男女問わずアレをするときに足があるのは当然でそれでバランスを取りながらシャーッといたすわけでありまして
エシア「こ、今度は森っすね……」(プルプルプルプルっ)
民家の外に出たと思ったら、今度は森に飛ばされてしまった。
後ろを振り向くと今通ってきたドアが無い。見渡す限り森!
あたしたちの旅の順路は、相も変わらず意味不明なのであります。
【洞窟スタート!!】→【家!(部屋)】→【森!(今ココ)】
どうしたらこの三か所が繋がるんでしょうかね~まったく。
ま、まったく……。
くぅっ……!や、やばっ――
エシア「……(プルプルプルプルプルプルっ)」
下腹部に手を当て、内股で震えるエシア。
リンネ「……いい加減我慢しないで行ってきなさ――」
エシア「おおおおお花積んできまっす!!」
ダダダダダダダダダダ――――ッツ!!!
膝をガクガク震わせていたエシアが、猛スピードで森の奥へ消えていった。
ドゴン!!バキバキバキッ!!バァーーーン!!!
途中にあった大木や岩を吹き飛ばしながら。
リンネ「ねえ貴方……」
お兄さん(……ああ、わかったよ)
…
……
数分後――
エシア「いやぁ~すみませんね。こればっかりは仕方ないですよね~アハハ」
リンネ「……」ボソッ
お兄さん「?」
僕の耳元でリンネが囁いてくる。
リンネ(大きい方だったみたい。匂いが移るから距離を空けましょ――)
エシア「聞こえてるから違うからやめてお願いっ!!」
(小さいほうですし……)
小声で呟くエシア。
エシア「って、お二人は大丈夫なんですか?あんな密室に閉じ込められていたんですから、そろそろ催してもおかしくは――」
リンネ「もう済ませたわ」
お兄さん(……)
エシア「そうですか、えっと……そうですか」
……えっ?
エシア(そのおんぶしたままの状態で?いやまさかね。色々と問題だもんね。匂いとか何から。ん?おいおいちょっと待てよ?)
あたしは脳内で、緊急会議を開いた。
その間わずか3秒の事である。
エシア(よく考えたらおかしいのではなかろうか?リンネさんは"足が無い"。その状態でいままでどうやって"アレ"をしてきたのだろうか?わからぬ、わからぬぞ!!……男女問わずアレをするときに足があるのは当然でそれでバランスを取りながらシャーッといたすわけでありましてだとしたらあたしに思い当たるアレの致しかたは横たわりながらこれが物理的に一番楽な方法なのでしょうがだとしたらリンネさんの服に草っぱ一つ付いている形跡が無いのは不自然であるわけでしてまさかぶら下がりながら?それならリンネさんでも服を汚さずにアレをする方法として納得できてしまう訳でいやもしくはやっぱり一度降ろして離れてから?でも近場に綺麗な地べたは無いわけでこの短時間に綺麗なポイントを確保できたとは考えにくいわけでオイオイまさかおんぶした状態でそのままじゃないでしょうな!?いやいや馬鹿を言えあたし、さすがにそれは変態がすぎるのでは――)
お兄さんの背中にいるリンネさんに目を向けると――
リンネ「ウフフッ♪」(ニタァアア)
エシア「……」
なぜか頬を赤らめ、口が裂けそうな程に満面の笑みを浮かべるリンネさん。
あたしは考えるのをやめた……。
…
……
3人が森を歩いて少し経った頃。
エシア「お兄さんお兄さん。あたしもおんぶ、されてみたいです」
リンネ「だめよ」
エシア「そこをなんとか!一瞬でいいので~!」
リンネ「あなたはそこらの木にでもぶら下がってなさいな」
エシア「さきっちょだけ!さきっちょだけだからぁ~!!」
リンネ「指一本触れてはだめ」
揉める二人。
エシアが彼の腕を絡めとり、背中のリンネがより強く背後から抱き着いた。
その時だった――
?「こらー!!お前たち何をしてるんだーー!!」
声の主に目を向けるとそこにいたのは――
獣人少女「"ご主人"を離せーーー!!!」
オオカミのような獣耳と尻尾を持った、肌の浅黒い少女だった。