第5部『Resonant Fate(響命)』 登場人物紹介
──Resistance側──
『ローダ・ファルムーン』
出身国はハイデルベルク(旧ドイツ領)現在年齢20歳。頼り甲斐なき騎士見習いであった彼が戦い終える都度、変身めいた成長を遂げた。
精神面・体力面のみに非ず。剣を交えた相手の術式を即時模倣する不可思議な進化。
変身の理由は未だ解明出来ず。但し鍵の女性と自ら語るルシアとの出逢いが切欠なのは間違いない模様。
ドゥーウェンから扉の候補者として英雄の座をルシアと共に強要されたローダ。
苛立ちながらも愛するルシアを生涯守り抜くため了承の誓い立てた。
ルヴァエル一派の用意のした候補者の天敵『RaviNero』とルヴァエル自身を体力使い果たしながらもどうにか退け英雄として名を馳せた。
だがルヴァエル戦の助力として参戦したルイスへ怒りに染めた手刀を見舞う。
マーダが移してきた意識を敢えて受けた兄へ向けた反旗。
ルイスを圧倒するも変身の能力を使い果たし、躰耐え切れず地に伏せてしまった。
果たして彼は再び目覚める事が出来るのか?
鍵はルシアが握っている……。
『ルシア・ロットレン』
金髪ボブカット、天女が如き萌え袖な白い服装で精霊を付与した手足を振るう不思議な22歳女性。
愚鈍で無口だが刺さる言動を投げるローダに惚れた彼女。
ローダに対する愛情が膨らみ抑えられない平凡な女性へ堕ちる道を歩み始めた彼女。
英雄の座をローダと共に受け入れ、彼に降り掛かる期待なる巷を背負う覚悟を決めた。
同じ日の宴、踊った夜の歌劇で満たされた夜更かし。
彼自身を自分へ受け容れた幸福と、公平であるべき鍵が独りの男へ傾いた罪の意識。
そして流された英雄を勝利に導いたが、兄弟の契りが交わした争いを止められなかった後悔に苛まれた。
物云わぬ躰へ堕ちたローダを救えるのは恐らく彼女を置いて他には居ない。
リイナへ語る扉と鍵の真実とは? そして命の器に新たな生命は、本当に宿っているのか?
『リイナ・アルベェラータ』
長い銀髪と14歳とは思えぬ類稀なる知識の泉を湛えた少女、戦之女神の司祭級。
外敵との争いには不参加、ローダだけが感じた漁村エドナへ迫る危機へ馳せ参じた。
ヴァロウズ第三の剣士トレノとティン・クェンが迫る処へ父ジェリドと共に割って入り、ティンの謀略を止める手助けを無事果たした。
だがローダを失った失望の知らせを受け、Fortezaへ戻った彼女。
ルシアからローダ蘇生の可能性と、胎内にローダの種子受け継いだヒビキの存在と云う驚きを聞き及んだ。
『ジェリド・アルベェラータ』
元フォルデノ王国聖騎士団団長。柄の長い巨大な斧を振るう剛毅な騎士。現在38歳。
漁村エドナでガロウ・チュウマとの一騎討ち、果たしたいトレノの邪魔をさせぬよう立ちはだかったティン・クェン。速さに劣る相手に拳含む体術で対抗、戦人としての経験を見事活かし切った立ち回り。
怒りに震えジェリドを避けてリイナを襲うティンを止めるべく、再び愛妻ホーリィーン・アルベェラータ、魂の具現化を果たす。
ホーリィーンは生前、戦之女神攻撃の奇跡『賢士』であった。リイナは母から賢士の力を一時的に授かりティンを退かせる事に成功した。
ジェリドが具現化せしめた妻の魂──これは最早異能の開花で云って申し分ない。更なる進化があるのだろうか。
『ガロウ・チュウマ』
漁村エドナを護るResistanceのリーダー格、髭面の剣士。
旧中国の倭刀思わす剣を振るうトレノから望まれた一騎討ちを受けたガロウ・チュウマ。
得意の滾る刃『示現我狼』と冴え渡る剣豪としての矜持を語りて追い詰めた。
勝負の〆は剣士の命である大太刀を敢えて投げ売った脇差に因る全身全霊。折られたものの、トレノの腕を奪う実質的勝利を収めた。
彼の滾る刃は護りの女神ファウナの忠臣であり良き姉貴分であったオルティスタの剣術を彷彿させる。
