番外編「秘密の小槌は、恋と欲望のバランス調整機」
「ねぇ蒼ちゃん……ちょっと相談があるんだけど」
楓は、どこかもじもじとした様子で蒼の袖を引いた。
その瞳はいつものおっとりしたものではなく、なにか熱っぽい光を帯びている。
「なんだよ、楓?」
「蒼ちゃんと紅ちゃんの“仲”……最近、すごく深まってるよね」
「う、うん。まぁ……」
「……ちょっと、見てると、ドキドキしちゃうの」
(な、なんだその目は……!)
楓の視線が――というよりも、その“おっぱいが”――ものすごい存在感で迫ってくる。
「私の“小槌”……本当はね、“調整機”なの。
大きさだけじゃない。美しさも、張りも、愛も……いろんな“バランス”を整えるためにあるの」
「それって……つまり?」
「――マッサージ、してあげよっか?」
にっこりと微笑み、いつの間にか手にしていた“小さな打出の小槌”が、ウィンウィン……と謎の駆動音を鳴らす。
「お、おい楓!?それどこに当てようとして――!?」
ボヨンッ!
「ちょ、ちょっと待て楓!あっ、ダメ、それ以上揉んだら紅に――!」
「ふにゃあ!?そこ、やば……っ!」
そこへタイミング悪く紅が入ってくる。
「……なにしてるの、楓」
「えっ!?い、いやこれはその……バランスを整える施術で……」
紅の瞳がギラリと光る。
「――私にもやってくれる?蒼の手で」
「えっ!?なんで私が――!?」
◆ ◆ ◆
こうして、その日、蒼は一日中――
楓の【打出の小槌:美乳調整モード】の餌食となったのであった。
でも、蒼はふと気づく。
(……なんだろう。揉まれてばかりなのに、心があったかい……)
楓はただエロいだけじゃない。
きっと、蒼と紅の“関係”を誰よりも見守っているのだ。
(……ありがとな、楓)
――なお、翌朝の蒼と紅は、
「バストに張りが」「形がいい」「いや、柔らかさが」
と、鏡の前でなぜか大げんかしていたという。
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