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33話:前島と晩御飯を食べていく

 それからしばらくして。


 前島は手際良くフライパンを振っていき、そして出来た料理をお皿に盛り付けていった。


 俺は食器とか箸とかを取り出しながらその前島の作る料理を後ろから眺めていた。


「今日のもすっごく美味しそうだなー!」

「別に普通よ普通。ほら、良いからさっさと出来た料理をテーブルに持って行きなさいよ」

「あぁ、わかったよ。よっと」


 前島から料理が乗ったお皿を受け取っていき、それをリビングのテーブルに並べていった。


 ちなみに今日の晩御飯は俺の要望が叶って肉増量の焼きそばになった。物凄く美味しそうな香りがしている。


「よし。それじゃあ温かい内にさっさと食べましょう」

「そうだな。それじゃあいただきます!」

「いただきます」


 俺達は急いでテーブルに座って行き両手を合わせてから晩御飯を食べ始めていった。


「ん、何だこれ!? めっちゃ美味いんだけど! これってスーパーの普通の麺だよな? 俺が作るとベチャっとして全然美味しく作れないのに、この焼きそばは全然ベチャってしてないし歯ごたえもあって美味しいよ!」

「うん、そうよ。普通のスーパーで買える麺よ。その麺は最初に軽く焼いてパリっとさせておいたの。そうすると麺の余分な水分を飛ばせるからベチャっとならずに美味しい焼きそばが出来るのよ」

「へぇ、なるほど! 最初から麺と具材を混ぜて焼くんじゃなくて、麺だけを最初に焼いてたのか。そうするだけでもこんなに美味しくなるなんてビックリだよ! 前島って本当に料理得意なんだな! 本当に凄いよ!」

「別に凄くないわよ。この焼きそばだって普通にネットでバズってたレシピを丸々参考にしただけだしね」

「いやいや、それだけでも十分凄いって。ネットで見たレシピを作れるってだけで俺からしたら凄い事だよ。もぐもぐ……」

「アンタの凄いってハードルはどれだけ低いのよ。それにしても……アンタはいつも美味しそうにご飯を食べるわね。別にアンタの焼きそばを奪う訳じゃないんだからもっとゆっくりと食べなさいよ」

「もぐもぐ……いやそんなの無理だろ。こんな美味いもんをゆっくり食べるって方が申し訳ないだろ。もぐもぐ……」

「意味がわからないわよ。まぁ良いけど……ふふ」


 という事でそれからも俺達は焼きそばを食っていった。そしてしばらくして。俺達は焼きそばを食べ終えていった。


「ご馳走様! めっちゃ美味しかったよ。今日もありがとう、前島」

「おそまつさま。それじゃあ、はい、お茶どうぞ」

「ありがとう。本当に前島には感謝しかないよ。それじゃあ……ごく、ごく……」

「別に気にしなくて良いわよ。料理は好きでやってるだけだし。あ、それで? すっかりと忘れてたんだけど、そういえばアンタ元々生徒会になんて入ってたっけ? アンタはそんなのに参加するタイプには見えないんだけど?」

「ごく、ごく……ん? あぁ、実は委員長に生徒会に入らないかって誘われたんだよ」

「え? 委員長に?」

「そうそう。ほら、俺って今まで引きこもり生活を送ってただろ? だから内申点とかヤバイ事になってるに決まってるじゃん? だからどうにかして内申点を上げたいなぁ……って思ってて、それを委員長に相談したら生徒会に入れば上がるって言われたから入ったんだよ」

「あぁ、そういう事。委員長がアンタを生徒会に誘ってくれてたのね。まぁ確かにアンタは内申点酷い事になってそうだもんね。でも生徒会って何だか大変そうよね。体育祭とか文化祭とか色々と考える事多いでしょ?」

「そうだな。まぁでも委員長が優しく教えてくれてるし、今の所は全然苦ではないかな」

「まぁそれなら良かったわ。それにしても……だからアンタって委員長とは普通に学校でも話せてたのね。料理実習の時に普通に委員長と話してて、どうしてこの二人って普通に話してるんだろうってずっと気になってたけど、そりゃあ同じ生徒会のメンバーだったら普通に話せるわよね」

「あぁ、そうだよ。いやまぁでも生徒会に入ってなかった時でも委員長は俺の事をずっと気に掛けてくれてたけどな。そう考えると委員長って滅茶苦茶優しい女子だよな」


 以前にも言ってたけど、高校時代の俺にも委員長は心配して何度も声をかけてくれてたらしいからな。


 だから委員長は昔から本当に凄く優しい女子だったというのが容易に想像が付くよな。


「そうね。委員長は誰に対しても凄く優しいし、困ってる人がいたら見過ごさずに手を差し伸べる優しい女子よね。だから皆からも凄く慕われてるわよね。まぁでも……」

「でも?」

「委員長って根が凄く優しすぎるし、それに皆も委員長に頼りっぱなしだから……だからいつか委員長がパンクしちゃいそうで心配なのよね。委員長の仕事をやって生徒会の仕事もやって……さらに困ってる生徒の手助けとかもしょっちゅうしてるし。何でもかんでも一人で抱えて身体とか壊さないといいんだけど……」

「あぁ。それは俺も前島と同じ心配をしてるよ」


 委員長は根が凄く優しい。困ってる生徒を助けてくれる優しい女の子だ。


 でもその反面、自分が助けて欲しい時には助けてって自分から言えないタイプにも思えた。今日だって委員長は放課後に一人で資料作りをしてたしさ。


 だからもしかしたら委員長は人に頼るのが苦手なのかな?


「そっか。アンタもそう思ってたのね。それならアンタは生徒会に入ったんだから、委員長が困ってたらその時は、アンタがちゃんと手助けしてあげなさいよ?」

「あぁ。そんなのもちろんだよ」


 俺は前島の目をしっかりと見ながらそう返事を返していった。委員長にはいつも助けられてるし、俺もちゃんと手助け出来る時は沢山手伝ってあげよう。

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