束の間1 台車で池!
一発ギャグです。すぐ終わります。
今、池からちょっと離れたところに三人がいる。
宮園は台車に乗り、台車の後ろには今にも押そうとしている佐伯がいた。
もうお分かりだろう。台車を勢いよく押し出し池を飛ぶ、それだけだ。
佐伯の合図が始まった。
「3」
「2」
「1」
「ゴー!!!」
宮園と佐伯が叫び、佐伯が勢いよく台車を押してそのまま走りだす。
台を両手でしっかりつかんで体育座りをする宮園。
どんどん高村から二人は離れていき、池に近づく。
「おおおおおおらあああああああああ!!!!!!」
佐伯の雄叫びが響き渡る。
そして台車の前輪が地面から空中に。
やったか!?
そう思った三人だが……
これが全然駄目。そりゃそうだ。
人が押す程度のスピードで飛べるわけがない。
飛び出された、というよりも
勢いよく前のめりになって落ちた、という方が正しいだろう。
「全然だめじゃねぇか」
高村が笑いながら突っ込んだ。
「おい! 宮園! これっぽっちも飛んでないぞ!」
佐伯が池にいる宮園に叫ぶ。
「くっそ~、やっぱり人が押す程度じゃ駄目か!
いつか、いつかまた再挑戦してこの池を飛び越すぞ!」
「オー!!!」
ガッツポーズをする宮園と佐伯。
失敗したのにもかかわらず、二人の表情は何とも輝かしい笑顔に満ちていた。
「台車が可哀想だな……」
一人、彼らの下らない企画に使われる台車を不憫に思う高村だった。
風邪ひいたかもしれんな