表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/18

02話:とりあえず自分の事を思い出してみる

 という事で改めて自己紹介をさせて貰うけど俺の名前は大神秀一、29歳の社畜の男だ。


 先程も言ったように両親は既に他界している。結婚もしてないし彼女いないので今までずっと独り身だ。


 性格は今でこそ真面目な感じになっているけど、高校生の頃までは物凄く暗くてウジウジとした性格だったと思う。そりゃあ両親が事故で死んじゃって、親戚中から邪魔者扱いされたら誰だって暗い性格に決まってる。


 でもそんな悲しい人生を味わってから十年以上もの年月が経った今では、そんな事はすでに吹っ切っており、今ではブラック会社で立派な社畜人生を歩んでいた。


(ってか今働いている会社が超絶ブラック過ぎて、そんなウジウジとした暗い性格のままでいたら生きていけなかったという方が正しいんだけどさ)


 ブラック会社に入社したせいで毎日ヤバ過ぎる程に働かされていた訳なんだけど、代わりに暗くてウジウジとした性格が叩き直されたというのは……うーん、何だか有難いのか迷惑なのかよくわからないよな。


 まぁもう死んじゃった訳だしブラック会社の事はどうでも良いか。


「ふぁあ……ふぅ。まぁよくわからんけど……とりあえずコーヒーでも飲みたいな。缶コーヒーで良いから冷蔵庫に入ってねぇかな……」


 俺は欠伸をしながらそう呟いていった。よくわからない状況だけどとりあえず頭をスッキリさせたいと思った。


 という事でベッドから立ち上がっていったんだけど、でも俺はすぐにとある違和感に気が付いた。


「……さっきから変だなって思ってたんだけどさ……何か俺の髪長すぎじゃないか? 前髪が目に入りそうで邪魔くさいなぁ……」


 違和感というのは俺の髪の毛が凄く長い状態になっていた。全体的にロンゲになってるし前髪なんて目の下までかかってしまっている。


 だけど俺は今までスッキリとしたショートヘアにしていたはずだ。髭も脱毛して全体的に清潔感のある容姿にしていた。取引先の会社の方と会う事も非常に多いから見た目という第一印象は良く見えるようにちゃんと徹底していた。


 だからこんな目が隠れてしまう程髪を伸ばしてなんかいないんだけど……。


「……いや、でも待てよ? 社会人になってからはずっとショートヘアにしてたけど……でもそういえば俺って高校生の時は髪を伸ばしてた……って、あぁっ! そ、それじゃあ……もしかして!?」


 その時、俺は高校時代の髪型を思い出した。そしてここは俺が高校生だった頃に住んでたアパートの部屋だ。という事はもしかして……。


―― ダダダダダッ!


 俺は一つの予想を立ててすぐさま洗面所へと駆けていった。そして洗面所に置かれている鏡を見ていった。するとその鏡に映し出された姿はなんと……!


「な……なっ!? なんだよこれ!? こ、これ……高校生の頃の俺じゃんかよ!?」


 その洗面所の鏡に映し出されていた男性の顔は、毎日ブラック企業で働いていた社畜顔の大神秀一(29歳)ではなく……非常に若々しい顔付きの大神秀一(おそらく16か17歳)がそこにいた。


◇◇◇◇


 それから程なくして。


 俺は洗面所から出て自分の部屋に戻ってきた。そして俺はちょっと動揺しつつも部屋の中の調査を始めていった。


 俺が今まで着ていた会社用のスーツも無ければ仕事道具の入った鞄も無くなっている。代わりに学生服と学生鞄が床に置かれていた。


 机に置かれていたスマホとノートパソコンはかなりの旧型だった。これは俺が高校生だった頃に使っていた物と同じだ。そして極めつけは……。


「ま、まじかよ……カレンダーの年月日が13年も前になってる……」


 俺は壁にかけられていたカレンダーを見て愕然としていった。そのカレンダーの年号は今から13年も昔のものになっていた。


 という事はここは俺が16歳の世界という事だ。そしてカレンダーの日付は5月なので、今の俺は高校二年生という事になる。


 つまり俺は過去にタイムスリップをしてきたという事のようだ。こんなアニメやドラマで見る出来事が現実でも起きるなんてビックリでしかない。まぁでも……。


「でも本当だったら俺はあの時に車にはねられて死んじゃってたというのに、こんな奇跡みたいな事が起きて死なないで済むというのなら……まぁこれは素直に受け入れていった方が良いよな」


 俺はタイムスリップをしたという事をすんなりと受け入れていった。俺は社畜になって毎日胃に穴が開きそうになるほど無限に仕事をしまくるという辛い日々を過ごしてたけど、それでも別に死にたかった訳では決してないからな。


 それにまだ29歳という若さで死んじゃったら、天国にいる両親が怒られてしまうと思うしさ。こんなすぐに私達の元に来るなんてこの親不孝者がー……って感じでさ。


 だから原理や理屈は全くわからないけど、もしもタイムスリップをしてもう一度生きれるというのなら……俺はこのままタイムスリップをした事を素直に受け入れていこうと思った。


「よし、それじゃあ高校生時代にタイムスリップをした事だし……せっかくだからもう一度高校生活をやり直していってみるとするかな!」


 という事ですんなりとタイムスリップした事を受け入れた俺は、せっかくだから高校生活をもう一度やり直す事も決意していった。


 だって前回の人生では、高校生の頃は毎日暗くてウジウジとした高校生活を送ってしまったからな。だから高校生らしい青春なんて一つも味わってないんだよな……。


 まぁもちろん高校時代は“両親の死”や“親戚達との軋轢”などがあって精神的に凄く病んでた時期だから仕方ないんだけど……でもやっぱり俺だって本当は楽しい高校生活を送ってみたかったという気持ちは持っていたんだ。


 だから今回は幸運にもタイムスリップする事が出来たからこそ……前回の人生とは違って今回は友達を沢山作って普通に楽しい高校生活を歩んでいこうじゃないか!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