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中編 アンティークアールの真実

「…ここは…?」


見ると、私と同じくらいの年の男が1人。




「あ、良かった。目を覚ましたんだな!」




その男は笑顔で話しかける。

…なんとなく分かった。彼は私を助けてくれたのね。

ん?でも何かがおかしい。




「なあ、パン食べないか?俺の畑の小麦で作ったんだぜ。」

「え?」

「あ、もしかしてパン知らないのか?こうやって食べるんだぜ。」


彼がパンを食べる様子を、ぼんやり見つつ考える。

…あれ?敵のアンティークアールはどうしたの?

どうやって彼は私を助けたの?


「ねえ、あなた。一つ聞きたい…」

「レティング。」

「あ、私はセスナ。ねえ、一つ聞きたいことがあるんだけど…?」

「聞きたいことは分かってるよ。ほら、パン食べとけ。話してやるからさ。」




パンを食べつつ、私は彼の話に耳を傾ける。…このパンおいしいわね。




…え、彼がアイツを倒したの?




「あなた、アレを操作できたの?」

「ああ、下手だったけどな!」

「ありえないわよ。」

「え?」


「だって、アレには現地の人に悪用されないよう、認証システムがついていて…。」

「認証システム?」


「まさか…!」

「え?」


「いえ、本人認証は、DNAの一部を使って行うの。

 あなたがアレを動かせたってことは、あなたと私のDNAの一部が一致している。ということは…」

「DNA?」

「あ…いえ、何でもないわ。」

「あはは、ごめんな、俺頭悪いから。」




「なあ、俺も聞きたいことがあるんだけど。」

「何?」

「お前さ、どこから来たの?」

「あ…ええ。いいわよ、話すわ。」




私は未来から来た。

そこでは、世界を支配しようと目論むテクジー軍と、私達の世界連合軍が戦っていた。

その戦いの途中で、テクジー軍は「アンティークアール」という、

二足歩行の巨大ロボット…まあ、人形ね…の開発に成功した。


「あ、アンティークアールって、あの剣を持った人形だけの名前じゃなかったのか。」


それに対し私達は、戦車や戦闘機で対抗した。

…あ、戦車っていうのは、馬車に強力な弓矢がついた感じで、

戦闘機っていうのは、空飛ぶ馬車で、石の強化版を落として敵を倒すものよ…




確かにアンティークアールは脅威だった。

けど、物量に勝る私達に押し切られてしまった。


そして、戦いは終盤…。

最後の最後に、テクジー軍は「時空転送機」という、

過去へ行ける機械…まあ、カラクリと言ったら分かるかしら…を作ってしまった。




そしてテクジー軍は、3体のアンティークアールを過去の世界へ送り出した。

歴史そのものを支配するために。




世界連合軍は焦ったわ。

なんとか時空転送機とアンティークアール一体の奪取に成功し、少し改修した後、私が送り出された。




「…で、なんでお前になったんだ?」

「そうね…それを説明するにはまず、時空転送機の短所を説明しなくてはならないわ。」




そう。時空転送機にはデメリットがあった。

普通の人間がそれを使うと、転送途中の超負荷に耐えられず死んでしまうのだ。




「ん?でもお前も敵も生きてんじゃん。」

「あ、実はね、敵のアンティークアールには、人が乗っていないの。」

「は?」


そう、敵はAI操作…まあ、人間と同じように考えられるってこと。

つまり人間はいらない。

だから時空転送機のデメリットは気にならない。

でも、世界連合軍にはその技術がまだなかったし、奪取も失敗した。

けど、人が操縦できるようにはできた。

唯一、私だけ超負荷に耐性のあることが分かって…私が選ばれた。




「そして私はこの時代にたどり着き、まず一体を倒したの。

 けど…いくら超負荷に耐性があるといっても、ひどく体力を消耗してしまってて…。

 二体目の時、気を失ってしまったの。」

「で、俺がその二体目を倒したってわけか。

 …じゃあ、あと一体だけじゃないか。はは、楽勝だな!」




「…いえ、そういうわけにもいかないの。」

「え?」

「最後の一体だけは特別。」




だって、闇雲に破壊活動をしても、テクジー軍が支配できなきゃ意味がない。

テクジー軍の歴史とするために、テクジー軍の「支配者」が必要となる…。

そう、最後の一体こそ、その支配者なのだ。

今までの二体は、その一体を補佐する駒でしかない。

そして、その最後のアンティークアールの名は…

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