精霊の愛し子はお母さんを助けたい
「名もなき聖女は幸せになりたい」の続編です
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ある満月の夜。
孤児院の前に、かごに入った赤ん坊が捨てられていた。
顔色は青白く血の気がない。
泣く元気もないのか、静かに眠っている。
かごの周りには、大量の妖精たちが群がっていた。
『どうしてボク達の魔法が効かないんだ!』
『愛し子が死んじゃう。どうしたらいいんだ!』
『ルカ様ーー!愛し子を助けてください!』
精霊ルカは人間の女性に変化した。
赤ん坊の手をとると、そっと頬をなでる。
「愛し子は病気にかかっているだけでなく、
生きる気力を失っています。
実の母親に捨てられたことに傷ついたのですね…
この傷は人でなくては癒せません。
誰か託せる人間がいればいいのですが…」
『ボク、良い人知ってる!強い力の聖女だよ!』
『えー、その子こないだ呪われて力を失ったよ』
『他にいないの?』『うーん』
「聖女エステルのことですか。
彼女に本来の力があれば適任でしょうけれど。
では愛し子に聞いてみましょうか。」
ルカはもう一度手を優しく握った。
「愛し子よ。あなたを愛し、
守ってくれる女性を私は知っています。
その人のところに行きたいですか?」
(おかあさん?)
「いいえ、違います。
でもあなたをたくさん愛してくれる人です。」
(ほんとう?わたしはいらないこよ?)
「本当ですとも。
あなたがくるのを待っていますよ」
(いきたい)
「では行きましょう」
月の光に照らされて、赤ん坊のかごが舞い上がった。
妖精たちは愛し子が無事であることを一生懸命祈った。
そして1年半後ーーー
「まま!ままっ!」
意識のない女性の顔を、愛し子が懸命に叩いている。
女性の腕は醜く爛れ、腐っているようだ。
息を切らせて男性が部屋に飛び込んできた。
「エステル!エステル、なんてことだ!
目を開けてくれ!」
「どいてください、まだ息がある!癒術をかけます!」
もう1人入ってきた男性が癒しの力で治療を始める。
愛し子はわんわん泣き出した。
(だれか、おかあさんをたすけて)
『愛し子がボクらを呼んだ!』『呼んだ!』
『ボクたちの出番だ』
『『『いっくぞーーー!!』』』
妖精1匹1匹は些細な力しかない。だが、100匹集まれば、強力な魔法を使うことも可能なのだ。
呆然とする男性たちを尻目に、妖精たちは愛し子の母エステルに魔法をかけだした。
腐った腕は徐々に元どおりになり、失った生気も戻ってきた。
やがてエステルが目を開けると、部屋の光景に呆然しながら説明を受けたのち、愛し子マリアを抱いて泣き出した。
「マリア、もう歩けるの?大丈夫なのね?
よかった!ああ、神様ありがとうございます」
「ないない!ないない!」
(おかあさん、なかないで。だいじょうぶだから)
号泣していた男性も抱きついてきて泣いている。
そのうち「僕は君のことが…」と話しだし、母は真っ赤になっていた。
もう1人の男性は、母に養女にならないかと話し、
母は喜んでいた。
そして月日は流れ、私マリアは9歳になった。
昔は体が弱くて何度も死にかけたらしいけれど、今はすっかり元気だ。
お母さんは、近々医師の試験を受けるそうで毎晩徹夜しながら頑張っている。
どこから話を聞きつけたのか、最近うちに本当のおじいちゃんを名乗る、でっぷり太った男の人がきた。
お母さんの勉強の邪魔だから、妖精に頼んで追い出してやった。
妖精たちはなかなか過激派で私が諫めないと怖い。
いざというときだけ頼るようにしている。
『聖女をいじめるような国、滅ぼしてやろうか』
『『『異議なーし!!!』』』
「やめてよ、フェルナンドさんが国をよくしようと頑張ってるんだから」
フェルナンドさんは、うちによく来るエライ身分のおじさんだ。
お母さんが大好きらしい。
国の次期宰相として毎日忙しいはずなのに、2日と開けずにうちにきている。
お母さんもフェルナンドさんのことを好きなのに、貴族に良い思い出がないらしく、結婚はずっと断っている。
私はフェルナンドさんをひそかに応援している。
お母さんをきっと幸せにしてくれると思うから。
決して話さないけれど、お母さんは移民の子だからと酷い目にあっていたみたい。
そんな国の人を救うために医者になるなんて、お人好しというかなんというか。
だから、お母さんには幸せになってもらいたいのだ。
『ねぇ、マリア。今幸せ?』
よく私のそばにいる妖精が尋ねてきた。
「幸せよ。お母さんが幸せならもっと幸せかな?
