第二話
「知らんがな」
「ええ!?」
「ねえ……どういう事かなぁ……」
「ひいっ!」
ミクロン絶体絶命到来! なんとドラゴン爺さんも知らない事が判明し、例の冷たい冷たい視線がミクロンの意識を奪いかけたその時であった
「何かお困りのようだね?」
ミクロンの救世主が現れたのだった
◇
「あんたは?」
「私は彗星王子。話しは聞かせて貰ったよ。そこの子が太陽王の所に帰る方法だね?」
「まさか知っているのか?」
「ああ」
「やったぜおい! 帰れるってよ! 良かったなあ!」
「うん!」
ミクロン大勝利! 帰れると知った男の子の顔から冷たい表情が完全に消え去った事を確認したミクロンは満面の笑みを浮かべる
良かった良かった! 本当に良かった! もう二度と人助けなんてしてやるか! ヴァ~カ!!! と今回の教訓を胸に刻み込んだミクロンは帰路につこうとしたが……
「おいおい、一体どこに行くんだい?」
「どこって帰るんですよ。もう自分の役目は終わった訳ですしね!」
「やれやれ何を言っているんだいキミは?」
「はあ?」
「キミはこの子の仮の保護者になっている訳だから最後まで見届ける義務があるだろう? さあ行くよ」
「え」
「ミクロンは一緒に来てくれないの?」
ゾクッ
ミクロンは戦慄する。今までに感じた事のないくらいに冷たい表情を浮かべる男の子に本能から恐怖しているのだ
「ねぇ……ミクロン……ねぇ……」
ピタッ―――
気がつくと男の子がミクロンの隣に
「え」
ペロッ――
耳を舐められたミクロン。そして
「ミクロン……一緒に……行くよねぇ?」
耳元でなまめかしく囁かれたミクロンは
「行くよ! 一緒に行くに決まってんダロォ!!! ナッ!」
「うん!」
ついに屈してしまったのだった
◆つづく◆




