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01話:目を覚ますと高校生の頃に住んでた部屋に戻っていた

「……ん?」


 目を覚ますと俺は何処かわからない部屋のベッドに横たわっていた。その部屋の窓からは朝日が差し込んできていた。どうやら朝の時間帯のようだ。


 でもそれはおかしい。だってさっきまで夕方だったはずだし、俺はさっきまで普通に社畜として外で働いていたんだぞ?


「うーん、どういう事だ?」


 俺はさっきまでの記憶を思い出してみた。俺は仕事の打ち合わせをするために取引先の会社に向かって外を歩いてたんだ。


 するとその途中、俺は横断歩道を渡っている子供を見かけたんだけど、その横断歩道に大型の車が猛スピードで突っ込んで来たんだ。


 俺は危ないと思ってすぐさま横断歩道に向かって駆けだしていき、その女の子が車と激突するギリギリの所で、俺は女の子を両手で突き飛ばして横断歩道から出していった。そのおかげで女の子は車に激突する事なく無事で済んだんだ。


 でもその代わりに俺が大型の車と激突してしまったんだ。そして俺はその車と激突した所までは思い出せたんだけど、それ以降の記憶は何も思い出せなかった。


 まぁでもその状況からして……。


「……ま、普通に考えたら死んだって事だろうな……」


 俺はベッドの上でそうため息を付いていった。こんな早くして死ぬことになるなんて思わなかったのでちょっとだけ悲しい気持ちになっていった。


 まぁでも今までの人生を振り返ってみると、子供の頃に両親が事故で死んじゃったり、両親が死んでからすぐに親戚中たらい回しにされたり、勉強に付いていけずに大学進学出来なかったり、何の資格も無いから入れる会社がブラック企業しかなかったり、それで毎日胃に穴が空きそうになるくらいストレスを抱えながら働いたりとか……まぁそんな感じでよく考えてみたら子供の頃から今日に至るまでずっと不幸な人生だったよなぁ。


 そして最後は車にハネられて死ぬなんて本当に悲しすぎる人生だとは思ったけど……ま、でも最後の最後に人助けを出来たのは良かったと思う。俺の命であの子が救われたのならそれで良いさ。


「それにしても……それじゃあここはあの世って事なのか?」


 俺は辺りをキョロキョロと見渡していった。部屋の中は綺麗に整頓されているというか、必要最低限の物だけが置かれている感じの部屋だ。机とテレビとパソコンと学生鞄が置かれているだけの質素な部屋だ。


「んー、あの世というには質素過ぎるというか何というか……」


 俺は部屋の中を見渡しながらそんな感想を呟いていった。よくわからないけどあの世ってもっと厳格な感じなんじゃないのか? こんな学生が生活してるような部屋があの世って……あれ? 学生鞄??


「あ、あれ? でもあの学生鞄には何だか見覚えがある気が……それにこのベッドもテレビもノートパソコンも……ぜ、全部見覚えがあるぞ??」


 俺は急に既視感を覚えた。もう一度部屋全体を見渡していった。するとすぐに俺はとある事に気がついた。というよりも思い出した。この部屋ってどう見ても……!


「い、いや、ちょっと待ってくれよ……こ、この部屋って……俺が高校生の時に住んでたアパートじゃんか!」


 俺はビックリしながらそう叫んでいった。ここは俺が高校生の時に住んでた都内にある小さなアパートだった。俺は高校生だった頃、この小さなアパートで一人暮らしをしていたんだ。


 俺が高校生の頃に一人暮らしをしていたのにはちょっとした複雑な家庭環境の理由があったからだ。


 まぁさっきも言ったけど俺の両親は俺が子供の頃……具体的に言うと中学生の頃に事故で亡くなってしまったんだ。


 それで一人身になってしまった俺は親戚に引き取られる事になったんだけど、俺の両親は都内に住んでたのに対して、親戚は皆地方の田舎村に住んでいたんだ。


 詳しい話はわからないけど、どうやら俺の両親は親戚達と昔から反りが合わなくて、喧嘩別れみたいな感じで田舎村から飛び出して都内にやって来たらしい。


 それが原因で俺の両親は親戚全員から非常に嫌われていた。当然俺の事も嫌われていた。その結果として俺を引き取ってくれる親戚は一切見つからず、俺は親戚中をたらい回しにされていく事になってしまったんだ。


 当時中学生だった俺は突然両親が死んでしまい、さらに親戚中から嫌われてたらい回しにされた事で心に大きなショックを受けてしまい、当時は毎日のように涙を流していた。そしてこんな親戚達から早く離れたいと心から願っていったのを今でも覚えている。


 それからしばらくして、俺は親戚中をたらい回しにされまくっていた時、ふと俺は両親が残してくれた貯金があった事を思い出したので、これを使って都内にアパートを借りて進学予定だった高校に通いたいと……親戚達にそんな提案をしていったんだ。


 するとその提案を聞いた親戚達は皆嬉しそうな顔をしながらオッケーを出していってくれた。保証人とかサインが必要な時だけ連絡をするという事になった。俺は親戚達から離れてこの小さなアパートを借りて一人暮らしを始めていったんだ。


 こうして俺の高校生活は波乱万丈な形でスタートしたんだけど、でもやっぱり両親が突然亡くなってしまった事や、親戚中たらい回しにされた精神的ショックを受けた事によって、高校に行っても毎日暗い気持ちになりながら授業を受けていたんだよな。


 それに精神的にもきつくて何度も高校を休んだりもした。そんな感じの高校生活だったので俺は高校の頃に友達なんて一人も出来ずに卒業したんだよなぁ……。


 そしてそんな暗黒の高校時代を過ごしていたのが、今俺がいるこの小さなアパートだった。だけど俺は高校を卒業してからすぐにこのアパートから引っ越したはずなのに、どうしてこのアパートに俺が戻ってきているんだろう?

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