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4話 魔王拾った

見たことのないような高くそびえ立つ建物が沢山あり、道路を行き交う鉄の馬車。

行き交う人達は可笑しな恰好をしていてわたしの知っている文明から高く進化を遂げていて

戸惑う。「ここはどこじゃ...」

我は、さっきまで、玉座の間で勇者たちと戦っていたはずなのに、魔法陣が現れ眩い光に包まれたと思ったら目の前に広がる景色は、見たこともない建物がひしめき建つ都会だった。

我は、いったいどこに飛ばされたのじゃ……

ここが何処なのか分からずに途方に暮れて鉄の馬車にかれないように恐る恐る歩きいていると。怪しい恰好をした二人組の男(見回り警官)に声を掛けられる。

「君、こんな遅い時間に一人で危ないじゃないか。早く家に帰りなさい。」


「え、えっと...」

怪しい男達に一歩引いて逃げようとしたところ「ちょっと待ってね」男に引き止められる。

「もしかして迷子かもしれない署の方で保護した方がいいかもな。」


「君、ちょっと一緒に来てくれないかな?」

男は手を差し伸ばそうとする。

「お主たち我をどうする気じゃ!」とダッシュで逃げる。


「ちょっと、待ちなさい!」と大きな声を出して後ろから追い掛ける怪しい男。

怖い!身の危険を感じるぞ。きっとあいつらは、身よりの無い子供をさらって売り飛ばす奴隷商人だ。



我は必死で逃げて無人の公園に辿り着いた。刺すように寒い公園で、腹が空いてゴミ箱を漁るが食べ物は無かった。泥水の味と雑草の味を知って辛酸しんさんを舐めさせられた。

(クソ!魔王の我がなぜ、こんな目にあわねばならぬのじゃ......我は、魔界最強の魔王なのに...こんなのあんまりだ!ひもじい...)

、ベンチに座り休憩し途方に暮れるのだった。




                  ***


今日も、いつものように放課後に喫茶でバイ


トを終わられたら外はすっかり暗くなっていた。二一時に差し掛かろうとしていて、急いで帰らないとマシロちゃんが心配する。

早足で急いで帰路につくが、一二月の夜の気温はだいぶ低く体が冷えて温かい飲み物が恋しくなる。ちょうど公園に差し掛かったところで自販機で温かい飲み物を買おうと立ち寄る。




すると自販機でおしるこを買っているとの隣のベンチに女の子が座っていた。学生かな小学生くらいの女の子が一人で座っていた。?こんな時間に?一人で?!



彼女が黒を基調としたファンタジックな服装で金髪のセミロングヘアーが金色の月のようでに灼眼がよく映える。

よく見ると頭に羊角が生えてる。

(コスプレかなにかか?服装もそうだけど)その焦燥しきった顔色に放って置くことができずに問いかける。



「大丈夫?寒くな?おしるこでも飲む?」

こんな寒い夜に風邪を引くと悪いから僕は自分が買ったばかりのおしるこを差し出す。

「おしるこ?なんじゃそれは?」


「おしるこ知らない?あんこが液体状になった甘い飲み物だよ。缶だからお餅は入ってないけどね」


「甘いのか?だが見知らぬ主からの施しは受けん!我は魔王だぞ!」


「はは、魔王ごっこか。」

可愛いな。僕も子供の頃に優者ごっこしてたっけ。


「ごっこ、だと...我こそは魔界を統べる魔界ナンバー1の魔王ぞ!」

「え、これはもしかして...」

マシロちゃんと同じ厨二病だったか!それもかなりこじらせてるし!

