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18話::担任から大量の補習プリントを貰う

 それから数日が経過した。


 俺は委員長から借りた参考書を使いながら、毎日コツコツと一年生の頃の授業内容の復習を行っていた。


 まぁ普通に考えたら一年生の頃の授業内容を思い出すなんて、かなり大変な作業ではあるけど、でも委員長から借りた参考書がとても分かりやすかったので、俺は勉強を投げ出す事なく毎日しっかりと復習を行う事が出来ていた。


 そしてこのままのペースでいけば、俺は中間試験や期末試験は何とかギリギリ合格点は狙えるとは思う。本当に委員長の優しさには感謝してもしきれないよ。


 という事でとりあえず中間・期末試験の問題を何とか乗り越える事が出来そうでホッと安堵したんだけど……でもそんな俺に新たな問題が発生してしまった。それは何かというと……。


「大神。単刀直入に言うけど、今内申点がかなり危ない状態になっている」

「え? 俺の内申点がですか?」

「あぁ、そうだ。今まで学校を欠席する事が多かったからな。だからこのままだと正直、大神の進級はちょっと危ないかもしれないんだ」

「え……えぇっ!? 進級が出来ない!? そ、そうなんですか?」


 とある日の放課後。


 俺は担任に呼ばれて職員室にやって来た。そして担任から進級についての話を聞かされていった。


 だけど俺はその話を聞いて大きくビックリとしていった。だって俺は前回の人生ではしっかりと高校を卒業したはずなんだぞ?


 だから過去の俺はちゃんと進級出来たはずなんだよ。それなのにどうして今の俺は進級出来ない可能性があるという話が出てくるんだ??


「あぁ、そうなんだ。大神は学校を休む事が多かったから、内申点がかなり削られてしまってるんだ。という事でそんな削られてしまった内申点を補うために、大神には課題プリントを解いて提出して貰いたいんだ。課題プリントは大量にあるが進級するためにも全部しっかりと解いてくれ」

「課題プリント? って、わわっ!?」


―― ドサッ!!


 担任はそう言って机の上に大量の課題プリントをドサッと置いてきた。小冊子くらいはある厚みだ。


 そしてそんな大量の課題プリントを机に置かれて、俺はとある事を思い出した。


(あぁ、そうだ。そういえば俺……前回の人生でも進級するために家で課題プリントを沢山解いてたな)


 俺が高校生だった頃。学校を休んでずっと引きこもっていたら、時々課題プリントが家のポストに届けられてたんだ。それを解いたら出席点を貰えるって言われたから、俺はちゃんとその課題プリントを解いて提出してたっけ。


 なるほどな。あの時は何も考えてなかったけど、あの課題プリントって進級するためのプリントだったのか。という事はもしもあの課題プリントを提出してなかったら過去の俺も進級できなかったっていう事か。マジで危なかったんだな、俺……。


(……って、あれ? でもそういえばあの時は全然考えてなかったんだけどさ……俺の家に課題プリントを届けに来てくれたのって一体誰なんだろう?)


 そしてその課題プリントを見てて思い出したんだけど、いつも俺のポストにクリアファイルに入れられた課題プリントが投函されていたんだ。


 それってつまり俺のアパートに来て課題プリントをいつもポストに投函してくれてた人がいたって事だよな? それって一体誰なんだろう??


「おっと。面を食らってしまったようだな。こんな大量に課題プリントがあったらビックリするに決まってるか。まぁでも大神が進級するためにも、この大量の課題プリントをしっかりと全部解いていってくれないか?」

「はい。わかりました。ちゃんと全部解いていきます。それとすいません。俺が長らく学校を休んでたせいで、先生にはこんなにも大量の課題プリントを用意させてしまって……本当にすいません」

「そんな事は気にしなくて良いよ。俺も大神の家庭状況については把握しているから。だから俺もそこまで無理に学校に来いと言うつもりは無いんだけど……でもやっぱりこれ以上内申点を下げてしまうとマズイ事になるかもしれないからな。だからもしも大丈夫そうなら、これからは出来る限りは学校に来てくれると先生としては嬉しいよ」

「はい。わかりました。これからは出来る限りは学校に毎日来ます。それと課題プリントもしっかりと全部解きます。全部解くのは時間かかると思いますけど……でも必ず全部解いて先生に提出します」