辛いことがたくさんあったから幸せになってほしいの」
『そうなの。じゃあ、ボク、もっとがんばるね』
「?よくわからないけれど頑張って」
その頃王宮では、王族の人間が頭を抱えていた。
王族に子供が産まれなくなってしまったのだ。
数年前に王太子が結婚し、めでたいニュースを国中が待ち焦がれていたのだが、王太子妃は妊娠すらしなかった。
同年代の友人たちが次々と子を産む中、
王太子妃イザベラは立場をなくして精神を病んでいった。
子供が産まれないことにはどうにもならない。
妃に問題があるのかと次々と側室を娶った。
そしてついに妊娠した者があらわれたが、
それは異国の王族から人質で嫁いできた側室だった。
浅黒い肌にブルネットの髪の異国の姫だ。
産まれてきた男の子は、髪と肌色こそ母親のものを受け継いだが、顔は王太子そっくりで瞳の色も王族の翡翠色だった。
よその種ではないかとなじっていた人間たちも 黙るしかなかった。
男の子はすくすくと育ち、翌年また異国の姫は身ごもり、女と男の双子を産んだ。
その間、王太子妃もほかの側室も誰一人として妊娠すらしなかった。
これは何らかの呪いではないかとささやかれるようになり、王太子妃と異国の姫を残して、側室たちは皆後宮をでていった。
ある日、心を病んだ王太子妃イザベラは、庭で散歩をしていた異国の姫と子供たちに刃物で襲い掛かった。
「ぎゃああああっ」
襲おうとした瞬間、イザベラの顔が燃え上がった。
痛みにのたうちまわる妃はすぐに取り押さえられ、
イザベラは生涯幽閉が決まった。
王太子妃の生家は爵位返上が決まった。
未来の王太子の殺害未遂は簡単に許されるものではなかった。
本来であれば、異国の民の容姿をした子などが王太子に選ばれることはなかっただろう。
しかし、子供が産まれない以上、今いる子供を立太子するしかないのだ。
時勢を読み違えた王太子妃と生家の面々は、さほど重い処分にはならないだろうと考えており、厳しい処分に唖然としていた。
王太子妃の生家の取り潰しが決まり、引っ越し作業が行われている晩、
マリアの家の妖精たちは揃って出かけようとしていた。
「?どうしたの?揃いも揃って、バンダナ巻いて。」
『今日は仕事があるの』
「その袖なしの服は何?どこにいくの?」
『『『秘密』』』
「秘密なの?仕方ないなあ、気をつけてね」
そして、王太子妃の生家キルシェ家。
マリアの母エステルが一時期暮らした家でもある。
キルシェ家は取り潰しが決まったものの、領地以外の財産没収は免れていた。
宝飾品や美術品を売却すれば当面生活に困らない。
エステルの父母と兄ロデリックはなんとか体面は保てると思っていたのだが…
『ロケットランチャー部隊!前へ!
打てえええ!!!』
ドンという鈍い音とともに館が大きく揺れた。
慌てて全員が外に出ると、屋敷の正面はぎっしりと小さな竜に埋め尽くされていた。
妖精を背にのせた小さな竜は、炎の球を次々と吐いていく。
ドカン!!ドカン!!ドカン!!!
