橋って飛び込め! 罰ゲーム編
パート2まで続きやがったクソゲームも終わり、
いよいよ罰ゲーム執行。
舞台はついこの前、宮園が格好良くダイブしようとしたら滑って落下したあの橋。
今度は佐伯がパンツ一丁になっている。
「さて、今日は罰ゲーム執行日だ。佐伯もご覧のようにパンツ一丁になっている」
「はぁ~、嫌だなぁ……」
「罰だからな、仕方がないね」
「あんなクソ不味いもの飲まされて今度は橋からダイブだもんなぁ」
「大丈夫だって佐伯。お前なら。なっ」
「なって……」
手すりの上に乗る佐伯。
前回の宮園のように助走をつけてダイブでは無く、普通に飛び込むようだ。
いざこういう場面になると、テンションが上がりはじめる佐伯。
「よーし、前方宙返りして飛び降りてやるよ!」
「お! 良いね、お前は大丈夫かな?」
「俺はお前みたいにヘマはしないさ!」
「よーし言ったな、見せてみろ!」
「見てろよ~! 行くぞ!」
「せーの!!!」
と叫ぶと同時に佐伯は前方にジャンプし、宣言通り体を一回転させ、
そのまま頭から綺麗に、水面と体がほぼ垂直になるように飛び込んだ。
「おお~!!!」
「すげぇな、さすが」
「よおおっしゃああああ!!!!! 見たかぁああぁあ!!」
水面から顔を出し、叫びながら力強くガッツポーズする佐伯。
橋から宮園の拍手の音が聞こえた。
今度は佐伯がカメラを持ち、高村がパンツ一丁になる。
嫌々手すりに上がる高村を見ながら、宮園は不気味に微笑んだ。
「んじゃ、俺が合図」
「待て待て待て。そうはさせないぜ。前のような事はごめんだ」
宮園の言葉を遮って高村が言う。
やれやれ、といった表情で宮園が言った。
「分かった、分かった。好きなタイミングで飛び込め」
「頼むぜリーダーさんよ」
「ハッハッハ」
しばらく時間が経つと、高村がやっと決心が付いたのか言った。
「よっし、じゃあ飛び込むぜ!」
「せーの!」
と高村が言った瞬間宮園が高村に走り寄り彼を押した。
またもや宮園にいきなり落とされる高村。
「おおおおおおおおい!!!!!」
という叫び声がどんどん遠くなる。
そしてドボーンと大きい音が聞こえた。
爆笑する二人。
「おい!」
水面から顔を出した高村が橋の上にいる宮園に話しかける。
宮園は手すりから顔を出し、応答する。
「どうした?」
「背中がいてぇ!」
「ハハハ、悪かったな!」
「くっそ、何でこうも俺は簡単に信じてしまうんだ!!」
高村の言葉でさらに爆笑する二人。
またやられた、と悔しそうな表情で橋の上の宮園を見る高村。
「さてと、あっさり終わったな罰ゲーム」
「ホントだよ。これならマジで降参してこれだけやって終わらせていれば良かった」
「それにしてもお前のあの飛び込みは決まってたね」
「格好良かったろ?」
「でも高村あれ撮り損ねたって言ってたな」
「マジで!?」
「嘘だよ」
「何なんだよ!!」
「んじゃ、ここらで終わりにするか」
「まだ終わっちゃあいないぜ」
高村が突然声を上げた。
「そうそう」
佐伯も同意し、突然宮園を取り押さえる。
突然の事に少し混乱する宮園。
「なんだなんだ? あ、バカ野郎お前ら!」
宮園は二人のねらいに気づくも時すでに遅く、
カメラを置いてやってきた高村に押されて手すりに追いやられ
そのまま川へと身を落とされた。
ドボーンと落下した音がなると同時に爆笑する佐伯と高村。
水面から顔を出し宮園は悔しそうに叫んだ。
「ちくしょ~やられた!! ハハハハハ……!!」
ごく普通の橋の上で笑いに満ちた空間が出来上がっていた。
トンカツ美味かった~