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41話:子供の頃の夢を見た(委員長視点)

 夢を見た。それは私が子供の頃の夢だった。


 私は元々どちらかというと内気な性格だった。友達も全然いなくて、小学校ではいつも一人だった。


 でも家に帰れば私には毎日仲良くしてくれる大好きな両親がいた。一緒に両親と毎日遊んだりご飯を作ったり楽しかった。家に帰れば独りぼっちにはならないから、友達が全然いなくても別に構わないと思いながら日々過ごしていた。


 だけど私がまだ小学2年生になったばかりの頃に両親が離婚した。何で離婚してしまったのか私は全然わからなかったんだけど……でもそれからすぐに私と母親の二人暮らしが始まった。


 お母さんは離婚してから毎日仕事で忙しくしていたから家に帰るのはいつも遅かった。だから私は毎日一人ぼっちで晩御飯を食べる生活を送る事になった。お母さんが朝に作っておいてくれたご飯を夜に電子レンジでチンして食べる生活を毎日送っていた。


 そして土日もお母さんは毎日夜遅くまで仕事をしていた。だから学校の無い日も私はいつもずっと独りだった。いつも独りぼっちで恐怖心が凄かった。


 でもお母さんが一生懸命に働いてくれてるのに、私が迷惑をかけるわけにはいかないと思って毎日悪い事とか言わないように良い子でいようと思った。


 でもそうは言っても家で一人ぼっちでお母さんを待っているのはとても不安だったので、土日になると私はいつも近くの図書館にこもって本を読んでいた。そして図書館に唯一あった漫画の三国志を私は見つけたので、私は毎日漫画の三国志を読んで過ごしていったっけ。


 そしてとあるとある日。小学生だった私は風邪を引いてしまった。でも私は風邪を引いた事を母親に言えなかった……。


 だって私はお母さんに迷惑をかけたくなかったから……だからお母さんに電話とかせずにずっと一人で布団の中に包まっていたんだ。


 でもそんな布団の中に包まって全力でバレないようにしていても、結局はバレてしまうものだ。家に帰って来たお母さんに布団に包まってる私の事を訝しんだ目で見られてしまい、そのまま布団を取られてしまい、顔が真っ赤になっている私の事を見て酷く驚かれてしまった。


 それからすぐにお母さんは泣きながら看病をしてくれた。そしてちゃんと辛い時は辛いって言えってお母さんに怒られてしまったっけ。


 私はその時、お母さんに凄く迷惑をかけちゃって悲しい気持ちになったけど……でもそれ以上にお母さんが私の事を愛してくれてるってのがわかって嬉しくなった。


 平日も土日も私はずっと独りぼっちだったから、もしかしたらお母さんに愛されてないのかなって思ってたから……だからお母さんが看病してくれたのがとても嬉しかったんだ。


 そしてその日から私は生まれ変わる決心をしたんだ。お母さんに迷惑をかけたくないと思うのではなく、お母さんにもっと愛して貰えるように頑張ろうって思うようになった。お母さんにとって私は立派な一人娘だと思って貰えるように頑張ろうと思ったんだ。


 だから私はそれから勉強を頑張ってテストではいつも良い点数を取るようになった。クラスの委員長とかも率先してやるようにして内申点も頑張って上げるように頑張った。


 学校の三者面談とかの時に先生はお母さんに「環ちゃんは凄く立派な生徒ですよ」と言ってくれて、お母さんは嬉しそうに笑ってくれたのは本当に幸せな気持ちになれた。


 そして変わった所はそれだけではない。勉強を頑張ったり、委員長を頑張るようになった事でクラスの皆からも少しずつ私の事を認めてくれるようになったんだ。


「藤咲さんは勉強が出来て凄い! 良かったら教えて!」

「環ちゃんはリーダーシップが取れて凄い凄い! 良かったら一緒に放課後遊ぼう!」

「あ……う、うんっ……!」


 そんな感じで私には少しずつ友達が出来ていった。そして気が付いたら独りぼっちだと思って不安に思う日々はいつの間にか無くなっていた。


 お母さんには私の事を“自慢の娘”だと言って貰えるようになったし、クラスの皆からは“凄く尊敬する友達”と言って貰えるようになった。いつの間にか私は沢山の人達に囲まれるようになった。


 でもそんな風に周りからどんどんと評価されていくと、当然だけど皆からの声に応えたくなってしまうものだ。だからそれからも私はお母さんだけでなく、クラスの皆に喜んで貰えるように全力を尽くしていった。


 勉強を頑張っていき、クラス委員長をしていき、生徒会にも入って皆のために過ごそうと思って全部全力で頑張ってきた。皆のためになると思って毎日頑張ってきた。でも……。


(また小学生の時みたいに体調を崩して倒れちゃうなんてね……)


 ここ最近は何だかずっと体調が悪かった。だけど私のせいで仕事が止まってしまい、誰かに迷惑をかけるのも嫌だったので……だから私は体調が悪くても構わずに毎日学校に来て色々な仕事をしてしまっていた。


 そしたら案の定、私は自分のキャパシティを超えてしまい、体調を崩して倒れてしまったというわけだ……。


 皆の役に立ちたいと思ってずっと頑張ってきたというのに、それが皆に迷惑をかけてしまう結果になってしまうなんて……はは、全く……自分が情けないなぁ……皆に幻滅されちゃったか……な……。


「……ん、あ、れ……?」


 私は目を覚ました。どうやらずっと夢を見ていたようだ。だけどどんな夢を見ていたのかは忘れてしまった。何だか悲しい夢だった気がするけど……。


「お? 委員長。起きたのか? おはよ」

「……え? あ……」


 私が目を覚ましたその瞬間、私の眠っているベッドの横には一人の男子生徒がいた。それは私のクラスメイトである……大神君がそこにはいた。

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