館は轟々と炎上し、見る影もなく崩れ落ちていく。
『弓兵隊!前へ!打てえええ!!!』
ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!
武装した妖精たちが一斉に火のついた矢を放った。
美術品や家具を乗せた荷車や馬車も炎上しだした。
使用人も馬も死にものぐるいで逃げ出した。
『もう人いないよね?
では、機関銃部隊!打てえええ!』
ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!
毒々しい色の巨大な花が大量に種を撒き散らしていく。
わずかに残った館の残骸も撃ち抜かれ、崩れていった。
同時刻、イザベラが幽閉される予定の塔も攻撃を受けていた。
妖精を見ることができない人々にも、異世界の竜や植物たちは見えたので、その光景を見て住民は震え上がった。
誰もが、神話の精霊の怒りを買い一夜にして滅んだ国の話を思い出した。
翌朝、火事が収まった跡には何も残っていなかった。
実はキルシェ家は移民を虐待することで悪名高い一族だった。そのため、移民の神の怒りを買ったのだと人々は口々に噂した。
王家は、王族の持ち物である塔まで攻撃を受けたことを重く見て、翌年移民の国バジャール国と正式に国交を結び、神事を共同で行った。
国交を結んだ祝いとして、国で産まれた移民の子もしくは一定期間居住した移民は、その権利を国民と同等にすると発表した。
キルシェ家の3人は身一つで生活を始めなければならなくなった。ケンカがたえず、酒の量も増え、エステルの父と兄は酒浸りになり早逝した。
義母は晩年をあばら家で1人寂しく暮らした。
元王太子妃イザベラは、北の極寒の修道院に入れられた。逃げ出すこともできず、その地で生涯を終えたそうだ。
『あーいい仕事したなあ』
『ボク、もっとやりたかった!』
『ボクも!顔の横にナイフをグサっと刺して、二度と聖女に近寄るなって言ってやりたかった!』
「何、物騒な話してるのよ。今日は王宮に行くんだから変なことしないでよ」
『『『はーい』』』
神の怒り事件のころ、エステルはギリギリで医師試験に合格し、この国で2人目の移民の医師になった。
1人目の医師は、マリアの免疫疾患を治してくれた、おじいちゃんの医師だ。
彼は異国の姫の侍医として度々王宮に上がっていたが、何せ歳なもので引退してエステルが引き継ぐことになっていた。
本来ならばマリアは留守番だ。
けれど、殿下たちに子供の遊び相手がいないことを知ったエステルが上に許可をとり、マリアを連れて行くことにしたのだ。
王宮は広すぎて迷路のようだった。
異国の姫の部屋は、後宮の奥の日当たりの良くない場所にあった。
「ロレイン様、入ります」
付き添いのフェルナンドが声をかけて入ると、ソファに妃と子供たちが座っていた。
全員が目を見開いて、何かびっくりしたような顔をしている。
エステルとマリアが自己紹介すると、気を取り直したように妃も名乗ってくれた。
「……失礼しました。
私はロレイン・アグラ・イレーナと申します。
こちらは私の長男エドワード、
こちらは双子のアルフレドとナディアです。
この国で同胞でしかも女性の医師にお会いできるとは思ってもみませんでしたわ。
どうぞよしなに」
大変気の強い姫だと聞かされていたエステルは、
ロレイン妃の柔らかい物腰に拍子抜けした。
おそらくこちらがロレイン妃の素顔に思える。
この方も後宮で戦ってきたのだろう。
エステルと先輩の老医師は、
丁寧に妃と子供たちの健康診断をおこなった。
常に毒殺や暗殺の危険があったと聞くロレイン妃と子供たちだが、今のところ無事のようだ。
診察を終えるとロレイン妃が話しかけてきた。
「失礼ですが、あなた方はなぜ、そんなにたくさんの妖精を連れてらっしゃるのですか?」
エステルとマリアは固まった。
先ほどの態度はそのせいだったのだ。
「マリアさん、わたくし、
その肩に乗っている子に見覚えがあります。
エドワードが毒入りの菓子を食べようとした時、
その子が叩き落として事なきをえたことがあります。
私が他の妃から嫌がらせで硫酸の入った香水を送られた時も、ビンごと割って使わせないようにしてくれました。」
「私はてっきり我々の守護精霊なのかと思っていたのですが、あなた方が力を貸してくださっていたのですね。
ありがとうございます、あなた方が助けてくれなければ私たちの命はとうになくなっていたでしょう」
エステルとマリアはびっくりしながら、小声で会話した。
(マリア、妖精たちに何か頼んだ?)
