第六話
「ふん、くだらん」
と吐き捨てたババアはミクロンと彗星王子に背中を向け宇宙船へと足を運ぼうとしていた。
「ま、まて!」
「あ?」
「ババア! お前何が目的なんだ!」
「ああん? 痛めつけられた分際で随分生意気な口を聞くじゃないかミクロン!! だあれがババアだって!!!」
「名前知らねーんだから仕方ねえだろババア! そんなにババアと呼ばれたくなかったら名乗りやがれ!」
「ふっ! なかなか狡賢いじゃないかミクロン。誘導しようったってそうは問屋が卸さないんだよ!!」
「ちっ、ちきしょー!!!」
「ミクロン君! ババアてめえ!!! うぐぅ!!!」
「彗星王子!!! がはぁ!」
「懲りない馬鹿共めが……僕が念動力を使える事を失念していたようだね」
「「ぎぎぎ」」
「じゃあな!」
念動力にて二人を地面に叩きつけ更に押さえつけたババアは今度こそ宇宙船に足を運ぼうとしていた。
「「ぎぎぎ」」
「はっはっはっ!」
『そこまでだ!!』
「何だお前は?」
「「??? あんたは一体?」」
『まずは初めましてだ、俺は太陽王子。宜しくな』
「「はあ…初めまして。こちらこそ宜しくお願いします?」」
『済まなかったな二人とも! 奴との戦いは宇宙空間で行わなければ地球が壊れてしまうから今まで機会をうかがっていたせいで助けに入れなかったんだ』
「「何が何やら……」」
『あのババアはダークネスと言って俺の親父“太陽王”の因縁の相手なんだよ。出来れば二人を巻き込みたくなかったんだが、ダークネスを地球から引き離す為には泳がしておく必要があった。そして上手い具合にミクロン君を隠れ箕としたダークネスは地球を飛び立った。家の事情に巻き込んでしまい悪いが俺がダークネスを倒すまで我慢してくれ』
「「はあ……」」
「あの男の息子? お前が?」
『いくぞダークネス!!! 最高の力で終わらせてやる!!!』
「ほざけ! お前程度の小便臭いガキが」
◇
月面から宇宙空間に飛び出した太陽王子とダークネスの戦いが始まった。生き残れるのは一人だけのサドンデス!! 果たして勝利の美酒に酔いしれるのはどちらなのか!!
一方、置いてけぼりを食らったミクロンと彗星王子はというと……
「「スヤスヤ……」」
出来る事もないし、動けないので諦めて寝ていた
◆つづく◆