表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/5

1話 天使が舞い降りた!



俺の名前は、藤原ふじわら零二れいじどこにでもいる高校一年生だ。部活には所属していない。

放課後は、喫茶店でバイトを両立する生活をしている。


今日も、バイト帰り、夜に家でくつろいでいると、突然、ベランダでガタンと物音がした。


烏でも落ちてきたか?とベランダを覗くと、一人の少女が倒れていた。


「うわぁぁぁぁ!」

どうしてこんな所に女の子が?!し、死んでる?と困惑する心を落ちつかせて脈を見るとどうやら眠っているだけみたいだ。どちらにせよ、こんな寒空の下にさらしておくおわけにもいかずにとりあえず中へ運ぶ。


ベットに寝かせて、布団で暖めて風邪を引かないようにしないと。


暖かい。いつの間にかわたしは家に帰ってきて、自宅で休んでいるのだろうか?

魔王城の玉座の前にて、魔王と最終決戦をしようと言う時に勇者のユウトが魔導師のわたしを勇者パーティーからの追放を言い渡された。同然と立ち尽くすわたしをを尻目に皆、玉座の間へと入っていく。取り残されたわたしは、勇者パーティーを無能だと言われ追放されたから…


わたしは拠点であるシルバーテイルで気楽にスローライフでも贈ろう。気楽に商人でもやって生計を立てて暮らすんだ。そう思い転移したのに

……




「こっ、こはどこ??知らない天井だ…」わたしは、ここがどこかも分からず、自分が見知らぬベットで寝かされていることに気付き、困惑する。ふとベットの横に知らない男性が心配そうにこちらを見ていることに気付く。


「大丈夫?ベランダで倒れていたけど、空から落ちてきたの?」


「いえ、違います。」

拠点に転移したはずが、よそ様の家に転移してしまったんだ。

早くシルバーテイルに向けて転移しないと!


拠点に向けて転移したはずなのに、よそ様の家に誤って転移しちゃったんだ!

早く、シルバーテイルに向けて転移し直さないと!


「いえ、なんでもないです」くぅーっと可愛いお腹の音が聞こえる。



「お腹空いてるでしょ?菓子パンでよかったら食べる?」


空腹で倒れていたのか、でもなんでペランダで?

疑問は、残るが今は彼女にパンを差し出すことにした。

「えっ?仮死パン?」



「なんですかその怪しい食べ物は!デッドフードを勧めないでください!」


「なに、その危ないパンは!お菓子のパンだよ!」

食べたら仮死状態になるパンかな?そんなもの勧めるわけがないじゃないか!


「お菓子のパン?」


「そうだよ、菓子パン知らない?甘いクリームパンやメロンの味がするメロンパンとかあるんだけど、コロッケパンや焼きそばパンの惣菜パンの方が良かった?」


「甘いパンですかー、食べて見たいです」



「わかった。クリームパンとメロンパンのどっちがいい?」

両方のパンを見せてみる。実際に見せて選んで貰ったほうがいいと思ったからだ。


「それじゃあ、クリームパンでお願いします」



丁寧な受け応えにいい子だなと感心する。最近の若い子は初対面でも平気でタメ口で話すが、この子は礼儀がちゃんとしている。


「はい、どうぞ」

クリームパンを手渡す。

「ありがとうございます。」

彼女は、顔を綻ばせ、微笑むとクリームパンを手に取ると不思議そうに眺める。


「あの、普通のパンみたいですけど……」


「パンの中にクリームが入ってるんだよ。クリームパン食べるの初めて?」

不思議そうにキョトンとして尋ねてくる彼女。

まじまじ見ると目鼻立ちも整って銀髪のロングヘアーは、キラキラ輝いていて碧眼の綺麗な瞳と相まって、まるで物語に出てくる天使のような美しさでスゴく可愛い子だ。同い年か、一つ下の年頃みたいだ。こんな可愛い恐らく同年代の子を自宅に上げてしまい、ふたりきりの空間に緊張してしまう。


「はい、初めて食べます」


「riaryi?《本当》」

今の時代、クリームパンを食べたことが無いって、金持ちのブルジョアでこんな低俗な食べ物を食べない富裕層か、クリームパンも買えない極貧の貧困層のどちらかだろう。



銀髪の少女は、小口でパンを齧って「クリームがなめらかで優しい甘さで美味しいです。

こんな美味しいパン、食べたことが無いです!」と喜ぶ。


こんなクリームパン程度でこんなに喜んで貰えるなんて嬉しい。仮に彼女富裕層だとしてもいい子に違いない。だってこんなに美味しそうに食べてくれるんだから。


「わたし、マシロ。休ませてくれた上食事までご馳走になって頂いてありがとうございます」


「そんないいよ、ご丁寧に。」


「じゃあ、わたしはこれで失礼しますね。少し、道に迷ってしまっただけですから」


家出少女かな?魔法使いのようなファンタジックな服装だけど、コスプレとかかな?


「家はこの辺り?どこから来たの?」


「はい、魔界からです」


「えっ?今なんて?」


聞き間違いかな?愛知県の稲沢市祖父江町の馬飼かな?


「ずいぶん遠い所から来たんだね。」

他県から、わざわざ東京に?!なんでまた。

「はい、魔界の魔王城で魔王との最終決戦手前、勇者からパーティーを追放されてしまって…拠点へ転移しようと思ったんですが誤って貴方の家に転移してしまったんです」



あっ、聞き間違いじゃなかった。これよくあるWEB小説のファンタジー小説の追放モノみたいな設定だ。ていうか今、言っていることが本当なら、この子異世界転移してね?まさかな?異世界の美少女とかラノベやマンガとかでしか出てこないでしょ。


「すいません、お邪魔しました。それじゃあ、わたしはこれで失礼します。」


「え、大丈夫?帰れるの?」


「はい!シルバーテイルまで、ひとっ飛びですよ!」


詠唱すると魔法陣が出現するそして彼女は、ヒュンっと姿を消す。


次の瞬間、宙からベットの上にボフンと落ちてくる。

「え??」

何これ?イリュージョン?!種も仕掛けもにいのか?


「あれ?転移できない!」


彼女は困惑してみるみる顔が青くなっていく。


「あの、帰れなくなったみたいです…。」


「え?!今、何をしようとしたの?」

「は、はい。転移魔法をしようとしたんですが発動しなかったみたいです……」


「え?もしかして魔法が使えるの?」

もしかして、この子はほんとに…いや、まさかな。

「帰れるようになるまで好きなだけここ居たらいいさ!」

帰る宛の無い子をこのまま外へ放りだせるわけがない。


「え?いいんですか!?わたし、この家にいても……」


「うん、いいよ!君さえ良かったらだけど」

恐らくこの子はきっと厨二病の少女だ。きっと今は家出中なのだろう。今外へ放り出すのは危ないだろう。

どうやら人の性善を疑わないみたいだし、あぶない輩について行ったりしたら大変だ。


「ありがとうございます。この御恩は必ず返します!」


「いいって、そんなかしこまらなくても」

理想の女の子とはこういう子かな?僕の前に

突然、天使が舞い降りた!

こうして僕は、厨二病少女との共同生活をしることになった。この時は彼女正体を知る由がなかった。








読んでくれてありがとうございます。

2話目は、明日の16時頃に投稿します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