(頼んでないよ!お母さんが幸せになりますようにって言ったくらいだよ!)
妖精が見える人に悪人はいないと精霊様は言っていた。マリアが精霊の愛し子であることはわずかな人間しか知らないが、ロレイン妃には話しても大丈夫な気がした。
正直に事情を話すと、ロレイン妃は微笑んで言った。
「……そうですか。お母さんに幸せになってほしいと。
それなら妖精たちが我々に味方した理由もわかる気がしますね。
エドワードは大変優秀な子です。
王になったら、この国から移民差別をなくしたいとよく言っています。
時間はかかるでしょうが、きっとこの子ならやり遂げてくれると私は信じています。」
エドワードは顔を少し赤くしていた。
ロレイン妃はマリアに向きなおって言った。
「マリアさん、精霊の愛し子は我がバジャール国では
現人神として祀られています。
王族も頭を垂れる、はるか格上の存在です。
愛し子を手にかけたばかりに一夜にして滅び、
大陸上から消えた国もあるくらいですよ。
マリアさんが望むのなら国を滅ぼすことも可能でしょう。それくらい強大な力をもった存在なのです」
恐ろしい話にエステルとフェルナンドは、顔を引きつらせた。老医師は空気と化していた。
その後ガゼボに場所を移し、エドワードとマリアは話をした。
エドワードは身の上話を語った。
「母上は人質としてこの国にきたんだ。
侍女もつけてもらえず、大変な暮らしだった。
私が産まれてからは毒殺に怯えて、
まともに食事も取れなかった。
妖精たちがいなかったら、死んでいたと思う。
差別をなくしたいとは言ったが、
本当は母上と弟たちを守りたいだけなんだ。
王になりたいのはそれだけが理由だ。
…マリアさんにお願いがある。
どうか私に力を貸してくれないだろうか?
私には後ろ盾がない。差別をなくしたくとも
法案一つ通らないだろう。
私にはあなたの力が必要なんだ。」
マリアはポツリと話し出した。
「私ね、ほんとはね、
ずっとこんな国滅んじゃえばいいと思ってたの。
移民だからって学校にも通えない。私の言葉がおかしいからって、遊びにもいれてもらえない。
怒りで目の前が真っ暗になって、
何もかも燃やし尽くしてやりたいって思ったことは何度もあった。
でもね、お母さんが悲しむと思ったらできなかったの。
お母さんだってたくさん酷い目にあったのにね。
お母さんはね、理不尽な目にあっても
怒りはグッと堪えて、別のものにエネルギーを向けるか、冷静に反撃しなさい、
それができないなら、正しく反撃できる時を待ちなさいって言うの。
私ね、もしかして今がその時じゃないかと思うの」
マリアは立ち上がって言った。
「エドワード、私は4つも年上だけどあなたの妃になるわ。
王族になって、こんな国絶対に変えてやる!
