけど」

「俺さ、委員長にそう言って貰えてすっごく嬉しかったんだよ。だから俺は委員長に色々と申し訳ないって気持ちになるのはもう止めたんだ。その代わりに俺は委員長が困ってる時はいつでも手助けしようって思うようになったんだよ」

「大神君……」

「そしてそう思ってるのは俺だけじゃないよ。クラスの皆も委員長が困ってたら何でも手助けするって言ってるし、部活の部長たちも委員長が困ってる事があったら何でも手助けするって言ってた。皆委員長の事を慕っているんだよ。今までずっと委員長が困ってる人たちを助けてきてくれたからこそ、皆も委員長を助けたいって思っているんだよ」


 俺は委員長にそう言っていった。そして続けてこう言っていった。


「だからさ、委員長も困った事があったらさ、これからは皆を頼ってみてくれよ。いや、まぁもちろん生徒会関連の仕事も沢山あるだろうから、皆を簡単に頼る事が出来ないっていうのも理解してるよ。だからそういう時はさ……まずは俺を一番に頼ってくれよ」

「お、大神君……を?」

「そうそう。だって俺は生徒会に所属しているし、他のヤツらよりかは圧倒的に暇人だしな。それになによりも俺はさ……委員長の友達でもあり、三国志大好き仲間でもあるんだぜ? 前に言ったじゃん。俺達は同じ蜀を愛する仲間だーってさ」

「あ……それは……」

「だから俺は委員長の友達かつ仲間なんだぜ? その時点で他の友達よりもポイントは高いだろ? 仲間だと言ってくれるんだったらもっと気軽に頼ってくれよな。それにさ……」

「それに……?」

「それにさ、委員長に今現在迷惑を一番かけてるのってどう考えても俺だろ? 俺はこれからも委員長にはめっちゃ迷惑をかけると思うからな。俺は困った事があったらいつでも委員長に助けを求めるつもりだもん。でもその代わりに俺は委員長が困ってる時はどんな事があってもいつでも絶対に助けるよ。だからこれからも委員長には俺の事を助けて欲しいし……そして困った事があったらたまには俺の事を頼ってくれたら嬉しいよ。あはは」


 俺は笑いながら委員長にそう言った。すると委員長は……。


「……ふふ。君は本当に……何だか変わった男の子だよね……でも。そうだね。よく考えてみれば君には色々と迷惑をかけてしまったし、それに迷惑もかけられてしまったよね。でもそれで良いんだよね。だって私達は友達だし、三国志大好き仲間だもんね。うんわかったよ」


 委員長は暗い表情から一転して優しく笑みを浮かべていった。そして続けて俺にこう言ってきた。


「ふふ、そう言ってくれてありがとう、大神君。それじゃあ私はこれからも君が困ってる時はいつでも助けるよ。だから私の事も……これから困った事があったら助けてくれるかな?」

「あぁ、もちろん当たり前だよ。それじゃあ、俺は委員長が困ってる時はかならず俺が助けるよ。だから俺が困ってる時はこれからも助けてくれよな」

「うん。もちろんだよ。私はいつでも大神君の事を助けてあげるよ。だって私達は友達かつ仲間だからね。だからこれからもいつでも頼ってくれて良いよ」

「そっかそっか。それなら良かった。それじゃあ改めてだけどさ……これからもよろしくな」

「うん。これからもよろしくね」


―― ぎゅっ……


 そう言って俺達は固く握手を交わしていった。俺はこうして改めて……委員長とちゃんと対等の友達になれたと思ったのであった。

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