37話:朝に学校に行くと委員長の顔色が……
翌日の朝。
今日のお昼休みに部活の部長会議が開催される。俺も委員長と一緒にその会議に参加する予定だ。
昨日の放課後に人数分の資料もコピーを取ったし、議事録用のパソコンもちゃんと準備した。これでいつでも会議を始められるように準備は整っている。
だからあとはお昼休みになるのを待つだけだと思ってたんだけど……。
「あ、委員長。おはよ……う?」
「あ、あぁ、うん。おはよ……大神君……」
朝。教室に入った俺は委員長に挨拶をしていったんだけど、委員長の表情が何だか良くない感じだ。何だか体調が悪そうに見える。
「えっと、大丈夫なのか? 何だか顔色が悪い気がするんだけど?」
「う、うん。朝に熱を測ってみたけど、でも熱は無かったから大丈夫だとは思うよ……」
「い、いや、熱は無いのかもしれないけど、でも流石にしんどいようなら学校を休んでも良かったんじゃないか?」
「いや全然大丈夫だよ。それに今日は大事な会議もあるしね。だから休んでなんかいられないよ。あははー……それじゃあ私、自分の席に戻るね……」
「あ、ちょ、ちょっと……」
そう言って委員長は笑いながら自分の席に座っていった。何だかとても不安な気持ちになるな。
そしてそれからしばらくして。3時間目の授業が終わった休憩時間。終始ぐったりとしている委員長が心配になって俺はもう一度声をかけていった。
「委員長。大丈夫か?」
「え? あ、あぁ……大神君か。あ、あはは……もうバッチリと大丈夫だよ……お昼休みには会議もあるしね……」
「い、いや、全然大丈夫な気がしないんだけど。それに顔もちょっと赤くなってるぞ? もしかしたら熱出てるんじゃないか?」
「え? い、いや、全然大丈夫だよ。ほら、もう元気だし……って、あ、あれ……? あっ……う……」
「え? って、あ、い、委員長……!」
―― バタンッ……
席を立ち上がって元気良く腕をぶんぶんと振り回していた委員長は急にフラっとしたと思ったら、そのまま地面にバタっと倒れ込んでいった。あまりにも唐突の事過ぎて、俺は委員長を抱きとめる事すら出来なかった。
「えっ……って、委員長!?」
「きゃ、きゃあああ! 委員長が倒れたの!?」
「ど、どうしたんだよ委員長!?」
―― ざわざわっ……!
その瞬間辺りがざわざわとしだした。そりゃあ当然だ。委員長はクラスの皆から慕われている女子生徒だから。
だから皆動揺するのも当然だ。もちろん俺だって動揺しそうになってしまった。
だけど今は動揺している場合じゃない。俺はすぐに委員長の元に駆け寄ってそのまま両手で委員長の身体を抱え上げていった。
―― ぎゅっ……
「え……?」
「なっ……!?」
しかし俺が委員長の身体を抱き抱えた瞬間、周りの生徒達はぎょっとした顔付きになりながら全力で激怒してきた。
「なっ!? おい、何してんだキモオタク! アイツ委員長の太ももと上半身を掴んでやがるぞ!!」
「幾らなんでも倒れてる女の子を触るなんて犯罪だろ! キモオタのクセに何してんだよ!」
「おい、キモオタ!! 委員長の身体触ってんじゃねぇぞ!! 早く離せ――」
「うるせぇよ!!」
「なっ!? な、なんだと?」
「誰がどう見ても委員長の一大事だろ! さっさと保健室に連れて行くから邪魔すんな!!」
俺は激怒しながらそう一喝していくと周りの激怒していた男子生徒達は全員狼狽え始めていった。でも俺も向こうの男子もブチギレている訳で一触即発な雰囲気にはなっていた。しかしその時……。
―― パンパンッ!
「ちょっとアンタ達、クラスの中で喧嘩してどうすんのよ?」
「え? あ、ま、前島……」
「委員長が倒れたのは事実。そしてそれを大神が保健室まで運ぼうとしてくれてるのも事実でしょ。なら早く保健室まで連れてあげさせなさいよ。アンタ達が喧嘩なんてしてる意味なんてないでしょ」
「そ、それはまぁ……確かにそうなんだけど……」
「わかってんなら喧嘩なんて止めなさいよ。ほら、という事でアンタ……教室の喧噪は私が止めてあげるから、だからアンタはさっさと委員長を保健室まで連れて行きなさい。それと4時間目の授業に関してはアンタ達の事は私が先生に伝えとくから。だから授業は遅れても大丈夫だから、委員長の面倒をちゃんと見てあげなさいよ」
「前島……ありがとう、恩に着るよ! それじゃあ保健室に委員長を連れて行くよ!」
「えぇ、気を付けてね」
―― ダダダッ!
という事で前島に全力で感謝を伝えていきながら、俺は急いで委員長を保健室へと運んでいった。