エドワードみたいな最高にカッコいい王子様と結婚しましたって、意地悪女どもに見せびらかしてやる!」
エステルは紅茶を取り落とした。
「マリアーー!何を言ってるの?!」
「マリアさん、僕は力を貸して欲しいと言っただけでそういうつもりでは!」
エドワードは真っ赤になり、エステルは青くなった。
まんざらでもなさそうな我が子の様子を見て
ロレイン妃は上品に笑っていた。
その晩、フェルナンドが家に泊まりにきて、夜遅くまでエステルと話していた。王族と結婚するには身分がなんたらと難しい話をしていた。
翌朝、フェルナンドはマリアの手を取って言った。
「マリアちゃん、私は君のお父さんになりたいんだ。許してくれるかい?」
「いいよ、お母さんを悲しませないでね、必ず幸せにしてね!」
「わかった。必ず幸せにすると約束するよ。マリアちゃんのことも幸せにするからね」
泣き虫なエステルは、それを見て泣いていた。
今日はお母さんとフェルナンドさんの結婚式だ。
雲ひとつない青空の下、結婚式は行われた。
司祭様はフォスおじいちゃんだ。
フォスおじいちゃんは、昔お母さんが聖女だったときにお付きの人をやっていたらしい。
そんな人が今神殿で1番偉い人をやっているなんてすごい。
「伝書鳩生活に疲れてね。上を目指すことにしたんですよ」って言っていた。
お母さんはドレスを着るのが嫌で、必死になって逃げまわっていたけれど、とうとう捕まって今日は大人しくしている。
お母さんは自分のことをブスだと思ってるみたい。
フェルナンドさんが毎日褒めちぎって、最近自信回復してきたような気もする。
フェルナンドさんは公爵家嫡男だそうで、参列者も貴族の人ばかりだ。
フェルナンドさんのお父さんとお母さんは、これでようやく孫の顔が見られると早々に泣いていた。
お母さん側の参列者は、おじいちゃん先生とロレイン様とエドワード、アルフレド、ナディアと、あとは病院の生徒たちがいっぱいきていた。
富めるときも、貧しいときも、
健やかなるときも、病めるときも、
あなたを愛し、あなたを敬い、
生涯をともにすることを誓います
2人の誓いの言葉が教会に響く。
…結婚をここに認めますとフォスおじいちゃんが言うと、参列者は皆歓声を上げて立ち上がって拍手した。
ドンドンと外から音がする。
『飛行隊前へ!前進!』
何やら外が騒がしい。
外に出てみると、空に白竜が隊列を組んで飛んでいた。
白竜は首に花冠をつけていて正装してるつもりのようだ。
先頭の竜には妖精ではなく、人が乗っている。
キュイっと鳴くと、一斉に宙返りした。
飛んだ後に水蒸気の雲が残っている。
子供たちも大人たちも大歓声をあげていた。
白竜たちがこちらに近づいた時、
竜に乗った女性が、帽子を脱いだ。
長いプラチナブロンドの髪が風にたなびく。
真紅の異国の衣装をはためかせて、こちらに手を振っている。
その微笑みは誰かに似ていた。
「お母さん!!」
花嫁衣装の母が叫ぶ。
ボロボロと目から涙が溢れている。
お母さん?誰のことだろう?
「マリア、あなたのおばあちゃんがね、
会いにきてくれたのよ」
お母さんは震える声でそう言うと、しゃくりあげながら泣いていた。
白竜たちは何度か曲芸を披露すると、
西の空へ消えていった。
その後、お母さんと私は、フェルナンドさん改め、お父さんの家に引っ越した。
貴族に良い印象はなかったけれど、おじいちゃんもおばあちゃんもとても優しかった。
エドワードとはまずは友達から始めて文通をしている。字が下手なのが恥ずかしくて練習中だ。
そうそう、新婚旅行で3人で色んな国にもいったんだった。コブ付きなんて嫌だと言ったのに連れて行かれた。国交のない国もあったのだけど、妖精たちを引き連れていくと大歓迎された。
いくつかの国では、これを機に国交を結び、私が親善大使をすることになった。まずは外交実績を積んで外堀を埋めると言っていた。なんのことかわからないけれど必要なことだそうだ。
え、結局私はどうなったかって?
お妃教育は吐くほど大変だったけど、
私は逃げなかったとだけ言っておこう。
『『『『 めでたし!めでたし! 』』』
Fin
お読みいただきありがとうございました
ざまあが希望通りにならなかった方、すみませんでした!