プロローグ
VR、ここ数十年でその技術は格段に進歩した。それは奇跡と言っていいほどに進歩を遂げた。医療、教育、経済、娯楽。これらの全ては、VRの技術によって急激に便利になっていき世界はそれなりの平和を手に入れることに成功。
しかし、化学が進化すればそれと同時に増加するものもある。『犯罪』だ。VR技術という誰でも手軽に使え、尚且つ汎用性の高い代物は、悪事に利用すれば大事件だって簡単に起こすことが出来る。
実際、VRの進歩と共にそれを利用した犯罪は年を追うごとに増加している。病院のシステムへハッキングを仕掛ける、仮想空間の学校へ侵入しスクールジャックを起こしたりと様々だ。
そんな電脳犯罪を見かねた政府はある組織を立ち上げた。政府公認対電脳犯罪特別機動隊、通称『ブレインガーディアン』。
『ブレインガーディアン』は対電脳犯罪のエキスパートであり《蜘蛛の巣》の異名を持つハッカー、人類最高の身体能力を持つ《暴君》と呼ばれる刑事、二百五十を超えるIQを持つ《全脳》の二つ名を持つ指揮官など、少数精鋭で組まれている。
彼らの眼から逃れた者は、創立から十五年経った今でもゼロ。まさに電脳犯罪の最後の切り札と言える。
そして、ある日そんな彼らにあるニュースが二つ舞い降りてきた。一つは新作VRMMO『Black World Online』略してBWOがとあるハッカー集団により乗っ取られデスゲームへと変貌した、というものだった。そして二つ目は、メンバーの一人が大型休暇の際にそのゲームをプレイしていた、というもの。
これを受け『ブレインガーディアン』はBWOに囚われた銭型に民間人を死守するよう命令を下した。
これは、BWOに囚われた『ブレインガーディアン』メンバー銭型八郎が首謀者を見つけ出し、休暇が潰れた恨みをぶつけるまでのお話。
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