そこでくぅ~と彼女のお腹が鳴る。


「もしかして、お腹空いてる?」

「ふん!腹など空いてないわ。これは草を食べたから腹にきただけじゃ」


「やっぱりお腹空いてるじゃないか。我慢しないでうちに食べに来る?」」

家出マシロちゃんが夕食を作って待っててくれるからそこに一緒に食べにくればいい。


「魔王の我が平民の施しなど受けるか!」


「いらないの?じゃあ、僕はお腹空いてるし早く帰ってごはん食べよ」

この子は遠慮してこう言っているのかな?かまをかけてみる。

「ウソじゃー!我も食べるのじゃー」


「最初からそう言えばいいのに、いいよ。おいで」


「仕方ないの、お主がどうしてもと言うなら言ってやるのじゃぞ。飯に釣られたわけじゃないからの」


「はいはい」


まったく、素直じゃない子供だな。と苦笑する。


「ところで、このおしることやらは飲んでもいいのかの?」


「いいよ、冷めないうちにお飲み」


せっかくの熱々のおしるこだ冷めたら美味しくないからな。


「おっ、甘くて美味いのじゃー」


「そうか、それはよかった」


「このでっかい、箱の中におしるこがはいっているのか?」


「これは、自動販売機といって色んな飲み物が買えるんだよ。てか自販機だよ知っているでしょ?」


「いや、知らんな」

「え?そうなの?!」

そうか、もしかしたらこの子は海外の子なのかもしれないな。外国では自販機の文化が無いって聞くし。



少女を連れて公園近くの自宅マンションに戻るとマシロちゃんが出迎えてくれた。


「藤原さんおかえりなさい!あら?その子は?」


「ああ、いきなりで悪いんだけど、さっき公園で会って一人でお腹空いてるみたいだから連れてきた。ごはん食べさせてよ」


「あら、可愛いお客さんですね。わたしは構わないですよ。それより...」


「それより?」

マシロちゃんは言いにくそうに口篭る。

「藤原さんは小さな女の子が好きな方なんですか?」


「違うからね!僕はロリコンじゃない!」


危ない。よく考えたら見知らぬ子供を自宅に連れてくるって幼女誘拐?大丈夫かな僕。

下手したら親御さんに訴えられてしまう。行方不明届けが出てたりして。


「今夜の夕食はなにかな?」

連れてきたのはしょうがない。今は考えないことにしようと頭を切り換えて、今夜の献立を聞いてみる。


「今夜は寒いですからおでんですよ。」



「やった!」

この寒い冬はおでんに限るよな。マシロちゃんナイスチョイス!と心のなかでサムズアップする。


「おでん?」


ルナちゃんはピンときていないみたいだ。


「ルナちゃん、おでん知らない?」


「うむ、知らぬ」


「おでんはね、大根やじゃがいも、こんにゃくに玉子。ガンモに竹輪を鍋の中に一緒に入れておでんの元で味付けして煮て完成する、冬を代表する食べ物だよ」


「おお、それは美味そうじゃな」


「美味しいよ。さあ、中へ入って食べよう!」


「おお、この部屋、中がなんだかぬくいのーポカポカじゃー!魔道具で暖を炊いてるのか?」


「ああ、暖房のこと?エアコンだね、うちはオール電化だからね」



「おお!エアコンにオールデンカという魔具を使用しているのか。」


「わたしも最初は驚きましたけど、スゴイですよエアコン。暖かいです」

とマシロちゃんも同調する。


マシロちゃんもそうだったけど、まるで、暖房などの電化製品を初めて目にしたかのようなルナちゃんに少し疑問に思うのだった。



「いいから、早くごはんにしよう」

ダイニングテーブルにつき、器におでんをよそって貰う。

ルナちゃんはおでんの大根を箸で割いて頬張ると「はふはふ」言いながら食べる。


「慌てて食べなくても大丈夫だよ」


「うむ、美味じゃぞ、マシロ」


「それは良かったです。ありがとう、ルナちゃん」


「ふぅー美味かったぞマシロよ」


「はい、お粗末様です」


「なんとか落ち着いた落ち着いたみたいで良かった。もう一人で帰れる?」

夕食を食べたんだ家族の元へ帰さないとな。


「い、いや。ところでここって何処なんじゃ?魔界ではないのか?」


「まさかルナちゃんも馬飼から来たの?」


驚いた、マシロちゃんと同じ出身地だったなんて。

「そうじゃ、魔界の魔王城から来たのだ」



どうしよう!この子、厨二病設定がガチなんだけど。完全にキャラに成りきっちゃってるよ!自宅を魔王城って言ってるし。


もしかして、馬飼じゃなくて魔界!?そんなまさか……


一人で魔界ごっこなんてしてきっとこの子はきっと心に深い闇を抱えているんだ。話をあわせてあげないと



「藤原さん、この子の帰る家だけど、どうしますか?」


「仕方ない。交番の場所まで案内して後はお巡りさんに任せる方向になるのかな」


「もしよかったら一晩、この子を泊めてあげてくれないですか?」


「えー!知らない女の子を泊めるとか、何かあったらどうするんだよ?!」


「わたしを泊めている手前今更だと思いましけど」


「そう言われるとなー」


どうしよう、困ったな。


「なら、いいですね。決まり!あのお兄さんが泊めてくれるってさ良かったね」

「わかったよ。うちにおいで」

俺は、彼女に優しく手を差し伸べる。困って助けを求めている子を見放すなんてどうしてできようか。世間はどう思うか分からないけど、その時はその時だ。

困って、助けを求めてくる女の子をよろしくねと頼まれて、どうして拒めよう。こうして俺は、二人の厨二病少女との共同生活が始まったのだった。 












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