第61話「記録者たちの目覚め ―楓の秘密兵器と、新たな任務―」
了解しました!
それ
「はわわっ!あわわっ!これ、起動しちゃいましたぁぁああ!」
朝の訓練場。
蒼と紅がじゃれ合い……いや、真面目に体術の訓練をしていると、
爆音と共に巨大な影が現れた。
「……おい楓! なんだそれ!?」
「えっとですね……ひみつ兵器・**“オオダシ・Mk-3”**ですぅ!」
どこからどう見ても、
どう見ても! 巨大な打ち出の小槌型ロボットだった。
しかも胸元にでっかく「楓」とプリントされている。
「は、恥ずかしい……けど、頑張って作ったんですぅう!」
蒼と紅の目が点になる中、
オオダシMk-3は謎の挙動でぴょんぴょん跳ねる。
その反動で――
どごんっ!
「きゃうっ!?」
楓が蒼の背中に飛びつく形で激突。
しかもそのまま、蒼の豊満な胸をがっつりわしづかみ!
「ちょ、ちょっと楓っ! そこは! うぐぅ……!」
「ふわわっ!? ご、ごごごめんなさぁぁぁいっ!」
……が、なぜか離そうとしない楓。
「わ、わがままボディ……うらやま……」
紅は眉をピクリと動かし、すっと間に入る。
「はい、ストップ。――私の蒼に何してるの?」
「ひゃぁああごめんなさい紅ちゃんんんっ!!」
その時――
> 《ピピッ――譲渡スキル《感情伝達》、進化の兆候を検出》
またかよ、と叫びたくなる蒼だったが、
なぜか楓の胸が一瞬“ぼよんっ”と膨らんだように見えた。
(……ま、まさか、また!?)
蒼は胸を押さえながら頭を抱えた。
「このスキル、ほんとにどんな感情で反応してんだよ!!」
◇ ◇ ◇
その夜。
任務会議で、師匠が静かに語る。
「次の任務は……“王都への潜入”だ。
ナンナ残党の動きが本格化している。お前たちの力が必要だ、蒼」
蒼は紅と視線を交わす。
「……わかった。胸は重いけど、背負ってやるさ、どっちの意味でもな」
紅はそっと寄り添いながら囁く。
「その重さ、私が半分持つ。だから、置いていかないでね?」
そして、楓はにっこり微笑んだ。
「……ふふ、秘密兵器、次はちゃんと制御しますねっ。きっと……」
ZERO(影)は静かに腕を組みながらボソリ。
「……制御できるとは思えないが、まあ、記録はしておこう……」
明るい笑いと、わずかな不安を孕えたまま。
――王都潜入任務、始動。
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