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23話:前島から急に連絡が来る

 その日の放課後。


「さてと。今日は生徒会の仕事も無いしさっさと帰ろうっと」


 俺はそう呟きながらさっさと帰る準備を始めて教室から出ていこうとした。


家に帰ってもやる事は何もないけど、まぁいつも通り委員長から借りた参考書を頼りに復習作業でもしていこうかな。


―― ピコン♪


「うん?」


 そんな事を思いながら駅に向かってノンビリと歩いていると、ふいに俺のスマホが鳴り出した。LIMEにメッセージが入ったという事だ。


「一体誰だろう……って、前島じゃん」


 メッセージの送り主は前島だった。そのまま前島の席を見ていった。すると前島の席には鞄は無かった。もう帰った後という事になる。


とりあえず俺は前島からのメッセージを確認してみた。


『今からアナタの家に行っても良い?』


「……は、はい?」


 LIMEに入ったメッセージはそれだった。俺は唐突過ぎて意味がわからず、前島にこう返事を返していった。


『え、えっと、なんで俺の家に?』

『友達の家に遊びに行くのに理由なんてある?』


「……えっ? ま、前島って俺の事を友達だと思ってくれてるのか??」


 俺はあまりにもビックリとしてしまいスマホにツッコミを入れてしまった。


『既読スルーしてるけどどうしたのよ? もしかして都合悪い? この後予定とかある感じ?』

『いや、予定なんて全然無いから大丈夫だけど』

『そう。それなら良かった。それじゃあさっさとアンタの住んでる所を教えなさいよ』

『わかったよ。それじゃあ住所は……』


 という事で半ば強引に俺は前島に住所を教える事になった。まぁ別に一人暮らししてるから別にいいんだけど。


 でも俺の家に急に来たいなんて言うなんて一体どうしたんだろう??


◇◇◇◇


 それから程なくして。


―― ピンポーン♪


「は、はいはーい」


 アパートに帰って軽く部屋の掃除をしていると家のチャイムが鳴った。俺はすぐに玄関の方に向かった。


―― ガチャッ


「いらっしゃい。前島」

「ん。お邪魔するわ」

「あぁ。どうぞ」


 そう言って前島さんはローファーを脱いですたすたと廊下を歩いて行った。


「とりあえずお手洗い借りても良い?」

「もちろん。そっちが洗面台だから勝手に使ってくれて構わないぞ」

「ありがとう。それじゃあちょっと借りるわね」


 そう言って前島は洗面台の方に向かい、手洗いを済ませてからリビングの方へとやって来た。


「ふぅん……一人暮らしの割には部屋綺麗にしてるわね」

「まぁ綺麗にしてるってか何も置いてないだけだよ。それで? 今日は何しに来たんだ?」

「それはもちろんアンタにちゃんとお礼をしようと思ってね」

「お礼? もしかして元カレを撃退した時の件についてか? でも別にそんな気にしなくて良いって言っただろ?」

「でも私が気にするのよ。それでアンタってアレなんでしょ? 普段晩御飯はコンビニ飯で済ませてるんでしょ? だから今日はお礼も兼ねて私が晩御飯を作ってあげるわよ」

「え? ま、前島が料理を振舞ってくれるのか?」

「そうよ。いつもアンタは菓子パンばっかり食べてて気になってたし、ちょうど良い機会だと思ってね。という事で今日はアンタのために晩御飯を作らせて貰うわ」

「そ、そっか。まぁそう言ってくれるならお言葉に甘えたいけど……でも俺んちには調理器具とか道具あんまり無いぞ? フライパンとか鍋とかならあるけど、でも材料とか調味料も全然用意してないぞ?」

「本当に? ちょっと冷蔵庫とか見せて貰っても大丈夫?」

「あぁ、別に良いけど?」

「ありがと。それじゃあどれどれ……ふむふむ。なるほど。確かに全然入ってないわね。アンタ……せっかく良い台所があるんだから、少し調理器具に力を入れなさいよ?」

「す、すまん……」


 前島はジト目で俺の事を見ながらそう注意してきた。なので俺はすぐさま謝っていった。


「……ふふ。冗談よ。まぁでも調理器具が全然ない事は把握出来たし、これだけでも作れそうな料理を作ってあげるわね。という事で今から材料を買ってくるわ。近くにコンビニがあったわよね? そこでちょっと買ってくるわ」

「え? い、いや、それなら俺が買ってくるよ。必要な物をリストにして教えてくれ」

「普段料理してないヤツに必要な物をリストで渡してもわからないでしょ。私が買ってくるから別に良いわよ。だから家主は家の中で待っておきなさい」

「わ、わかったよ。それじゃあ前島さんの事を待ちながら料理器具を出して待ってるよ」

「ん。偉いわね。わかった。それじゃあすぐに帰ってくるわね」

「あ、あぁ」


 そう言って前島は楽しそうに笑いながら一旦家から出て行った。それに何というかとても活き活きとしている感じだった。いつも学校で見ていた雰囲気と全然違って俺はちょっとだけビックリとしてしまった。

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