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偶然の人生逆転~冤罪を着せられてサークルを追放されたけど、一発当てて優雅な大学生活を過ごします~  作者: 気まぐれ@ハズリバ2巻1.23発売予定


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3/3

第3話

『「俺たちで不動産」、自転車操業発覚! 後続の投資家の入金を配当に回していた疑い、経営実態なかった⁉』


 大雅が大金を投資していた事業が破綻していた。

 というか記事が正しいならそもそも事業をしていなかったのだが、連絡先の電話、アドレス、SNSはすべて不通。

 配当がないどころか、元本の返還を請求する先もわからない。


「お、おいマジかよ……」


 青ざめる大雅。

 大学の廊下で歩きスマホをしていたら、見たくない記事を見てしまった。

 このままだとサークルの金を拝借していたのも返せない。

 そこへ舞がやってきた。


「どうしたんですか、笠木先輩?」


「ん、ああいや、何でもない……」


 どう見ても不審な様子の大雅。

 舞は彼のスマホを覗き込んだ。


「先輩、これって……。最低でも預けた分は戻ってくるんですよね⁉ だって元本保証って言ってたんだし」


「いや、経営者が行方不明でさっぱりだ。調べたらこれは詐欺っぽい」


「『詐欺っぽい』じゃなくて、詐欺じゃないですか! 何が経済学部よ、詐欺も見抜けないなんて……私、サークル抜けますね。あとは先輩が何とかしてください」


「お、おい、ちょっと待てよ!」


「なんだなんだ、サークル恒例の痴話喧嘩か?」


 足早に去っていく舞。

 大声でやり取りしていたせいで周りの学生にも聞こえていたが、そんなことは気にならなかった。 


◇◇◇


「玲さん、今日はどこへ行きましょうか?」


「そうだね……とりあえずスタバにでも行く?」


「そうしようか」


 僕は梨香さんと二人で手をつないで歩いていた。

 そこへ、招かれざる客がやってきた。


「玲!」


「……この人誰ですか?」


 冷たい声で梨香が僕に聞いてきた。


「前の彼女だよ。噂を聞いて僕と別れたんだ」


「ふーん。元カノさんが今さら何の用ですか?」


 梨香さんは僕の腕を組んだ。


「ごめん、私見る目がなかった。あの先輩の嘘に騙されて振っちゃったけど、先輩とも縁を切ってサークルも抜けてきた。そんな金髪の子、玲の好みじゃないでしょ。だから、お願い、もう一度やり直そう!」


「……え? 何言ってるの、舞。もう無理だよ。梨香さんとお付き合いしてるんだから」


「そんな!」


「原野舞、さんでしたかね。サークル合宿の出来事って、大雅さんといっしょになって玲さんのことを騙していましたよね。あんな垢抜けないやついらない、って言ってませんでした?」


「そ、そんな、どこでそれを……」


「食堂で話してましたよね。私聞いてたんです。玲さんの外見が変わった瞬間に近寄ってくる人なんて信用できません。行こう、玲さん」


「わかった。じゃあ、さよなら原野さん」


「……待って、待ってよ玲!」


「まだ何かあるの?」


「先輩が『俺たちで不動産』に騙されたの! 私はサークルのお金を先輩に渡すよう強要されたの。私も責任取らされるかもしれない、助けて、私たち付き合っていたでしょ」


「玲さん、この人……なに言ってるんでしょうか?」


「わかんない。でも僕に関係ないことだけははっきりしてるよ」


 原野さんの言うことなんか聞く必要はない。

 僕らはそれを無視してその場を去った。


◇◇◇


「くそぉ、どうすればいいんだ……」


 舞に逃げられ、途方に暮れる大雅。

 サークルの金も使いこんだことがバレるのは時間の問題。


 何とかならないかと考えているとき、キャンパス内で玲を見つけた。


「そうだ、あいつだ! 外見を変えたが、それよりもあの高そうな服を毎日ローテーションしてる。見りゃわかる、金を持ってるに違いない。おーい、玲!」


 玲は呼ばれた気がしたので後ろを振り返る。

 そこで大雅は笑顔を浮かべて玲に近寄ってきた。


「あ、大雅さん。こんちは」


「よう玲、元気だったか?」


「はい」


「ちょっと金貸してくんねえか?」


「はい?」


「お前をサークルから追放したのは悪かったと思ってる。だが仕方なかったんだ、俺も言いたくなかった。でさ、ちょっと金に困ってるんだわ。お前と舞を引き合わせてやった恩を忘れてないだろ? また寄りを戻させることもできるぜ?」


「もうバレてますよ。原野さんが僕と付き合ったのはあなたの命令で、僕をからかうためだったんですよね。合宿のときもアレもあなたの仕込み。なんで僕は原野さんが好きだったのか、もう不思議でしょうがないです」


「なに……」


「で、サークルの金も使いこんだ、とか原野さんが言ってましたね。大変ですね、大雅さん、頑張って罪を償ってください。じゃあ」


「おい、ちょっと待てよ」


 足早にその場を去っていく玲。

 なぜそのことがバレていたんだ、と考えているうちに玲を見失ってしまった大雅。


「……もうこうなったらFXで一発逆転するしかねぇ!」


 次に金のあてがあるのは、バイト先のコンビニだ。

 後で返すから問題ない、と自分に言い聞かせながらコンビニのレジから金をちょろまかし、FXにつぎ込む大雅であった。


◇◇◇


「例のテニサーの話、知ってる?」


「なんかさ、サークルの金を使い込んで投資に失敗したんだって。なんだっけ、ほら、あの……」


「あ、『俺たちで不動産』とかってやつ? こないだニュースでやってたよね」


「そうそう、それそれ。でさ、そのサークルの金使い込んだ奴がさ、負けを取り返すためにバ先のコンビニの金を使い込んでさ、FXやって失敗したんだって」


「そうなんだ」


「横領に手を貸した女の子といっしょに捕まったらしいよ」


「バカだね~」


 僕はそいつらが誰だか知ってる。

 今となってはどうでもいいけど、大学で退学の貼り紙をされてたし。


「どうしたの、玲さん?」


 大学で隣を並んで歩いている梨香さんが僕を不思議そうに見てきた。


「いや、なんでもないよ。もうすぐ長期休暇だよね。どっか行く?」


「そうね、私は北海道に行ってみたいわ」


「よし、北海道にしようか」


 北海道か。

 夏は涼しいんだろうな。

 僕たち二人はこれから旅行の計画を立てることにした。

 いつもお読みいただきありがとうございます!

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