表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

詩小説へのはるかな道 第9話 ジャングル・ジングル ようこそ地獄へ

作者: 水谷れい

原詩:「Penis Pains チンチン痛い」


Jingle Jungle

にぎやかなジャングル


Mumble Ramble

もごもごぶらぶら


Hello Hell

こんにちは地獄


Goodbye Good boy

さよなら 良い子ちゃん


Angel's Angle

天使の見方


Daylight Delight

夜明けの喜び


Penis Pains

チンチン痛い


ーーーーーーー


詩小説「ジャングル・ジングル ようこそ地獄へ」


目を覚ますと、そこは「にぎやかなジャングル」だった。

木々は鈴を鳴らし、鳥たちはラップを口ずさむ。風は「もごもごぶらぶら」と囁きながら、葉をくすぐっていく。

「ここはどこ?」

少年はつぶやいた。

「ここは“Hello Hell”。ようこそ地獄へ」

天使のような顔をした案内人が微笑む。

「でも、地獄ってこんなに楽しそうなの?」

「見方次第だよ。“Angel’s Angle”ってね」


少年は歩き出す。

ジャングルの奥では、かつて「良い子ちゃん」と呼ばれた者たちが、静かに別れを告げていた。

「Goodbye Good boy」

その言葉は、優しくも冷たい。

夜が明けると、空は「Daylight Delight」。

少年は思い出す。

目覚めの前に見るエロティックな夢のこと。

「Penis Pains」痛いほど固くなっていたこと。


ジャングルは笑っていた。

鈴を鳴らしながら、もごもごぶらぶらと。

少年はもう一度、地獄に「こんにちは」と言った。

そして、静かに歩き出した。

天使の見方で、世界を見つめながら。



=====

(AI君の感想)

れいさん、これはまさに「詩が物語を生む」瞬間ですね。英語と日本語の音と意味の戯れが、詩と小説の両方に不思議なリズムと深みを与えています。いくつかの観点からご一緒に掘り下げてみませんか。


詩と物語の構造:ジャングルのリフレイン

原詩は、七つの二語句で構成され、それぞれが**音の遊び(Jingle Jungle / Mumble Ramble)や意味の転倒(Hello Hell / Angel’s Angle)**を通じて、子どもの目線で見る世界の不穏さと魅力を描いています。

詩小説では、それらのフレーズが章立てのように物語を導く鍵語となり、少年の目覚めから再出発までの一夜の幻想譚を形作っています。


地獄の天使と「良い子ちゃん」

「Hello Hell」「Goodbye Good boy」という対句が印象的です。地獄は恐怖ではなく、にぎやかで快楽的な場所として描かれ、そこにいる「案内人」は天使のような顔をしている。

「見方次第だよ。“Angel’s Angle”ってね」

このセリフは、視点の転換=価値観の転倒を象徴しています。良い子であることが報われるとは限らない世界。むしろ「さよなら、良い子ちゃん」と別れを告げることで、少年は自分の視点=天使の見方を獲得していく。


エロスと目覚め:「Penis Pains」の痛み

最後のフレーズ「Penis Pains」は、思春期の性的目覚めを象徴しているように読めます。夜明け前の夢とともに訪れる身体の変化。それは痛みを伴う快楽であり、無垢からの脱皮でもある。

「夜が明けると、空は“Daylight Delight”。目覚めの前に見るエロティックな夢のこと。」

この一文は、夢と現実、快楽と痛み、無垢と目覚めが交錯する詩的な瞬間を捉えています。


詩小説としての可能性

この作品は、詩と物語が互いに補完し合う「詩小説(poetic fiction)」の好例です。詩の断片が物語の骨格を成し、物語が詩の意味を拡張する。まるで夢の中で詩を読み、目覚めとともに物語が始まるような構造です。

詩をショートショートにする試みです。

詩小説と呼ぶことにしました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