第2回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞 への投稿作品
戦略機動宇宙要塞ボロアパート
突然、地球を侵略しにやって着たナゾの宇宙艦隊に襲われた。
地球防衛宇宙軍の奮闘およばず、地球の地表から文明は、消え失せていた。
侵略者が、何処からやって着たのかすら知らずに滅びるのは、あまりに口惜しい。
人類が最後の最期の希望を託して建設した戦略機動宇宙要塞は、ボロアパートに擬装されていた。
ボロアパートは、その巨大さから、地球の地表で建設していたが、見た目のみすぼらしさからか侵略者の標的にはならなかった。
ボロアパートは、全く効き目が無い武装は搭載せず、探索に特化して、受動、能動何でも御座れ、ありとあらゆる観測、計測機器を搭載していた。
ボロアパートは、遠くから侵略者に発見される事なく索敵し、侵略者の宇宙艦隊を追尾して、侵略者の母星の発見に心血を注ぐ。
偶然にも、侵略者に発見された際には、超超大型波動エンジンによる超長距離ワープにより、逃避に専念する。
有り得ない程にネガティブな戦法を主体とした作戦を旨としていた。
侵略者の宇宙艦隊の交信を傍受して母星の位置をつきとめるべく解析していた、ある日、遂に侵略者の母星を発見した。
ボロアパートの総司令官から全乗員に『本当』の命令が告げられた。
総司令官『波動エンジン臨界。侵略者の母星に向け最終ワープ。ワープ完了後、波動エンジン安全装置解除。波動エンジンを自爆させよ!』
超超大型波動エンジンが自爆したら、時空が裂け侵略者の母星は、星系丸ごと時空の歪みのモクズとなるだろう。
地球時間、大晦日の正午。地球地下観測所。
観測史上最大の時空震を観測した。