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Intro
夏。
一年の中で最も青い季節。
最も儚げ爽やかで、輪郭が曖昧な季節。
青春物語では定番で、最も映える季節だろう。
キラキラと生命のエネルギーに満ちていて何かが始まりそうな季節。
でも、そんなイメージは空想で想像で創作で、、
現実の夏は、憂鬱で陰鬱で灰色がかっている。
今から書き記す話は、ラムネのように透き通った夏の話。
赤く、絶望に満ちた話。
僕が、嫌いな夏を少しだけ好きになる話。
この話を空想や妄想と受け取ってもらって構わない。
動機からして自己満で、傷をなめるような物なのだから。
いやどちらかというと自傷行為なのかもしれない。
痛々しい空想を妄想を書き記すのだから。
え?
この話に名前をつけるなら?
そうだなぁ…
薄膜越しの夏
かな。