一方で、そのオルティスタは旧ロシア領の出身。
かたや、ガロウは云わずと知れた桜陽の生まれであり、両者に繋がりがあるかは定かではない。
── マーダ(暗黒神)側 ──
『マーダ(ルイス・ファルムーン)』
やけにローダと髪の色などの容姿が似ている黒い剣士。愛刀は紅色の蜃気楼。
マーダに意識毎乗っ取り受けたローダの兄、ルイス・ファルムーンで在る事実が遂に判明した。
フォウ・クワットロへ鍵の代わりを求めた人間としての弱さを見せた彼。
それは正しくマーダの意志でなく依り代と化したルイスの願いであった。
フォウは自身がルイスに取っての鍵に至る決意を語り、二人は心で繋がり合えた。
300年前、マーダがレヴァーラと呼称された頃を思わす姿形で現れた外敵ルヴァエルに驚異抱くも、扉の候補者としての品格滲ませフォウを従え対戦に臨んだ。
ルヴァエルを退けるに至るも、命張った兄弟喧嘩を持ち掛けたローダ相手に思わぬ苦戦を強いられた。
負け際にて如何にかローダの滾る手刀を模倣し、受け止めた事で未だ候補者である事実を世間に知らしめた。
『サイガン・ロットレン』
白髪頭で50代後半位に見える初老の男。
彼は人工知能に自由意志を与えるのを人生に於ける至上命題としている。史上初の人造人間マーダを生成。
二人の候補者の内、自らの意志で他人を取り込み続けたマーダを認めた白羽の矢を立て、彼の側に付いた。
サイガンが成し得た人工知性、その礎で在るナノマシンのOS名『AYAME』
此れはこの老人が夢煌めいた頃、好意抱いた同級生『彩芽』から貰った哀しみの字名。
彼は自分専用のPCにAYAMEならぬ彩芽を飼っていた。
そして彼が造ったと思しきルシア・ロットレンへ、候補者ローダとの決別を打電するも、ルシアの正論に押され、結果として自身が絶縁の断を下された。
『ドゥーウェン&ベランドナ』
マーダ直属の配下・ヴァロウズ2番目の学者ドゥーウェン。本名『吉野亮一』
着き従う亜人族最格の女性、ハイエルフのベランドナ。
候補者ローダと、彼を拓いた鍵ルシアを英傑と世界へ謳い世界最高峰の粋を独占する街Fortezaの護持を掲げ、所有権を主張した。
だが論外なる迂闊が露呈──。
300年前、この街のインフラを一手に担ったリディーナ博士が残したセキュリティをアップデートせず使い続けた結果、ルヴァエル一派の襲撃を甘んじて受ける羽目に陥る。
ローダ達がルヴァエル相手に如何にかシステムを取り返す猶予を作り、成功させたが英雄ローダを喪失する底辺へ堕ちた。
『フォウ・クワットロ』
マーダ直属の配下・ヴァロウズ4番目、暗黒神の魔法を使える神聖術士。長い黒髪と琥珀色の瞳が特徴的な女性。
ルイスじみたマーダから女の慰みを求められ受け容れた彼女。
以来、心と躰すべからずルイスへ捧げたい願望抱く。胸内を開き想いを打ち明け『僕が君を鍵へ昇華させる』とルイスに云わしめた。
ルイス・ファルムーンがローダの再現した異能を自分の手元へ引き寄せた結果を見るに、鍵の才覚充分なる形を匂わせた。
『トレノ』
マーダ直属の配下・ヴァロウズ3番目の剣士。
非常に小柄で細身。繰り出される剣などたかが知れてると初見の者には映り往く存在。
日本刀に似通った形状だが大き過ぎる彼の帯刀。これはトレノ自身の能力で鍛冶なした濡れた剣であった。
依って日本刀を腰に差したガロウの元へ態々出向き、刃交える争いを熱望した。
水であれば自由自在、ワザとただの凍結した氷柱に変え相手に割らせる事で交えた剣を透かしたり、酷い酸帯びた刃を成して敵へ飛ばした。
戦熟れしたガロウが『剣の博覧会』と小馬鹿に貶して何とか上位を取るしかなかった経緯。
剣士の意地、ガロウの首級を素直に狙ったのが逆に仇と成り、機転利かせたガロウが落ちた脇差と大太刀を変える何とも奇異なる剣で反撃。
