40話:部長会議
「うわ、凄いなこの資料! 去年のレイアウトをバッチリと書いてくれてるなんてわかりやすすぎるじゃんー!」
「うん、本当本当! 今までこんな凄い資料貰った事無いから嬉しいなー! あ、質問良いかな、大神君。今年の文化祭も去年と同じ場所で出店を構える事が出来るって事で合ってるかな?」
「はい、事前に先生に話を伺った所、部活の出店で使う敷地は去年と同じ敷地を使わせて貰えるそうです。ですが先生からは飲食系の出店と遊び系の出店はしっかりと分けて配置して欲しいと言われているので、今年の場所決めの話し合いは、全部活の出店が決まった後で話し合いをしようと思います」
「あー、確かに去年はヨーヨー釣りしてる隣で焼きそばを全力で作ってたもんなー。そんでヨーヨー釣りしてる生徒の腕に油跳ねが飛んじゃったりして迷惑かけたもんなー」
「はは。そんな事もあったな。すっかりと忘れてたわ。了解了解。それじゃあ次回の会議までにやりたい出店を考えておけば良い感じかな?」
「はい。そうですね。部活によってはやりたい出店が被る可能性もあると思うので、各部活で第1~3まで考えておいて頂けると助かります」
「オッケー、わかったよ。皆もそれで大丈夫そうかー?」
「りょーかいー」「わかったー」「おっけー」
逢坂先輩はそう言って周りの生徒を確かめていってくれた。しかしその時、一人の女子生徒がおずおずと手を上げていってくれた。
「あ、すいません。それじゃあ一つ質問があるんですけど……」
「ん? あぁ、えっと文芸部の部長さんですね。どんな質問ですか?」
「はい。あの、文芸部は今年部活として認められたので、ちょっとわからないんですけど……どういう出店なら大丈夫とか基準みたいなのはありますか?」
「あまりにも突飛過ぎる出店じゃなければ基本的には大丈夫だと思いますよ。資料の4ページ目にここ三年間の部活の出店一覧を記載しているので、それも参考にして頂けると幸いです」
「わわ、本当だ。これは参考になります! これを見ながら後で部員の皆と相談してみます!」
「はい、是非ともそうしてみてください!」
「あ、それじゃあ私もついでに質問良いかなー?」
「あ、はい。桜井先輩。大丈夫です! 質問お願いします」
「えっとね、去年は部活の皆で射的屋さんをしてたんだけど、今年はカラフルなわたあめ屋さんしたいねーって女子部員の皆で言ってるんだ。でもそれを作るのだめにはわたあめ機が必要になるでしょ? そういうのって部費で買わないと駄目な感じ?」
「いえ、部費を使って何かしら新しい機械を買う必要はないです。文化祭では専門のレンタル会社から機材を借りる事になっています。そこで食べ物屋で扱う一般的なガスや鉄板、鍋など借りる事が出来ます。もちろんわたあめ機もレンタルで借りれるので大丈夫です。主なレンタル出来る機材の一覧も資料の最後のページに乗せているので良かったら確認して貰えると幸いです」
「へぇ、どれどれ……って、わわ! すごっ! 貸し出して貰える機材がわかりやすく書かれてる! しかも机とか鉄板とかの寸法もしっかりと書かれててイメージしやすいね!」
「うわっ、マジだ! 寸法がわかってるってマジでありがたいな! これあるとレイアウト考える時に凄く便利だな! この資料を作ったのって大神君なんだよね? 君本当に凄すぎるよ!」
「はは、そう言って貰えると嬉しいです。それともしも借りれるかわからないって機材があったら都度僕に連絡してください。そうしたらレンタル業者さんに確認してみますので」
「うん。わかった。ありがとう大神君。ここまでわかりやすい資料を作ってくれるなんて本当に凄いよ。でもこんな資料作るの大変だったでしょ? 俺達のためにこんな資料を用意させちゃって本当にごめんね」
「いえいえ。全然大変じゃなかったですよ。せっかく楽しい文化祭だから部活をしてる皆にも全力で楽しんで貰いたくて……だから僕も生徒会のメンバーとして皆さんが楽しめるのを全力でサポートしたいと思って作っただけですから」
「おぉ、そんな事を言えるなんて……ふふ、君は本当に凄い男子だね!」
「うん、すごいすごい! 本当に凄いよー!」
「大神君凄いな! 流石は生徒会メンバーだなー!」
「あはは、ありがとうございま――」
「……おい……」
「……おい、お前……」
「ありがとうございま……って、えっ?」
―― ガタンッ!
そんな感じで三年生に褒められていると、突然とさっきのガタいの良い二人の二年生、刑部と大佛が席をガタっと立ち上がってそのまま俺の方にやってきた。そして……。
―― ガシッ!!
「何だよお前……お前マジで凄すぎだろ!!」
「え?」
「なんだよ! 話し方めっちゃ上手いし、それに資料もわかりやすく作れるとか神過ぎんじゃん!!」
「あはは、マジでそうだよな! お前神過ぎるって! そんなすげぇヤツだったんならもっと早く言えよなー!!」
「え? え?」
刑部と大佛は俺の肩をガシっと掴みながら全力で俺の事を褒めてきてくれた。俺はそんなリアクションをされるなんて思ってもいなくてビックリとしてしまった。
「え? え、えぇっと……?」
「あはは、何だよー。皆お前の事をキモオタって言ってたから、俺達もずっとそうだと思ってたのに、全然違うじゃん。お前マジですげぇヤツだよ! 今まで変に疑ってスマン!」
「本当本当! いやそんな噂信じちゃってスマンな! お前めっちゃすげぇよ!!」
「おー? どしたどした急にー? お前ら今まで喧嘩でもしてたのかー?」
「いや、そんな訳じゃないっすよ。ただ大神がすげぇヤツだったって知って嬉しくなったというか!」
「そうそう! まさか俺達部活をしてるヤツらのためにこんなにも頑張ってくれてるなんて思わなくて。なんだよ、お前……こんなにアツいヤツだったんならもっと早くに言ってくれよー! あはは、マジでありがとうな!」
「お、おう……」
「はは。アツい友情を育むのは良い事だと思うが、今はまだ会議中だぜー? だからそういうのはもう少し後にして、今はさっさと今日の会議を終わらせていこうぜー?」
「あ、は、はい! そうっすよね! すいません、逢坂先輩!」
「すいません! それじゃあすぐに席に戻ります! すまん、大神。それじゃあまた会議に戻ってくれ!」
「あ、あぁ。わかった。それじゃあ会議に戻ります! えっと、後は……」
という事でその後も部長達のサポートもありつつ、本日の部長会議は無事に進行していく事が出来たのであった。




