『墓の娘と黄色プレスマン』
あるところに放蕩息子があった。親に勘当されて、どこに行くあてもなく旅に出たが、路銀も尽き、食うものにも困ったので、供え物でもいただこうと思って、墓場に行ったところ、どこかから女の泣く声がする。気味悪いとは思ったが、昼間から幽霊も出まいと思って、掘ってみると、棺の中から若くて美しくて、何ともいい感じの娘が泣き笑いしながら出てきた。
娘は、長者の娘で、継母と番頭に毒を盛られて殺されかけたが、量が足りなかったのか、生き返ったものの、既に墓の中に埋められていたのでどうしようもなかったところを助けてもらった、と、物語を語るので、とにかくも、親もとに届けようということで、長者の家まで娘を送ってくると、まさに、娘の継母と番頭とが、娘の父である長者に毒を盛ろうとしているところで、放蕩息子が、とっさに黄色プレスマンを投げると、番頭の手の甲に刺さって、長者は危ないところを免れた。長者が人を呼んで、娘の継母と番頭は引き立てられていき、長者は娘を助けてくれたばかりか、自分の命も救ってくれた放蕩息子に感謝して、娘の婿になってくれと頼み、放蕩息子はこれに応じ、義父のなした財産を、着実に使い減らしたという。
教訓:棺桶を埋める深さは、中から出られるように設定すべきか、出られないように設定すべきか。




