31話:委員長と一緒にジュースを飲みながら休憩していく
そんなわけで委員長のグラフ作りを手伝ってからしばらくして。
「よし、これで委員長が欲しいって言ったグラフは全部作り終えたかな?」
「うん、今ので全部終わったよ! ありがとう大神君! 本当に助かったよ!」
「そっか。委員長の役に立てたようで良かったよ」
「うん、本当に大助かりだよ! それとこれ以上は時間も遅くなっちゃうだろうし、そろそろ引き上げて帰ろうよ。あと約束通り、君には感謝の気持ちとしてジュースを奢るよ。それじゃあ今から自販機の方に向かおうか」
「わかった」
という事で俺達は生徒会室から出ていき、校庭の自販機に向かって行った。
「よし、それじゃあ今日は私の奢りだよ。という事で大神君は何を飲むかな?」
「ま、それじゃあせっかくだから委員長の好きなミルクセーキを飲もうかな」
「おぉ、大神君は私のオススメを飲んでくれるんだね! うん、わかった。それじゃあ私は前に君がオススメしてくれたこっちのコーヒー牛乳にするよ! よし、それじゃあ……」
―― ガチャンッ
「はい、どうぞ!」
「ありがとう委員長。それじゃあベンチに座りながら一休みしていこう」
「うん、そうだね」
俺は委員長からミルクセーキの入った缶を受け取り、そのまま一緒に近くのベンチに座りながら飲み始めていった。
「んく、んく……ぷはぁ。うん、このコーヒー牛乳は甘くて飲みやすいね! これなら私でも飲めそうだよ!」
「んく、んく……ぷは。そっか。それなら良かった。そんでこっちのミルクセーキは中々に甘いな。これは確かに疲れてる時の糖分補給に良いかもしれないな」
「あはは、でしょー! 疲れてる時にオススメだから良かったらこれからも飲んでみてね!」
「あぁ、わかったよ。んく、んく……ぷは。あ、そうだ。そういえば結局聞きそびれたんだけどさ、そういえば何で一人で資料作りなんてしてたんだ?」
「あぁ。実は金曜日に部長会議が開かれるんだけど、その会議中に資料が必要になるだろうなって思って、それでコッソリと一人で資料作製に来たんだ」
「部長会議? 何それ?」
「部長会議は月2回行われる会議で、名前の通り全部活動の部長が一同集まって近況報告をして貰う会議だよ。備品が足りなくなったから緊急で部費が欲しいとか、土日休みに学校で合宿したい部活があったら事前に報告して貰ったりとか、部活で人手が足りない時に他の部活の人たちに手伝って欲しいとかとか、まぁそんな感じの報告会議をしてるんだ。それで生徒会もその部長会議に司会進行として毎回出席してるんだよ」
「へぇ、なるほど。そんな会議があるんだ」
話を聞いてみると、何だかまるで会社の打ち合わせ会議みたいだなと思った。
「だけど今の話しぶりからしてさ、もしかしてその司会進行をしてるのって……?」
「うん。私だよ。各部活の部長たちにお願いされて去年から司会進行役を引き受けているんだ」
「そうなんだ。各部長からも信頼されてるなんてやっぱり委員長は凄いなー」
「それ程でもないよ。でも今日は大神君のおかげで凄く助かったよ。私はデジタル系は本当に疎いから大神君がいなかったら大変な事になってたかもしれないよ」
「そう言って貰えるのは嬉しい限りだよ。でもそれじゃあ普段の資料作りとかはどうしてたんだ?」
「いつも資料作りは他の生徒会のメンバーと協力して作ってたんだ。でも今まで一緒に協力して作ってた子達が転校しちゃったんだよね。だからグラフとか作るのに凄く時間がかかってしまうんだ。それに生徒会長は今は塾とかで忙しいし、美和さんも部活の大会が近いからあんまり仕事を手伝って貰うのも申し訳なくてね……」
「なるほどな。まぁ今時(10年以上前)はパソコンって普段使いはあんまりしないし、デジタル機器に疎い子も普通に多いもんな。でもそんなに色々な人から頼りにされちゃうと……委員長いつか潰れちゃったりしないか? 大丈夫か委員長?」
