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「お嬢さま、アストランティアさま、護衛はついておりますので安心してお買い物をお楽しみくださいませ。それから帰宅する時間になりましたら馬車を先程の場所にご用意しておりますのでそちらに向かいます。もしも時間よりも早くお帰りになりたいようでしたら仰ってください。護衛はシャイン公爵家の者とエンドロム伯爵家の者がついております。信用できる者だけを連れてきましたので心配は…」
うん、長い。うすうす気づいてはいたけど、アイビーってほんと真面目だよね。仕事熱心でいいとは思うけど、いつ休んでんだろ。
「アイビーちゃん、いくつかいいかしら?」
「はい、如何なさいましたか?なにかご不明な点がございましたでしょうか。至らない点が多く申し訳ございません。」
「あらあら、そんなんじゃないのよ?でもね、ちょっと思ったことがあったから言わせてもらうわね。
まず1つ目。アイビーちゃん、説明してくれるのはありがたいし嬉しいし助かるのだけど、大体は私も把握しているわ。必要なことはその時聞くから大丈夫よ。情報過多でアイリスちゃん大変そうな顔してたわ。」
あ、バレてた。だけどさすがにあの情報量は理解できないよ。
「それから2つ目。一応わたしたちは町娘ってことで来てるのよ。服装もみんな同じくらいの質の服を着てるわ。だからアイビーちゃん、私とアイリスちゃんも今は同じ立場で同じ町娘の身分なのよ。さすがに町娘どうしで『お嬢さま』とか『アストランティアさま』って呼ぶのは変に思われるわ。町娘の間に主従関係ができることはないもの。だからね、市場にいる間は呼び方を変えてほしいの。」
なるほどね。たしかに町娘どうしで主従関係があるのは変だ。勘がいい人ならそこから探られてもおかしくない。
「わかりました。では、なんとお呼びすればよろしいですか?」
「そうね~。一応お忍びで来ているから、アイリスちゃんは『アイリー』、私のことは『アスティ』と呼んでね。愛称なら周りにもわからないはずよ。それからアイビーちゃん、敬語もやめて普通に話してね。呼び方を変えても敬語ならそんなに意味がないわ。」
「わかりました。ではおそれながら、そう呼ばせていただきます。」
「よし!それじゃあさっそくお買い物しましょ!一緒に行きたいところがあるから、二人には付き合ってもらうわね!」
アストランティアさんが行きたいところってどんなところなんだろう。すごく楽しみだ。
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