第62話「王都の罠と、くノ一たちの夜会」
「……ここが王都ね」
夜の帳が降りた王都は、豪奢で気取った空気に満ちていた。
蒼たちは、貴族の仮面舞踏会に“侍女として潜入”する任務を課されていた。
「ドレス……動きづらっ!」
蒼は鏡の前でため息をつく。
ドレスからあふれんばかりの胸、背中は大胆に開いていて、
どこからどう見てもただの“エロい美人”。
「ちょ、ちょっとこの胸……完全にドレスが負けてるし!」
「大丈夫よ。蒼は何着ても……エロいんだから♡」
紅がぴたりと背後に張りついた。
「て、照れるだろっ!」
「ふふ、蒼はそのままでいいの。ねぇ、少し触っていい?」
「お、おい待て、今は任務中だぞ!?」
「任務中のご褒美、ってことで♡」
――ドレスの裾の中で何かがもぞもぞ動いた、気がした。
そこへ楓が駆け込んでくる。
「わっわっ、すみませーんっ!ドレスの裾、トイレの水に浸しちゃって……っ!」
「なんで!?どうやったらそんな事故になるの!?」
「しゅ、主観的には事故ですぅぅぅ……!」
さらにZEROが無言で現れる。
「……ドレス、動きにくい。脱ぐ」
「だ、だめ!脱ぐな!公共の場!」
「……私は影。影に服はいらない」
「論理がわかんねえよ!」
――そして任務は始まる。
舞踏会の中心、王家の姫が微笑む。
だが、その背後に、“見覚えのある仮面の男”が立っていた。
「……あいつは……」
蒼の中に疼く記憶。
異世界“烈火”としての記憶が、警鐘を鳴らす。
「また会ったな、“烈火”。いや……“蒼”と呼ぶべきか?」
仮面の男が、意味深に囁いた。
「な、何者……!」
紅が蒼の手を握る。
「何があっても、私は蒼の隣にいるよ。任せて!」
◇ ◇ ◇
ドレスが乱れ、愛が深まり、敵の影が忍び寄る中、
くノ一たちは笑い、愛し、戦い、魅せる。
これは――忍法×ラブコメ×異世界転生活劇!
次回、仮面の男の正体が少しだけ明かされる…!