「ふふ。大丈夫だよ。私は凄く頑丈だから。それに皆から頼られてるのは凄く嬉しいしね。だから大神君も私の事をすっごく頼ってくれて良いからね?」
委員長はふふんっと胸を鳴らしながらそんな事を言ってきた。どうやら委員長は人に頼られるのが好きらしい。まぁそりゃあ委員長とか生徒会の副会長をやってる訳だしな。
「そりゃあもちろん、いつも委員長の事は頼りにしてるよ。でも頼ってばっかりなのは委員長に申し訳ないし……よし、それじゃあパソコン関連の仕事はこれからは俺が引き受けるよ。今日みたいに生徒会の集まりが無い日でも仕事があるようなら俺をいつでも呼んでくれ」
「え、パソコン関連について大神君が? でも流石にそれは申し訳ないよ。君は今でも十分に仕事を手伝ってくれているのに……」
「いや全然申し訳なく思う必要ないって。生徒会長や美和さんは忙しいから二人に手伝って貰うのは申し訳ないって思うのはまぁわかるけど、でも俺に関してはただの暇人だからさ。それに俺はパソコン操作が出来るってのがわかっただろ? それならその出来るスキルを持っているヤツをちゃんと適材適所で使っていくのは上司としては当たり前の行動だと思うぞ。出来ない事を無理矢理やらせるのは鬼畜な上司だと思うけど、部下が得意としてる事をやらせるのは普通に良い上司だと思うしな」
「ふふ。なんだか面白い例えだね。大神君って時々会社で物事を例えるけど、何だか君って面白い感性を持ってるよね」
「あ、あぁ、まぁな。まぁそんな訳で俺はパソコン作業は得意中の得意だからいつでも頼ってくれ。そんで委員長はパソコン作業が不得意なら無理に一人で頑張ろうとせずに俺を頼ってくれよ。昔からこういうじゃん。餅は餅屋ってやつ。俺の方が得意なんだからそういうのは頼ってくれよ。って事で今回の資料作りは俺に任せてくれよ」
俺は自信たっぷりの表情でそう伝えていった。すると委員長もそれを聞いてこう返事を返してきた。
「……そっか。うん。そうだね。そう言ってくれると非常に助かるよ。正直、私はパソコンとかデジタル系には疎いから……だからありがとう。それじゃあ今回の資料作りは君に頼んでも良いかい?」
「あぁ、任してくれ。それとさ、せっかくだし良かったらその部長会議とやらに俺も参加しようか?」
「え? 部長会議に君も?」
「そうそう。ほら。司会進行だけじゃ人足りないんじゃないか? 結構大切な会議のようだし、俺が議事録係をしてやるよ。委員長が一人で進行しながらホワイトボードに書くのは大変だろ?」
「え、ほ、本当かい!? そ、それはすっごく助かるよ! 実は君の言う通り一人で進行するのは結構大変だったんだ。でもよくそんな細かい所に気がついたね。もしかして今までにもそんな会議とかに参加した事あったのかい?」
「ん? あぁ、いや、まぁ何となく想像でそう思っただけだよ。それで? 金曜日の会議の内容ってなんだ?」
「えっと、金曜日の部長会議の内容は今年度の文化祭の各部活の出し物会議の第一回目だね。部活でやる出し物をいつまでに決めるか、出し物の場所をどうやって決めるか、去年の文化祭で気づいた注意点などの共有とかとか、まぁそんな話をやる感じかな」
「なるほどなるほど。それは大変そうだ。あ、それじゃあ去年のその頃の議事録とか資料とかって俺にも全部見せて貰えないか。資料を作るのに必要になりそうだから、ちょっと見して貰えるかな?」
「うん、もちろん構わないよ。別に秘匿資料って訳じゃないし持ち出しも可能だから持って行ってくれて構わないよ」
「そっか。ありがとう。それじゃあ御言葉に甘えて借りていくよ。って事でそれじゃあ後でもう一度生徒会室まで行っても良いかな?」
「もちろん。それじゃあジュースを飲み終えたら一緒にまた生徒会室に戻ろうね」
「わかった」
という事でその後は一旦また生徒会室に戻り、去年の文化祭ら辺の会議議事録や資料を持ち出していった。