トレノ自身も海の波風受けて染みた腕を新たな剣と成し交えるも、互いにへし折れる決着へ転じた。
『ティン・クェン』
マーダ直属の配下・ヴァロウズ5番目の筋骨隆々たる女武術家。
トレノがResistanceのリーダー格と果し合い望むのを知り、邪魔が入らぬ様エドナ村への道を塞いだ彼女。
村に向かうアルベェラータ父娘と相対した。鈍重な全身鎧の騎士と戦闘力皆無に思えた司祭の少女。
負ける公算など本来在り得なかった組合せ。
されどティンの異能『目が見え過ぎる』を一目見抜いたジェリドの試合巧者と、再び召喚成し得た妻ホーリィーン。賢士の能力を借りたリイナの前に敗走を余儀なくされた。
『レイ』
マーダ直属の配下・ヴァロウズ次点、空間転移の使い手。
銀色のボブカットと揃い色のロングコートが特徴的、かなりお喋りが過ぎる女性。『俺が法』だと名で体を主張した。
射撃時の反動を損なった自動小銃『Leythemend』二丁をこよなく愛する。
空間転移しか出来ぬ能力故、ヴァロウズ最下位の不条理を貼られていたが、サイガンがLeythemendを授けた事で一挙表舞台へ名乗りを挙げた。
ローダ&ルシアVsルヴァエル戦にマーダ側の援軍として参戦。
一騎当千、硬過ぎるRaviNero相手に小銃の継ぎ矢でひび割れ入れた異常な戦いぶり見せ付け、独りで軍語れる躍り出た活躍ぶりを示した。
然しながら戦闘後、レイは更なる体現──自軍に戻らず民衆軍にも投降せず姿を消した。
── 第三勢力 ──
未だ不透明な部分があれど、アドノス島の外から襲来すると思しき鎖国破り匂わせる『外敵』
魔導、技術文明。あらゆる分野で圧倒的に秀でたこの島。
然も経った300余年の短き間に三柱もの神を輩出した異端なる地。
されどサイガン・ロットレンの語る異能者は世界各国、何処で生誕しても不思議ではない事情があるのだ。
『ルヴァエル』
旧インド領バラタバザルにて植民地時代の悪しき伝統を人の命用いて吹き飛ばした三つ編み黒髪の少女。容姿と言動が昔のマーダ良く知る妖しさ漂う女性。
碌に動かぬと囁かれた試作機、全高約5m在る黒猫『RaviNero』引っ提げForteza市を単騎強襲。
ローダ&ルシア、そしてレイの共闘に敗れ、己自ら姿現し大いに奮戦。
緑色の輝きは嘗て現人神と称えられたレヴァーラ・ガン・イルッゾの力、『閃光』を彷彿させた。
その硬質さと己の躰を武器にしながらフォウ・クワットロ戦闘介入時、さらに赤み帯びる色彩へ転じフォウの放った魔導『斬り裂く爪達』を相殺。
次にルイスが振るう殺意斬り裂く剣、紅色の蜃気楼相手に朧気な青で攻撃を透かした。緑→赤→青とまるでシグナル感じさせる力の体現。
吹っ切れたローダがガロウ・チュウマの剣術『示現我狼・櫻華』を叩き込み如何にか片腕だけ奪い、撤退へ追い込んだ。恐らく未だ本気を隠しているに違いない。
『エルミュラ・フィス・スケイル』
旧インド領にてルヴァエルが決起した折、隣に居た褐色の美麗なる女性。
恐らくルヴァエルの側近と思しき彼女。ルヴァエル曰く『私とエルミュラの能力……そして試作機だけじゃ恥晒し……』と異様な力を匂わせた。
その名と立ち位置からして過去の異能を持ち球にしている可能性が高い。
『アデルハイド・ヴェルナー』
ローダ・ファルムーンを英雄とドゥーウェンが焚き付きた決起集会後、Resistanceから抜け出した旧オーストリア領、Grimoireから来た赤過ぎる間者。
女性じみた言動だが低音強い旧独逸語訛り。胸も平らで性別不明。
後にローダが決起集会の際、招かれざる違和感を覚えたと語った正体は、この者である公算が高い。
ローダはアドノス島へ渡る以前、グリモア付近にて亡者達の襲撃を受けた経験を語った。
アデルハイド当人も『亡者共と奴隷をあてがえば良い』と囁いた辺り、話が噛み合うのだ。




