鍛錬と吸血
二人にもディーネにしたように言語設定の仕方を説明してようやく皆で話ができる。
「これでちゃんと聞こえるのか?」
「ちゃんと聞こえるよ。だい、違ったフォルも聞こえるでしょ?」
「おお!聞こえるな、それにしても体が動かし難いな」
「そうだね、神様にやめておいたほうがいいと言われるだけはあるね」
「そうだね〜この体かなり動かし難いね〜人間がコウモリになれば当たり前だけどね〜」
「とりあえず、私がやった体の動かし方とスキル修得する?最初、飛ぶと壁にぶつかって痛いけど」
「まず、体の動かし方か?スキル修得か?どっちがいいと思う?」
「このゲーム戦闘しなくても、何をしたかでスキル修得できるし、多分スキルの経験値も入るからまずは魔力制御からかな。そういえば皆スキル何にしたの?」
「私はミナちゃんと同じにして闇魔法だけ光魔法に変えたよ〜」
「俺もミナと同じにして闇魔法だけ炎魔法に変えたな」
「僕も闇魔法だけ土魔法に変えたよ」
「ならやっぱり魔力制御からだね、それから魔法を使ってMPがなくなったら歩く練習と飛ぶ練習をしよう」
皆、魔力制御を修得して魔法を使うと今度歩く練習をもくもくとこなしていく。
他のゲームでもそうだけどフルダイブ型のゲームは、そのゲームによって体の動かし方に癖というか違いがある。
この体の動かし方の癖をしっかり確認しないとトッププレイヤーになれない。
だからトッププレイヤーは皆ただ敵を倒すだけではなく基礎鍛錬の様なものにこそ時間をかける。
だから私達もしっかり歩く練習をする。
「そろそろ飛ぶ練習に変えるか?」
「そうだね、ようやく飛べるね」
「飛ぶには壁に登らないといけないけどね」
「そうなの〜?何で壁に登らないといけないの〜?」
「スキルレベルが足りないのか、元々コウモリが地面から直接飛べないのかは、わからないけど地面から直接は飛べないよ」
「そうなんだ、じゃあまずは壁登りだね」
皆で壁に登り、まずは私が飛ぶと「おおぉ〜」と歓声が上がる。
体を傾けてクルクル回り着地をしようとして失敗して地面を転がる。
皆も順番に飛ぶけど最初は曲がれないで壁にぶつかって地面に叩きつけられて「イテェ!」「イタイ!」「痛い〜!」と私と同じ事になっていた。
「あははは、やっぱり最初は曲がれないよね」
「ミナちゃんはどうやって曲がってるの〜?」
「思いっきり体を傾けるんだよ。少し傾けるだけだと曲がれないで壁にぶつかるし、壁に近すぎると曲がる前に壁にぶつかるんだよ。体を傾ける時最初はかなり怖いよ、少し高度下がるから落ちる!って思うし」
「よし!もう一回やるぞ!なんか綺麗に飛べないで壁にぶつかるとかなり悔しいからな!」
「HPほとんどないから次ぶつかったら死ぬよフォル」
「じゃあ私が回復するよ〜光魔法は回復魔法使えるから〜」
「今は無理だよ、MPないでしょう?」
「じゃあ吸血すればいいんじゃない?確かHP、MP、SP回復できたでしょ?」
「でもよ、噛まれた方がHPなくなって死ぬんじゃね?」
「お互いに吸血すればいいんじゃない〜?」
「できるかな?まぁやってみたらわかるか?」
「なら、僕とミナ、ディーネとフォルでいいよね?」
「さすがに噛みつくのは男同士はいやだし俺がミナにする訳にはいかないだろ。じゃあ始めるか」
月華と向きあってお互いの首を噛んで血を吸うと大好きなピーチティーの味がしてとてつもない違和感があったけど自分を鑑定するとHP、MP、SPが徐々に回復していた。
でもこれお腹がチャポチャポにならないかが気になるな。
全回復したから吸血をやめると3人がのたうち回ってびっくりした。
「どうしたの⁉何かあったの⁉」
「何かあったって回復するまで血をひたすら飲むんだぞ!クソまずいわ!」
「何でミナちゃんは平気なの〜?」
「これはいいスキルだけどなかなか辛いね」
皆は血の味が血の味のままだったから辛かったらしい、飲む前に流血設定いじるように言うの忘れてた。
「流血設定があって血の味変えられるんだよ。ごめん伝え忘れてた」
「おまっ!お前!もっと早く言えよ!」
「ミナが美味しそうに血を飲んでたから僕はかなり怖かったよ」
設定し直してもう一度皆で吸血すると皆は「これはこれで微妙」と言って皆で笑った。
それから、何度も魔法を使っては飛んで吸血する一連の動作を繰り返しているとフォルが
「左端の天井近くに穴があいてるぞここから出れるんじゃね?」
と言ったので皆で確認すると本当に穴があいていた。
「どうする〜?穴の先に行ってみる?それともまだ鍛錬する〜?」
「行ってみて敵を見てみてヤバそうなら戻ってきて鍛錬すればよくね?」
皆で行くか、行かないかで話あっていると、ピピピピッピピピピッとアラームがなった。
「アラームがなったから11時だよ、ログアウトして寝ないと」
「じゃあ今日はここまでだね。明日は日曜日だから一日できるしもう寝ようか」
皆でログアウトする。
大きく伸びをしてトイレに行っておやすみなさい!