異世界への人事異動は適材適所??
普通のOLと上司のはずだった二人、ちょっとしたハプニングで異世界へ異動?!二人の関係と冒険(するのかな?)を生暖かく見守ってやってください☆
『ああ・・・なんで、こんなことに・・・』
二人はほぼ同時にそれぞれあさっての方を向いてため息をついてつぶやいた。
抜けるような桃紫色の空。
方角を調べて現在地を探すどころか、頭上には太陽が2つ輝いていた。
もちろん、スマホなんて出したところで、電波など来ているわけもなく。
比較的短めの髪の女性が少し離れたところで、同じく途方に暮れている様子の男性に話かけた。
「課長。ここどこでしょうか・・・?」
課長と呼ばれた男性が困惑した様子を抑えたような口調で、
「・・・会社じゃないことは確かだろうね」
課長と呼ばれる割に若そうな印象である。
ちょっと神経質そうな理知的な目が眼鏡の奥に見える。
「確か、あの時は会議中に留守番をしていて、その時地震が」
そう。
二人は会議の合間に買い出しに行った人間の代わりに留守を預かっていたはずであった。
「お茶入れ替えますか?」
「そうしようか。じゃあ片付け手伝おうか。」
「いえ、大丈夫ですので、課長は資料の整理を・・・あっ・・・!!地震!!!」
「これは大きそうだね、テーブルの下に隠れて!」
次の瞬間、横揺れが縦揺れに変わったかと思うと、後ろのロッカーや資料用戸棚が倒れかかり・・・、
「危ない!!」
課長は手を引っ張り、背中でかばって・・・
いたところで、二人の記憶は途切れている。
意識を取り戻し、目を覚ますと目の前は会議室でなく、同僚や上司達も見当たらず、見たこともない桃紫色の空が広がっていたのであった――――・・・。