「あぁ、わかった。そう言ってくれると助かる。よし、それじゃあ俺からの話はこれで以上だ。教室に戻ってくれて構わないよ」

「わかりました。それじゃあ失礼します」


 そう言って俺は担任にお辞儀をしてから職員室を後にした。


 だけど職員室を出てから急にドッと徒労感が出てきてしまったので、俺は一旦気分転換をするためにも校庭のベンチに向かった。


 そして校庭のベンチに到着した俺はすぐさまベンチに座りながら、ノンビリと一休みを始めていった。


「……はぁ……」

「何だか凄いため息だね? どうしたのかな?」

「……はぁ……って、え?」


 ベンチに座って深いため息を付きながら休憩をしていると、急に後ろから誰かに声をかけられた。


 俺は誰だろうと思って後ろを振り返っていくと、そこにはクラスメイトの委員長が立っていた。


「あぁ。委員長か。お疲れっす」

「うん。お疲れ様。大神君は今はベンチに座って休憩中なのかな? もしそうなら私も隣に座って休憩しても良いかな?」

「あぁ。別に良いよ」

「ありがとう。それじゃあお隣を失礼して……よっと」


 そう言って委員長は俺の隣に座って来た。何だか委員長もちょっとお疲れの様子だった。もしかして今まで何か仕事でもしてたのかな?


「ふぅ。それで? 大神君は大きなため息を付いていたようだけど、何かあったのかな? もしかしてまたわからない問題でも見つかったのかな? もしそうなら私がまた力を貸してあげるよ?」


 お疲れの様子だった委員長は軽く息を整えてから、すぐにいつもの朗らかな表情になりながら俺にそう尋ねてきた。


「いや、そういう訳じゃないよ。今のところ勉強面に関しては多分大丈夫そうだよ。委員長が貸してくれた参考書のおかげでここ最近は凄く勉強が捗ってるしさ。だから本当にありがとう委員長。あんな凄い参考書を貸してくれて感謝の気持ちでいっぱいだよ」

「ふふ、そっかそっかー。それなら良かったよ。私の参考書が大神君の役に立ってるようで本当に嬉しい限りだよ。でもそれじゃあさ……大神君が今大きなため息を付いてた理由は一体何なのかな?」

「あ、あぁ、それはまぁ何というか……」


(うーん、どうしよう……言うべきかな……)


 俺はため息を付いた理由を委員長に言うかどうか悩んだ。何故なら俺はこの短期間で委員長には何度も何度も助けて貰っているからだ。


 これ以上委員長に迷惑をかけるのも違う気がして……だから俺は委員長に新しい悩みが出来た事を相談するのを躊躇しそうになったんだけど、でも……。


――ふふ、 君の友達ならさ……今君の目の前にちゃんといるじゃないか?


 でも俺はその時、ふと委員長に言われたその言葉を思い出した。委員長は俺の事を友達だと言ってくれた。つまり俺にとって初めての友達なんだ。


 そして友達というのはお互いに信頼しあった関係の事をいうんだと思う。だから友達だと言ってくれる委員長に対して気を使って嘘を付いたり誤魔化そうとするのは……何だか委員長を信頼してないみたいで駄目な気がした。


 だから俺は友達だと言ってくれた委員長の事をちゃんと信じて、俺の今抱えている悩みを正直に言っていく事にした。


「えっとさ、ちょっとだけ話が長くなるんだけど、良いかな?」

「うん、大丈夫だよ。幾らでも話を聞くから、大神君のため息を付いた理由を教えてよ?」

「あぁ、わかった。実はさっきまで職員室に行ってたんだけど……」


……

……


「……という事を担任に言われたんだよ」

「ふむ、なるほどね。さっきまで進級についての話をしてたんだね。確かに大神君は今まで学校に来てなかった事が多かったし、これ以上内申点を下げたら大変な事になるのもあり得る話だよね。うーん、内申点かー……あ、そうだ!」

「? どうしたんだ? 委員長?」

「いや今の話を聞いててちょっと閃いた事があってね。その前に確認しておきたいんだけど、大神君って今はどこの部活にも所属してないよね?」

「部活? あぁ。そりゃあ今まで引きこもってばっかりだったから、俺はどこの部活にも入ってないよ」

「そっかそっか。それじゃあ大神君は放課後は基本的には空いてるって事だよね。それならそんな大神君にとっておきの話があるよ。君の内申点を上げる事が出来る素敵な話だよ」

「えっ!? 俺の内申点を上げる事が出来る素敵な話!? ぜ、是非とも教えてくれよ。それは一体どんな話なんだ?」

「うん、わかった。それじゃあ単刀直入に言うけど大神君……良かったらこの学校の生徒会に入らないかい?」

「……え? 生徒会に? 俺が?」


 委員長は笑みを浮かべながらそんな提案を俺にしてきた。そして生徒会に入らないかって提案をしてくるという事は委員長ってもしかして……?

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