煮込煮込して苦汁を飲め! 探索編
花を吸ったことがあります。
しかし、お世辞にも良い味とは言えませんでしたね。
舞台はまた宮園家の庭。近くには第一回で飛び込んだあの池がある。
「どーも。宮園です」
「佐伯でぃーす」
「高村です」
「さて、今回もまた調理しようと思うんだ」
「何かボウルを持たされてるけど、どうすんのこれ?」
「あぁ、それは企画発表時に説明するから」
「っていうかまさか、またドッキリじゃないだろうな。ちょっと警戒してるぞ」
「安心したまえよ、ハッハッハ」
「お前の安心しろは不安を煽るよホント」
「こらこらそんな事言うんじゃない」
「で、今回の企画は?」
「よくぞ聞いたテングマン高村。今回の企画はな」
息をのむ佐伯と高村。宮園から出た言葉は…
「名付けて雑草リポート!」
佐伯は疑問符が頭に浮かんでいるようだ。
一方高村の方は非常に不安そうな顔をしている。
「え? 何すんの?」
「まぁ簡単に言うとそこらへんの雑草を何か適当に調理してリポートしてみようという企画だ」
道ばたにある雑草はよく『見たこと』はある。
しかしそれを『食べたこと』は無いだろう。
だからこそ宮園はこの企画を思いついたというわけだ。
良い子も悪い子も絶対にマネしないでね。
「……マジ!? ハッハッハ何だそりゃ!」
理解をしたのか笑い出す佐伯。余りの馬鹿馬鹿しさに笑いを耐えられなかったか。
「なるほどね、このボウルは雑草集めるためだったのか」
「そういうことだな」
「あの時の白い毒もそうだけど、雑菌とかどうなのさ。
白い毒は奇跡的に何も無かったけど」
「大丈夫だ、加熱すれば菌なんてほとんど死ぬから」
「その調理する雑草とやらは、そこらへんので良いの?」
「もちろん。それじゃ、それぞれ別れて草を採りに行ってくるけど、
さっきから無言の高村君、準備OKか?」
「……あぁ」
「よーし、じゃ早速スタートだ。高村は佐伯の方を撮影しててくれ。
俺一人で取ってくるから。ボウル一杯になったら、
この場所で待っててくれ。んじゃよろしくー」
スタスタと奥の茂みへと行ってしまった宮園。
佐伯も負けじと探し出す。
高村は仕方なく佐伯にカメラを回した。
「よっしゃ、まずは適当にその辺に生えてるこれでいいだろ」
砂利道のすき間に生えてる草をブチブチと引っこ抜く佐伯。
不安な面持ちで見つめる高村。
「トリカブトとかやめてくれよな」
「トリカブト? 何だそりゃ!」
「……おい」
少し草が茂っているところへ行き、少し背の高い草を引っこ抜く。
ボウルにはまだまだ草が入るスペースがある。
「宮園はどこ行ったの? そういや」
「知らん。結構奥まで行ってたぜ」
「俺も負けてらんねぇ! すっげぇ草探すぞ!」
「すっげぇ草って何だよ」
「それにしても生い茂ってんなー、これなら色んな草入れられるぜ!」
「勘弁してくれよ。それら、後で食べんだぞ?」
「大丈夫だって!」
「お前の大丈夫も不安を煽るんだよ……」
しばらく時間が経った。佐伯のボウルも後もう少しで一杯になる。
よく見たことがあるような草が積まれている。
果たしてあの宮園はどんな草を積んで来るのであろうか。
「よーっしゃ、こんなもんだろ!」
「まぁ、見たことあるやつばっかだな」
「どんな味すんだろうな!? 楽しみだ!」
「楽しみ……か。俺は絶対クソ不味いと思うぜ」
「ま~た、そんなネガティブに捉えちゃって」
「不味いから食卓に出ねぇんだろ?」
「醤油と塩胡椒で炒めたら美味いさ!」
「あいつがそういう調理で食わせると思うのかね」
「おい見ろ! 一杯になったぞ! うっしゃあ!」
宮園が言った場所で待つ二人。
3分ほど経ったがまだ宮園は姿を現さない。
まだ草を探しているというのだろうか。
「遅いね、ウチのリーダーさん」
「嫌な予感しかしねぇなぁ」
「お前の気持ちも分かるけどね」
「おーい、待ったかー?」
やっと聞き覚えのある声が聞こえた。
奥の茂みから宮園が手を振りながらやってきた。
左手に持たれているボウルには…見たこともない草が入っている。
高村の不安は的中となってしまった。
二人とも宮園より草の方へ視線を注ぐ。
「お前どこにあったんよその草!」
「ハッハッハ、すごいだろう。俺も初めてみるなコレ」
「何……?」
高村が少々青ざめた表情になる。
「お、お前の方は見たことあるやつばっかりだな」
「丁度良いんでないの? よくある草と、そんなに見ない草で半々だろ」
「それもそうか、高村どうした? まだ何も食ってないのに青ざめちゃって」
「……」
「よーし、それじゃ一旦ここで撮影切って、草洗うぞ!」
「おー!!!」
「どうかしてるよお前ら……」
パート2へ続く
何とパート2まで続きやがるんですよ。
困ったもんですね。